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2011年10月

2011年10月28日 (金曜日)

10月17日の企業会計審議会~連結と単体

1017日の企業会計審議会での話題は、日本の会計基準に関する戦略ともう一つ、連結と単体の問題だった。連結先行か連単分離か、税法との関係、日本は独自の(単体用)会計基準を持つか、といったところだ。

 

前回まで日本の会計基準に関する戦略を検討してみたが、僕の考えは日本の独自路線は取りえず、IFRS開発に参加しIFRSを採用するというものだった。また会計基準は企業の財務状況を忠実に表現するという目的に特化すべきと書いた。ここから必然的に上記について次のような整理ができる。

 税法は企業の実態を表現した財務諸表を税法の目的に照らして修正し課税所得等を求める方法を採用すべき。税法が会計基準自体に入り込んできてはいけない。

 

 企業グループの実態を表わす方法と単独企業の実態を表わす方法(即ち会計基準)は、基本的には、同じ方法になることが自然。

 

 どうしても受け入れられないIFRSの規定はEUのようにカーブアウトすればよい。それが可能なアドプションの仕組みを持てばよい(既に財務諸表規則はそうなってる)。

 

もう少し具体的に記載すると、減価償却、特に耐用年数が、IFRSと課税所得計算で異なってくることが多いと思うので、二重帳簿にならざるを得ず、税法は確定決算主義を維持できない、或いは確定決算主義の例外とする扱いが必要になってくる。開発費や引当金も同様で、IFRSを採用するので課税所得が大きく変わるというのは本来おかしなことだ。税負担が公平かどうかとか、産業振興政策とか、そういうものは会計基準の問題とは別に定めるべきことで、会計基準が扱うテーマではない。税務当局がこの問題に連動してちゃんと解決すべきだし、そこが動かないのであれば政治の出番だ。

 

配当規制については上記に記載していないが、法務省としてはまず会計基準がどうなるか、それが決まったあとで、それに対応した適切な配当規制の在り方を検討するという考え方であることが、以前の企業会計審議会で述べられている。法務省の考え方こそあるべき姿だと思う。特に問題はないと思うので記載していない。

 

電力会社など別記事業に関しても同様だ。会計基準がIFRSに変わったら、それに対応した規則に変更すればよい。IFRSを採用したら電気料金が大きく変わりました、なんてことが適切な電気料金変更の理由になるとは思えない。

 

 

会計基準に絡んで様々な問題が連なって玉突き状態になっているわけだが、どの玉を突くのが良いか分かれば首尾よくゲームを終わらせることができる。しかし、今は複数の球を一緒に突こうとしているので解決が難しくなっているように見える。

 

 

もう一つ、単体開示を続けるかどうかだが、ほんの例外的に、例えば継続企業の前提に重要な不確実性があるケースで、法的な会社の単位の資金繰りが重要なこともあるが、それ以外は単体の開示が重要なことはあまりないように思う。むしろ、セグメントの開示を充実させた方が役立つのではないだろうか。セグメントをしっかり開示すれば単体は不要だと思う。

 

また、有価証券報告書の経理の状況以外の箇所、即ち財務諸表ではないところに、有報提出会社の売掛金や買掛金の主要相手先ごとの内訳や、保有している有価証券の銘柄の内訳を開示しており、投資家やアナリストには重要な情報となっているという。しかしこれは会計基準の問題ではないので、IFRSには関係のないことだ。

 

2011年10月27日 (木曜日)

「カテゴリ」を付け直し、記事の並べ順を変えました

cocologの趣旨をよく理解せず適当に付けていたカテゴリと、順番に読んでほしいという思いから古い順にしていたトップページの記事の並びを新しい順へ変更しました。

カテゴリはこのブログ専用のものを原則付けるようにしましたが、あまり数を追加できないので、大雑把な分類になってしまいます。しかし、このブログは会計系の方、内部統制系の方、震災系(やなでしこ系)に興味のある方がいらっしゃるようですので、IFRSに関連しない記事はすべて番外編とし、IFRS関係でも内部統制系は別カテゴリにしました。

記事の並び順については、トップページは新しい順に、月別・カテゴリ別のバックナンバーは古い順に並べることにしたのですが、こちらはなかなかサーバーが言うことを聞いてくれません。トップページを新しい順にすることを優先しますので、月別やカテゴリ別のページについては新しい順に並んでいることがありますが、ご容赦ください。いつかは古いもの順に並び替えたいと思います。

