2012年5月26日 (土曜日)

【2011進行基準】IFRSの目線と経営の目線

IFRSは、会計基準の基礎となる概念フレームワークにおいて、顧客を満足させることが企業にキャッシュ・イン・フローをもたらす旨の記載をしていて、2011年公開草案「顧客との契約から生じる収益」では、「履行義務を充足」することで企業が提供する財・サービスの「支配」が顧客へ移転し、収益を認識することを見てきた。このように見てみると、顧客を満足させるところが企業経営と共通の基礎となっていることが分かるが、それならIFRSを経営に利用できないか、というのがこれからの趣旨だ。   この観点から、改めて2011年公開草案の特徴を挙げてみよう。   ①プロセス重視(履行義務の識別) 今まで...

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2012年5月23日 (水曜日)

【2011進行基準】IFRSは経営に役立つか

5/21の早朝は、みなさんの中にも金環日食をご覧になった方が多いと思う。マスコミも世紀の天体ショーとして盛り上げたので、僕も近所の南東側の開けた標高300Mの山に登って観察した。しかし、この日食も、昔は不吉なものとされていたそうだ。今は、仕組みやその希少性、学問的価値、そして我々の生活に特に悪い影響がないことなどが明らかになっており、肯定的にとらえられている。   IFRSも実態を理解している人が少ないなか、イメージで色々語られることも多い。しかも、それらの中で企業経営を理解している人はさらに少ないだろう。僕も理解できていない一人だが、IFRSの中に幾筋かの光明を見出している。その一...

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2012年5月19日 (土曜日)

【2011進行基準】結論の根拠から~支配の移転4「第35項(b)」への当てはめ

第35項は(a)と(b)に分かれていて、(a)は支配の移転が明らかなもの、(b)は明らかではないが、移転していると推定できる条件を規定している。前者の典型をソフトウェア受託開発でいえば、成果物の著作権が特に制約なく顧客にあることが契約上で明示され、顧客のコンピュータ処理環境下でのみ開発作業が進められ、顧客から開発用PCの貸与を受け、顧客側のプロジェクトメンバーが進捗状況をしっかり把握できている状況だと思う。成果物が顧客の施設下の顧客の記憶媒体に保管され、かつ、その状況を顧客が理解し管理できているからだ。プログラム等の成果物は、顧客が著作権を持つと契約書に記載されることが多いが、それとこの実際の...

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2012年5月16日 (水曜日)

【2011進行基準】見直し終了~支配概念

前回(5/12)の記事に記載した通り、2011進行基準シリーズの一部の記事を見直していたが、その作業を終了した。下記に記載した通り、「支配」について固い考え方を採用することにした。   「支配する」とは、人や組織に対しては「相手の意思決定を思い通りにする」とか、「誰かに異を唱えられることなく相手の処遇を決められる」ことだと思うが、「財・サービスを支配する」とはどういうことだろうか。「支配」は、普通は「もの(財・サービス)」に対してあまり使わない言葉だと思うが、あえていえば、「他人に異を唱えられずに、自由に使用し処分できる」ということではないだろうか。   当たり前じゃないか...

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【2011進行基準】結論の根拠から~支配の移転2「第35項(a)」

 =見直しは終了しました(赤字部分が修正で、進行基準が適用可能な範囲は狭くなっています。その他、不適切な表現を修正しました。5/16)=  =以下については見直し中です(5/11)= ------------------------------------ 今回はいよいよ核心部分だが、その前にざっとおさらいをしてみよう。     僕は2011年公開草案で進行基準がどのように扱われているかが知りたくて、そしてそれが概念フレームワークに整合しているのかが知りたくて読み解いてきた。収益認識の一般基準(コア原則)は、企業(供給者)の財・サービスの支配が顧客に移転...

