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2011年6月28日 (火曜日)

ちょっとその前にジミー(金融庁)の言い分

(6/28記載)
アマゾンに発注しても本が来るまでに間がある。その間に自見金融担当大臣の談話という形で公表されたものを検討してみよう。これは金融庁のホームページに6/21付で掲示されている。

読んでみると、もともと2年前の6月の中間報告(我が国における国際会計基準の取り扱いについて(中間報告))で、内外情勢と諸課題への対応状況で強制適用時期を検討するとされていたので、全体としては今回の震災を機にそれをやったに過ぎず既定路線の範囲内と思えるが、一部に検討要素が新しく追加され既定路線を超えた部分があるようにも思える。これはジミーのスタンスの変化を表したものだろうか。

フレームとしては●で内外の状況の変化を8つ挙げ、IFRS導入を延期する理由ないし議論再開のきっかけとしている。さらに◯で6月下旬から開始する企業会計審議会での議論の方向性と、その議論を待たずに当局として結論したこと(導入延期)を記載している。

●はすべて公表時より逆風となっている状況を挙げているのであろう。中間報告では、内外情勢と諸課題対応への進展状況が、強制導入時期決定の大きな要素とされている。1つ目、2つ目、5つ目の米国のIFRSアドプションからの後退および米国FASBとIASBのコンバージェンス作業の遅れが特に重要だと思われる。中間報告では日本の財務報告が国際的に孤立し、日本企業や日本の株式市場の競争力が阻害されることを問題視している。ただ、国内要因について震災も含め4つ挙げている。残りひとつがアジア情勢の変化である。順番は発生順となっていて、重要度順ではなさそう。一応気になったのは国内要因の数の多さとアジア情勢が最後に追加されていること。でもそれほどジミーの路線変更には関係ない気がする。

◯は、2つ目で延期という結論を審議会に与えて議論に枠をはめてしまっているので、審議会の議論にはあまり注目は集まらないかもしれない。しかし、1つ目で「会計基準が単なる技術論だけでなく、国における歴史、経済文化、風土を踏まえた企業のあり方」を審議会の議論でしっかりやってほしいと記載されている点が新しいと思う。この着眼点はいったいどこから来たものか。なんらかの路線変更を示唆するものなのか?

「会計基準が単なる技術論だけでなく、国における歴史、経済文化、風土を踏まえた企業のあり方」とは、国としての個性を重視する考え方、「世界で唯一の高品質な会計基準」とは反対の考え方を取り入れたのだろうか。この点についての企業会計審議会の議論には注目が必要と思う。即ち、単に基準設定への日本の影響力を高めたいというIASBへの牽制の趣旨なのか、それを超えた意図があるのか・・・である。

(6/30追記)
残念ながら私の文章より6/21付のLivedoorの記事の方がずっと内容豊富で分かりやすいので、そちらをご紹介します。なお、この記事はCPA_Japanさんのつぶやきで知ることができました。CPA_Japanさんに合わせてお礼申し上げます。

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