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ところでみなさんもご存じのとおり、オリンパスの過去のM&A(2006年~2008年)の問題が、社長の内部告発という異例の経過を経ていることもあってとても話題になっています。FBIも捜査に着手したと報道されています。オリンパスの株価も下げているようです。

内外4件のM&A、買収対象は小規模企業なのに数千億という多額の資金が動き、ケイマンの正体不明のアドバイザー企業に数百億の手数料を払っている・・・。その一部はすでに数百億の減損損失になっているようですが、詳細な開示がないし、規制当局も取引所も制度上直ちに追加の開示を行わせることができないとしているようです。

報道されていることが事実だとすると、内部統制や会計処理の妥当性の問題のほかにも、監査の問題(当時の監査人の監査意見形成と2010年3月期の監査人交代の経緯、現監査人への引継ぎ)、規制当局・取引所のスタンスや開示制度の欠陥など色々問題がありそうです。それに単に動いた資金の大きさのことでなく、偽装や架空の可能性が疑われ、その背後にあるもっと重大な隠し事の存在さえ想像されます。

これは会計基準やIFRS以前の問題だし、僕がみなさんより余計に情報を持っている案件というわけではありませんので、このブログで扱うべきものではないとも思いますが、監査の現場にいた者からするとこんなことが事実なんて信じられず、またもし事実だとすれば適正意見を表明した重さは想像しただけで息苦しくなります。

ということで、この問題の進展によってはですが、IFRSというテーマから離れて、監査人の置かれた立場や心情などについて「番外編」で触れていきたいと思います。

2011年10月26日 (水曜日)

10月17日の企業会計審議会~日本の戦略

思い付きのレベルで恐縮だが、僕の結論から記載する。

 

A. 日本はIFRS開発に積極的に参加し、IFRSが細則主義にならないように気を配り、企業環境が様々な国々の統一基準として原則主義を支持していく。各国の(というか日本の)会計基準設定主体等の自主性を確保し、各国の(というか日本の)実情に応じて(IASBと相談しながら)IFRSを適用していくと主張していく。

B. 日本は、IASBが比較的手薄になっていると思われる製造業に関連する分野を中心に基準開発を主導することを目指す(試験研究費、原価計算、原価・費用明細レベルの開示など)。金融商品系の分野では議論をリードするというより、次々に新金融商品を開発したり、深刻な問題を抱えたりしている欧米が妙な妥協をしないようチェックする立ち位置が良いと思う。

C. いわゆる実業分野(vs.金融)でリードする立場から、新興国の会計基準設定主体や規制当局とコミュニケーションを深め、新興国の制度やIFRSの運用が日本企業に馴染みやすいものになるよう影響力を持つことを目指す。

 

考えては見たが、日本が独自の道を行くことで良い結果を得られるとは思えなかった。その理由は、資金調達・投資のグローバル化のほかに、ちょっとくどくなるが「会計の目的」の正しい理解が日本に根付いていないと思われることだ。企業の実情を忠実に表現することの重要性、問題解決にあたって実態を理解・把握することの重要性をしっかり認識していれば「確定決算主義」を有難がることはないはずだ。会計基準によって従業員の福利厚生が低下するなどとは考えないはずだ。そのように考える人がいてもよいが、そのような考えに支持が集まるはずはないと思う。しかし、残念なことに現実はそうでもないようだ。

 

日本が独自の道を歩めば、会計基準に余計な役割を負わせ、企業の実態が歪んだ形で表現され、経営者にも、投資家にも、債権者にも良いことはないだろう。企業の姿が見えにくくなれば経営がうまくいかず従業員も幸せにはなるまい。結局は税金の負担能力も、公平に計算することは難しくなると思う。問題の原因と結果をしっかり分けて考えないと、ポイントを押さえた問題解決は難しい。したがって、日本経済のためになる、経営者と投資家に有益な会計基準の開発も難しい。

 

結局、IFRS開発に参加する場合も、この点を誤解したままだと他国と議論できないと思う。議論の前提が異なるからかみ合わないのだ。しかし、企業会計審議会で会計に関する日本の戦略を議論することでこの点が確認できれば、日本の代表が国際的な議論に割って入っていきやすくなるし、ほかの問題にも自ずと道筋が見えてくる。連結先行とか、連単分離といった議論もシンプルに整理されるはずで、その結果、企業の負担は軽く、財務諸表はシンプルで読みやすくなるに違いない。僕はこの点にとても期待している。

