« 災害ボランティアの貢献とその活用(1/3) | トップページ | 災害ボランティアの貢献とその活用(3/3) »

2011年9月17日 (土曜日)

災害ボランティアの貢献とその活用(2/3)

今日は、ボランティア・センターの運営やその経済効果について記載したいと思う。ボランティアは所詮素人集団だとバカにしてはいけない。被災者の気持ちになって、自分たちを助けようと自発的に集まってくる素人集団を想像してほしい。

 

=ボランティア・センターの運営~主としてボランティア作業の割当(マッチング)=

ボランティア・センターは、住民等からのボランティア作業の要望を集め、ボランティアに割当てる。ボランティア・センターの運営主体は社会福祉協議会(通称社協)で、普段は障害者のお世話などを行っているが、災害時にはガラッと業務内容を変えてボランティア・センターの運営を行っている。

 

ボランティア・センター・スタッフの仕事を詳しくは知らないのだが、住民からの要望・ニーズの収集は社協のメンバーが行っているようだ。少なくとも現地の人でないとお年寄りなどの詳しい事情は理解できない(言葉の問題と地域特有の状況への知識と理解)。ボランティアの申込者数やボランティア人数の予想と、ボランティアへの要望・ニーズを突き合わせ、スケジュールをまとめる。それを毎日朝「今日のボランティア作業」として来場したボランティアに提示し、どの現場に行くかボランティアに手をあげさせる。その際、団体(昨日記載の①~③)は、予め作業に割当てられている。団体がカバーできない現場、作業に④の個人が手をあげる。

 

ボランティア・センターはその日のボランティア作業が終わった後に現場リーダーを集めてミーティングを行う。その日の報告や翌日の作業割当についてリーダーたちの意見を聴いたり、指示を与えたりするのだろう。リーダーたちの意見は柔軟に取り上げられて改善が図られている印象だ。

 

=作業の実施=

現場ごとにリーダーが配置される。リーダーは、特に力仕事系はすべてベテラン・ボランティアだが、現場作業のことはかなり権限委任されているようだ。ボランティアはリーダーから作業内容や注意点を教えてもらう。どの現場でも初めての人の割合が多いので、一週間いると被災者の気持ちを大切にすること、被災者が現場に現れたときの態度、怪我をしないこと、熱中症対策などを繰返し習うことになる。

 

=ボランティアの経済効果=

7月に僕が行ったとき定休日はなかったが、その後月曜日が休みとなった。毎日平均二百名が週6日労働し、日当や昼食代、現地・現場への移動・宿泊経費等を含め一人当たり一日1万円かかるとすると一週間で12百万円、月5千万円、単純年換算6億円の経費がボランティア負担となって、七ヶ浜町や住民は節約できることになる。ボランティアの中にプロが混じることもあるが、ほとんどは素人の集団であることが多く、一日一万円のコストが果たして適正かという問題はあるが、ボランティアが適切な態度で現地住民に接し、また作業する前提で、以下の効果もある。

 

 全国から自分の地域に人が集まってくる状況を見て、この被災地域が社会から忘れられていないという安心感を生む。または社会からの疎外感を減ずることができる。

 特に直接作業を受けた被災者は前向きな力、気持ちを得ることが多い。

Ø 住宅地の瓦礫整理などは被災者がどう頑張っても個人でやることは無理だが行政はやってくれない、手が回らない。

Ø 自分の敷地で数十名のボランティアが真面目に作業している姿になにか温かい、前向きなものを感じる。

 将来ボランティアが町のファンとなって戻ってきてくれる可能性(観光客として)。

 長期ボランティアの中には住み着いてしまう人もいるかもしれない。

 

ボランティア同士の会話で、本来七ヶ浜町は良い街だ、美しい街だ、菖蒲田浜の砂は細かくていい、などと聞こえてくる。

« 災害ボランティアの貢献とその活用(1/3) | トップページ | 災害ボランティアの貢献とその活用(3/3) »

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

番外編」カテゴリの記事

コメント

この記事へのコメントは終了しました。

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 災害ボランティアの貢献とその活用(2/3):

« 災害ボランティアの貢献とその活用(1/3) | トップページ | 災害ボランティアの貢献とその活用(3/3) »

2023年6月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30  
無料ブログはココログ