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【2011進行基準】結論の根拠から~支配の移転1

=見直しは終了しました(修正しませんでした 5/16)= =以下については見直し中です(5/11)= ------------------------  みなさんは「支配」という日本語からどんな英語を想像されるだろうか。webiloに掲載されている研究社 新和英中辞典によれば、「支配」に対応する英単語には以下のものがある。   〈管理〉 control; 【形式ばった表現】 superintendence 〈統治〉 rule; government; 【形式ばった表現】 sway 〈運営〉 management 〈指揮〉 direction   たくさん...

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2012年5月12日 (土曜日)

【2011進行基準】見直しの理由~支配概念

5/11現在、以下の記事については見直しを検討している。    4/24 【2011進行基準】結論の根拠から~支配の移転  5/ 2 【2011進行基準】結論の根拠から~支配の移転2「第35項(a)」 (ついでに5/ 9の記事については、タイトルの「支配の移転2」を「支配の移転3」へ変更した。)   まだどの程度修正するか(或いは修正しないで別の記事を書くか)は決めてない。見直ししようと思ったのは、5/9の記事に書いた「意外とIASBとFASBの両審議会は固い」に気が付いたからだ。固いというのは「支配」のイメージに対してだが、支配を柔...

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2012年5月 9日 (水曜日)

2011進行基準】結論の根拠から~支配の移転3「第35項(b)」の概要

第35項は(a)と(b)に分かれていて、(a)はプロジェクトの成果物がどんどん顧客に移転していくもの、(b)はどんどん移転しているかはっきりしないが、実質的に一定期間にわたって移転されていると推定できる3つのケースを規定している。但し、(b)については、成果物が他の顧客へ転用できないものであることが前提となっている。今回はその(b)を概観する。次回以降、もっと詳細に検討する。   前回、第35項(a)の「どんどん移転している」とは、成果物の実質的な所有(即ち、支配)がプロジェクトの進行にしたがって顧客に移転すると考えられる状況のことで、その判断は、単に契約関係がそうなっているだけでな...

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2012年4月24日 (火曜日)

【2011進行基準】結論の根拠から~履行義務

前回は2011年公開草案の「結論の根拠」から、収益認識のコア原則について進行基準との関連を中心に検討してきた。なぜ「基準」を読まないのかと思われた方が多いと思うが、残念ながら基準は読みにくい。その理由は次の通りだ。   どんな取引・業種でも適用されるコア原則ゆえに抽象的な表現となっている。 「履行義務の充足」とか「支配の移転」など馴染みのない言葉が重要な概念として使用されている。   出荷とか、検収とか、もっと分かりやすい言葉で基準を作って欲しいと多くの方は感じられたと思うし、僕も同じだ。ただ残念ながら、そういう言葉を使うと経済実態を伴わない出荷や検収が作られてしまうリスク...

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2012年4月23日 (月曜日)

【2011進行基準】結論の根拠からソフトウェア開発への適用について考える

公開草案は、基準、設例、結論の根拠の3つからなる。基準として確定すると、これらはPart A(基準)とPart B(結論の根拠)に納められる。Part Bは基準とは別冊にされ基準自体ではないが、基準の説明文書として尊重されるべきものとされている。結論の根拠は基準より分量が多いが、論点、経緯、寄せられたコメントとそれに対するIASBの判断が記載されており、読み物として基準より読みやすい。今回は、結論の根拠に記載されているこの公開草案の経緯や進行基準に関連する部分を紹介し、ソフトウェア受託開発契約を考える取っ掛かりにしたい。(なお、この公開草案は、ASBJによる日本語翻訳版もIFRS財団ホームペー...