2011年10月22日 (土曜日)

10月17日の企業会計審議会~日本の戦略に影響を与えるもの

戦略を持つということは、個別問題を一定の方向性、統一感を持って解決していくことに他ならない。IFRS導入問題に端を発し、日本の会計基準についての考え方が日本経済の利益になるよう整理されることは素晴らしいことだ。草の根の議論にしかならないとしても、それ自体に意味があると思うので、僕なりの提案や問題提起をしてみたい。

 

(前提の確認)

僕がここで確認したい前提とは、会計の目的「企業の財政状態及び業績を忠実に表現すること」ということだ。これは会計学の教科書にも記載されている常識であることは以前記載した。また、これに関連して次の当たり前の2点を確認したい。

①よく言われるように会計基準は物の長さ(=企業の財務実態)を図る定規であり、長過ぎる、或いは、短過ぎるといって定規を勝手に変えてはならない。

②財務情報の利用者は実態(企業の財務状態および業績の忠実な表現)を見たいのであり、実態の把握がそれぞれの利用者が直面している問題の解決に必要と考えている。

 

(日本が享受したいメリット)

日本企業が海外企業に比べ不利にならない会計制度を持つ目的は、次の2点に要約されると思う。

 資金調達が不利にならない(直接金融・間接金融)。

 経営戦略の立案・実行管理や経営改善に役立つ。

このような会計制度によって生み出された財務情報は、多少の工夫を加えることで銀行などの債権者、配当に関心を持つ株主、税務当局にも役立つ。さらに、これらの結果として日本経済の安定や成長に寄与し、また消費者、従業員や取引先など関係者の生活に良い影響をもたらすことが期待される。

 

このようなメリットを日本が享受するために重要な条件はなんだろう。

 

(資金調達の場所)

企業がどの国や地域の資金を調達するかだが、残念ながら国内資金は多額の国債の償還問題や少子高齢化による貯蓄減少見通しなどから今後は厳しい状況になる可能性がある。

このため海外資金の存在感が増すが、僕の感覚では資本主義を標榜し、株式市場や金融取引について全く同じではないが似た価値観や倫理観を持ち、したがって相手の考えることを合理的に理解しやすく、日本の考えることも合理的と理解してもらいやすい相手から資金を調達することが好ましいと思う。

上記に加え、資金調達するにはその国に民間資金が十分になければ元も子もないため、経済規模も重要だし、生産・販売拠点を持つなどの経済関係の濃さも重要だ。また、為替相場があまりに大きく変動する国はリスクがあるため、経済の安定性や成長性のほか、政治的な安定性も重要だ。

 

100点満点をとれるところなどないと思うが、どの国や地域での資金調達が日本企業にとって大切かを検討することは、会計基準についてどこと連携するのがよいかを考えることにつながる。或いは独自の制度を維持するか。

 

(開示情報の品質)

財務諸表(注記を含む)の利用者、読者は企業の財務実態を理解したい。会計基準に問題があればもちろん目的は達成できない。会計基準を作成・運用するプロセスに不当な圧力がかかって会計基準が曲げられても目的は達成できない。企業財務に関連した重要なリスクを網羅的、適切に開示させる基準はどのようにしたら開発できるか、また、不当な圧力がかからない、或いはかかってもはねつけられる開発・運用体制とはどういうものか、を考えることは、誰が日本の会計基準を作成し運用するかを考えるうえで有用だ。

 

(情報開示コスト)

身に染みてらっしゃる方が多いと思うが情報開示にはコストがかかる。過大なコストが発生するのは、次のケースが考えられる。

A. 会計基準自体に問題がある(開示要求が多い、複雑性や手間、有益でない開示)

B. 会計基準以外の個別要求が多い

C. 会計基準が複数あって、それごとに開示資料を作成することを要求される。

これらを最小化するためにどうしたらよいかを考えることが、実効性の高い会計基準イメージすることに役立つ。

 

(情報開示の副産物)

日本人にとって分かりやすい財務情報が提供される必要があるが、ご存じのとおり日本の株式市場には海外資金が相当入っているし、一部の企業は海外で直接・間接に資金調達を行っている。その結果、新たな企業情報開示の要請は欧米からくるものが多い。その背景にはリスク管理を体系的・網羅的に行おうとする考え方の徹底具合が欧米の方が強いからだと思う。しかし、そのおかげで日本企業がリスク管理を向上・進歩させることが可能になっている(単なる制度対応では効果は限定的だが)。

