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2011年8月 4日 (木曜日)

IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の3)

-投資銀行用の会計基準と製造業用の会計基準 の1-

 

IASBは企業の実態を忠実に表現するためにIFRSを開発している。IFRS財団評議会やJICPAはそう認識している。これに関連して我が国には、IFRSは投資銀行用の会計基準であり、製造業等には合わないとの批判がある。さて、投資銀行用の会計基準、製造業用の会計基準とはなんだろうか。

 

具体的には公正価値会計と取得原価主義会計の争いのようだ。公正価値会計はM&Aを仲介する投資銀行用の会計基準で、取得原価主義会計こそは製造業にあっている、という主張のようだ。もう少し詳しく書くと、僕の理解では主に次の通りだと思う。

 

 IFRSは資産(や負債)の評価中心、貸借対照表中心の会計であり、取引実績を集計し利益を計算する損益計算書が軽んじられている。

 

 公正価値は期末日時点で計算されるため、期末の株式市場、金利や為替など外部市場の変動に影響され、期末になるまで業績が分からない。

 

 B/S中心で一時点の状況を示すので発想が短期的になりやすく、長期的経営をしている製造業中心の日本の風土に合わない。

 

 取得原価主義は製造業の経営にとって重要な原価計算と整合的だがIFRSは原価計算の考え方と合わない。IFRS用のシステムと別に管理会計用のシステムが必要となる。

 

これに関して僕の印象は以下の通り。

 

 恐らくちゃんとIFRSを理解した経営者はこのようには考えないであろうと思う。

 

 ただ「会計のイメージ」が変わるので、戸惑う経営者は多いと思う。

 

 投資銀行と経営者には相違点はあるものの、ものの見方に共通点が多いと思う。

 

 

要するに、経営者はちゃんと説明を受ければ反対しないのではないだろうか。いやむしろ望むのではないだろうか。もちろんこの「経営者」には製造業の経営者も含まれる。また、僕にはIFRSになると日本の製造業が不利になると言い切る自信はない。もうひとつ、投資家のための開示が他の利害関係者にも役立つというが、「他の利害関係者」の典型が経営者だ。

 

今日はここまで。次回以降、僕が上記のように思う理由を書きたいと思う。

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