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2012年4月21日 (土曜日)

【2011進行基準】ソフトウェア受託開発と2011年公開草案「顧客との契約から生じる収益」

企業は、企業が約束した財又はサービス(すなわち、資産)を顧客に移転することにより企業が履行義務を充足した時に(又は充足するにつれて)収益を認識しなければならない。資産は、顧客が当該資産の支配を獲得した時に(又は獲得するにつれて)顧客に移転される。(2011年公開草案パラグラフ31)   これを読んだ時に、進行基準はなくなったのかと心配された方は多いと思う。特にソフトウェア業界は平成21年3月期に正式に進行基準が導入されたばかりなので、戸惑いが多かったと思う。だが、IASBとFASBの共同プロジェクトはなくしたつもりはなかった。ただし、設例4を見る限り、無条件に適用されるものではなく、...

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2012年4月18日 (水曜日)

原則主義と企業の手間(企会審2/29の議事録等から)

下記は、企業会計審議会事務局による原則主義のメリットとディメリットのそれぞれ2番目を抜き出したものだ。メリットでは経営の実態に適合しない処理(基準)を避けられるとしつつ、ディメリットでは企業の判断が増える分、その説明が必要になるので手間が増えるとしている。   -・-・-・-・-・-・--・-・-・-・-・-・- (メリット) 取引の実態に応じてあらゆるケースを想定して基準を用意することには限界があることから、作成されたルールを適用することで実態に適合しない処理になってしまう状況を避けうる。 (ディメリット) 作成者にとっては会計処理の適用についての判断及びその判断の根拠を示す必要が...

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2012年4月11日 (水曜日)

原則主義と、企業と監査人の意識のバージョンアップ(企会審2/29の議事録等から)

下記は、企業会計審議会事務局による原則主義のメリットとディメリットのそれぞれ1番目を抜き出したものだ。メリットでは経営の実態をより適切に反映できるとしていて、ディメリットでは比較可能性を損なうとしている。   -・-・-・-・-・-・--・-・-・-・-・-・- (メリット) 各企業の判断で会計方針を作成し、経営の実態をより適切に反映した会計処理が可能となる、また、企業として会計に対し受身でないしっかりとした方針の作成を促進することにつながる。 (ディメリット) 形式的には原則主義の会計基準で統一が達成されたとしても、その適用にあたって解釈の幅が広すぎたり、選択できる処理が複数ありう...

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2012年4月 9日 (月曜日)

原則主義と、企業と監査人の責任(企会審2/29の議事録等から)

下記は、企業会計審議会事務局が作成した資料や議事録に記載されていた原則主義のメリットとディメリットだ。メリットには、とても良いことが色々書いてあるが、それに伴う重い責任を企業と監査人が負うことになる。その覚悟を日本も早く持てると良いと思う。その方が原則主義のメリットをたくさん享受できるからだ。このままでは、原則主義が米国に切り刻まれてしまう・・・。   -・-・-・-・-・-・--・-・-・-・-・-・- (メリット) 各企業の判断で会計方針を作成し、経営の実態をより適切に反映した会計処理が可能となる、また、企業として会計に対し受身でないしっかりとした方針の作成を促進することにつなが...

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2012年4月 4日 (水曜日)

原則主義のエッセンス(企会審2/29の議事録等から)

3/29に開催された企業会計審議会については、すでに報道されていて、中小企業の会計基準や監査人の対応がテーマになっていたようだ。しかし、まだ議事録は公開されていない。そこで今回から数回にわたり、2/29の議事録等を参考にしながら、原則主義について検討してみたい。   審議会では、事務局から原則主義のエッセンス、メリット・ディメリットやすでにIFRSを採用している国・法域における対応が説明され、事務局が論点となるだろうと考えたテーマが提示された。今回は、そのエッセンスについて考えてみたい。   (エッセンス)  ①例外規定をなるべく認めないこと  ②核となる原則が明解であるこ...

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2012年4月 1日 (日曜日)

NHKスペシャル シリーズ日本新生「インフラ危機を乗り越えろ」

3/31に放送されたNHKスペシャル「インフラ危機を乗り越えろ」の感想を書かせていただきたい。人口減少を踏まえて、高度成長時代やバブル崩壊後の景気対策として建設されてきた上下水道、道路・橋梁、文化施設といった箱モノの維持管理ができなくなってきているそうだ。結論から言えば、危機的な現状を行政と市民が情報共有することと、住民参加により解決策を模索していくのがよいのではないか、ということだった。即ち、一般市民も民主主義の基本に立ち返ることが求められる。その具体的なアイディアとしては、コンパクト・シティと呼ばれるインフラ整備・維持する範囲を制限する考え方の提案がなされていた。だが、問題の根本にある行政...

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2012年3月29日 (木曜日)

IFRS導入論議のおさらい

企業会計審議会が今日、3/29に開催される。直にその内容がニュース配信されると思うが、それまでに今までの議論をざっと復習してみよう。最近は議論の方向性が若干見てきたようにも思える部分もあるが、まだまだ先行き不透明だ。   昨年2月までは、当時のIASB議長のトゥイーディー卿が手を打って喜んだとも言われる2010年6月の中間報告をベースに、即ち、2012年に強制適用するか否かを決定し、2015年~2016年に適用することを検討するスケジュール感で進んできた。IFRSを導入する範囲は全上場会社、さらに連結先行、即ち、連結よりタイミングは遅れても単体にもIFRSを導入するイメージだった。 ...

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2012年3月24日 (土曜日)

結局、東電は債務超過か?

長々と書いてきたが、このシリーズの冒頭の問い掛け「東電は債務超過か?」への答えをまだ書いていなかった。僕の答えは①「分からない」だ。しかし、②「国民の助け(税金投入)がなければ既に債務超過」だとはいえるだろう。そして、③「東電は国策として非常にリスクの高い事業を担っていた」という、ある意味当たり前のことに僕は気付かされた。   詳しく書かせてもらいたい。まず①「分からない」について。   機構からの交付金で相殺される原子力損害賠償費関係は、純資産に与える影響は小さいのでここでは考える必要はない。重要なのは災害特別損失だ。前期末に見積り額を引当てたが、ある程度具体的な工程表が...

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2012年3月22日 (木曜日)

東電の財政状態とリスクについての一つの見方(まとめ)

5回にわたって、東電の2011/3期から2012/12基準日の第3四半期までの有価証券報告書及び四半期報告書を見てきた。いまこれらの記事を読み返してみると、我ながらなんと分かり難い文章かと自分で驚くが、なんとか気を立て直して分かりやすくなるように、もう一度努力してみた。順番に読んでこられた方にはくどいかもしれないが、改めて以下に要約した。   =資金繰り、財務的な負担について= 原子力損害についての賠償は、被害者への賠償も除染費用も東電が窓口になって支払うが、資金繰りのサポートを国(機構)が行う。 1の費用の最終負担は、東電が負担しきれない分を国が負担する。 1、2の国(機構)のサポ...

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原発事故に関する注記事項

前々回、前回と、B/SやP/Lに会計処理されている項目を見てきた。その結果、損害賠償に関係する項目(原子力損害賠償費等)は、特別事業計画が認可されれば、損失が機構によって補填され、かつ、機構は東電の資金繰り等の状況から、一般掛け金、特別掛け金の額を決めるため、これによって東電の資金繰りが破たんする可能性は低いと考えられた(前々回)。また、東電自体が受けた損害(災害特別損失等)については、同様の補填の仕組みがないため、東電が債務超過になる可能性が考えられたし、ステップ2の後の見積りや国の政策が即時脱原発となった場合に財政状態へ与える影響が注目された(前回)。さて、これらが注記にどのように表現され...

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2012年3月17日 (土曜日)

災害特別損失の見積り

原子力損害賠償費及び原子力損害賠償引当金については、前回国の支援内容を検討し、特別事業計画を機構と作成し主務大臣の認可を受けることで、機構から資金が補填されることを見てきた。即ち、損失が計上されても見合う利益が計上される。一方、災害特別損失は、そのような利益項目は見当たらず、そのまま純資産を減少させ東電の負担となっている。債務超過になるとすれば、この災害特別損失の方こそが重要だ。災害特別損失及び災害損失引当金に関する東電の開示をみて、この項目になにが集計され、また、なにがまだ荒い見積りなのかを整理してみようと思う。   四半期報告書では、なぜかこの災害特別損失関係の注記はない(上述の...

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2012年3月15日 (木曜日)

国による財政的な支援の内容

国の支援内容は、資金繰りのサポートに限定されるのか、それとも資金供与(政府負担、即ち、国民負担)までをも含むのか。これが前回示した1(損害賠償費用)と2(汚染瓦礫等の廃棄・除染費用)の東電の負担の重さを決める。東電は、これに関する支出と収入を特別損失と特別利益に両建てし、注記には特別事業計画を機構とともに作成し、かつ、賠償責任を全うするとの決意を記載しているが、最終的に誰が負担するのかについては明確ではない。例の特別負担金はどうなっているのだろうか。   これを理解するには、これも前回記載した昨夏成立した機構法について理解する必要がある。法律を読むのは得意ではないが、原賠法に続いて機...

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2012年3月13日 (火曜日)

原子力事故に関係する重要な決算項目

まずは、原子力事故災害の損害賠償の仕組みと絡めて関連する勘定科目の概要を理解しようと思う。これが原子力損害賠償引当金(被災者への賠償額)や災害損失引当金(原発廃炉費用等)、そして継続企業の前提に関する注記などを理解するのに役立つからだ。   どうやら、今回の原発事故の損害で、決算に関係するものは、次の種類のものらしい。 東電に損害賠償請求される避難費用や精神的損害、風評被害、その他間接被害 国、地方公共団体(、東電)の放射能廃棄物処理、除染事業にかかる費用 福島第一原発の冷温停止や廃炉に関する費用(例のロードマップに対応する費用)   1と2は、国の財政上の支援があるが、3...

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2012年3月12日 (月曜日)

東京電力への政府出資と財務情報

このところのニュースでは、福島第一原子力発電所の事故対応に追われる東京電力が債務超過にならないために、株主総会での議決権の2/3を握りたい政府(経産省)と、政府の経営介入を阻止するために1/3程度に抑えたい東京電力側が対立していると報道されている。   東電はすでに債務超過だ、多くの人がそういう印象を持っていると思う。ただ、B/Sを見ると資産超過だが、それは原発事故の損害賠償などの見積もりを合理的に算定できないために引当金が未計上になっているからだ。したがって、B/Sの資産超過は会計技術上そうなっているだけで、本当に資産超過だと思ってはいけない。   しかし、そうなるとすで...

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2012年3月 8日 (木曜日)

減価償却-異説

今日は少々極論、そもそも論を交えて、減価償却の意味を考えてみたい。極論やそもそも論は、具体的な問題の解決を目指す議論には合わないことが多いが、隠れていた重要ポイントを浮き上がらせてくれることがあるので、たまにはよい。が、ちょっと長い。   では、減価償却はなぜ行わなければならないか、というところから始めたい。減価償却は、固定資産への投資額を費用化し、期間損益計算に含める機能を持つ。だが、固定資産投資の管理としては、本来、投資額以上のキャッシュが回収できるかどうかが重要なはずで、それには投資の単位(事業やそれを細分化した単位)ごとに収益や追加コストを累積していけばよい。損益計算の必要は...

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2012年2月29日 (水曜日)

有用な財務情報とは~「忠実な表現」と「比較可能性」(売上基準を例に)

有用な財務情報であるためには「目的適合性」と「忠実な表現」という2つの基本的な質的特性が必要とされている。即ち、将来キャッシュフローの見通しを評価するために有益で、かつ、経済実態を忠実に表した記述になっていることが基本的な要件とされている。しかし、IFRSは、国際的な会計基準の相違を乗り越え、国籍の異なる企業の財務情報も比較可能にするために開発されたものだ。なのに、なぜ「比較可能性」という質的特性が、基本的でなく「忠実な表現」を補強するに過ぎない質的特性とされたのだろうか。   それが垣間見られる概念フレームワークの記述を抜き出してみよう。   QC23 比較可能性は画一性...

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2012年2月28日 (火曜日)

有用な財務情報とは~「忠実な表現」と「比較可能性」の前に固定資産に寄り道

いよいよ、IFRSと日本基準のスタンスの差が明確になるテーマに辿り着いた。IFRSはこの概念フレームワークと個別基準(IFRS、IAS)が矛盾する場合は個別基準の適用を優先するとされている(概念フレームワークの「はじめに」)ので、多くの人は個別基準を見れば事足りると思っているかもしれない。しかし、それは間違いではないかと僕は思う。   日本では、減損会計について知りたいと思った人が、企業会計原則を見ることはないだろう。減損会計基準かその適用指針を見るはずだ。それは企業会計原則に資産が何かについても、なぜ資産を減損するかについても書かれていないからだ。しかし、昨年11月からずっと書いて...

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2012年2月23日 (木曜日)

有用な財務情報とは~「継続性の原則」とIFRSの「比較可能性」、「首尾一貫性」

IFRSの概念フレームワークには、日本の「継続性の原則」に当たる記述が見当たらないと書いたが、「継続性の原則」に関連しそうなIFRSの質的特性の規程を抜き出して検証してみよう。それは比較可能性と首尾一貫性だ。しかし、結論を言うと、比較可能性の記述には会計方針の適用について触れていないし、首尾一貫性は「同一事業年度における会計方針の一貫性」なので、どちらも「継続性の原則」ではない。   <比較可能性> 報告企業に関する情報は、他の企業に関する類似の情報や、別の期間又は別の日の同一企業に関する類似の情報と比較できる場合には、より有用である。(QC20) 比較可能性は、項目間の類似点と相違...

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2012年2月21日 (火曜日)

こんな金融機関の監査人だったら?(これは長文です。お暇なときにどうぞ。)2

前回から、気仙沼信用金庫のような金融機関を僕が監査するとしたらどうなるかを想像して書き始めた。貸出金に対する貸倒引当金が最大の問題だ。しかし、中小企業金融円滑化法の施行以来、金融検査マニュアルが改定され、貸出金の評価に金融機関の裁量が与えられたので、金融機関は、バブル崩壊後の反省に立って鍛えてきた信用リスク管理能力をいよいよ発揮する機会を得たことになる。僕は金融機関がこの能力を適切に発揮しているか、即ち、融資の判断や自己査定による貸倒引当金の見積もりの判断が、返済条件の変更という形式的な要件で一律に決められるのではなく、融資先の実態を金融機関が把握してその結果が貸出金の回収可能性の判断に適切に...

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2012年2月20日 (月曜日)

こんな金融機関の監査人だったら?(これは長文です。お暇なときにどうぞ。)1

一昨日は気仙沼信用金庫の覚悟の潔さに感動し、一気に記事を書いてアップしてしまったが、今日になってふと思った。もし僕がこういう状況の金融機関の監査担当者だったらどうするだろうと。返済期限延長の貸出金、通常なら債務不履行扱いとなるような債務者(融資先)が激増し、多額の引当金を積み増すことが想定されるが、それが正しいのか、それとも別の判断があるのか。多額の引当金を積み増した時、地域経済の復興に賭けた金融機関はどうなってしまうのか。今日は気仙沼信用金庫のことではなく、架空の、しかし、同様の覚悟を持って地元企業に資金を供給する金融機関を想定して僕がどう監査するかを書いてみたい。(したがって、気仙沼信用金...

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«2/11放送のNHKスペシャル「東日本大震災「“魚の町”は守れるか~ある信用金庫の200日」の気仙沼信用金庫」

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