企業が資金調達を行える代償として情報開示が必要になるわけだが、その副産物として企業のリスク管理能力向上が見込まれるならば、そのような副産物を多く見込める相手と情報開示、会計基準について連携することも重要だ。見込めないなら独自の道を行く手もある。

 

これらの項目をざっと検討し、稚拙ながら日本の戦略について次回に考えてみたい。

2011年10月21日 (金曜日)

10月17日の企業会計審議会~日本の戦略的視点

「諸外国の情勢・外交方針と国際要請の分析」は、8/25に事務局から提示された11項目の検討項目のうちの一つだ。そして今回それをブレークダウンした5つの論点が事務局から提示されたわけだが、それを見ると激動する国際情勢、経済環境に日本としていかに対応していくか、即ち、会計分野に関する日本の戦略を検討しようとしているように思える。 

 

この30年の大きな動きとしては、1980年代から連結決算(連結情報)、金融商品会計、リース会計、セグメント情報注記、税効果会計、退職給付会計、減損会計、キャッシュフロー計算書などが導入され、開示される財務諸表は単体財務諸表中心から連結財務諸表中心へ変わった。これらはいずれも国内要因によるものというより、海外要因によるもので、海外の会計基準へ追いつくための変更であったと思っている。なぜなら、今回のEUの同等性評価に至るまで日本企業の財務内容が分かりにくいという海外からの批判が常にあった。欧米企業は適切な情報開示をしているのに、日本企業はそれを怠っている。にもかかわらず日本企業が海外(欧米)進出をしているのは競争条件が不平等で不公正だとか、欧米の投資家が日本企業に投資しにくいといった批判だ。したがって、能動的・主体的に変化を起こしたというより、受動的に変わらされてきた印象がある。

 

しかし今回の議論は、会計分野に関する日本の戦略をもっと能動的なものに変えていこうとしている印象がある。日本はこうしたい、だから会計基準はこうあるべきだ、国際的にもこうすべきだ、と主張していく日本に変わっていこうと考えているように思える。2009年6月の中間報告のスケジュールに間に合うなら、これは日本代表チームのみなさんに是非やっていただきたい議論だと思う。

 

 

ただ、ふと考えてみると「日本はこうしたい」というその中身はなんだろうか。日本はどうしたいのか、そのイメージが湧かないので困ってしまった。

 

実は別に書こうと思っていてまだ書いてないことに、「TPP交渉に参加するかという議論と日本がIFRSの開発に参加するかという議論の奇妙な類似点」というテーマがある。反対派はどちらも国際的なコミュニケーションの枠組み(TPPIASB)を拒否しているようだし、議論は工業分野がどうだとか、農業分野がどうだとか、個別分野、個別論点に終始していて、日本全体としての戦略論が見えてこない。そんな時にTwitterCPA_JAPAN氏のツイートで田原総一朗氏のブログ「TPPは米国のアジア戦略、損得の話ではない」を読むことができた。これにはTPP参加問題について、日本の戦略的な視点が提示されていて、非常に参考になった(http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20111018/287801/?utm_source=twitterfeed&utm_medium=twitter)。

 

田原総一朗氏は、TPPへの参加は個別産業分野の損得で決めるのではなく、中国が国力を急速に拡大するアジア太平洋地域で、TPPを戦略的に利用して中国に対抗しようとしている米国との関係、そして中国との関係から日本の立ち位置を決める次元の違うより重要な事案として考えるべきだと指摘されている。まだ読まれていないみなさんには、是非ご一読されることをお勧めする。

 

翻って会計基準の問題、IFRSに関連して日本の戦略はどうか。続きは明日記載したい。

 

 

 

2011年10月20日 (木曜日)

10月17日の企業会計審議会~議論の進め方

10/17に企業会計審議会が開催され、金融庁のホームページにはその資料が掲示されている。議事録はまだ開示されていないが、そこはIFRSフォーラムの記事(http://www.atmarkit.co.jp/news/201110/17/fsa.html)を参考にして、勝手な感想を記載したいと思う。最初の感想は、議論が終わるのはいつになるかということだ。事務局から改めて提示された論点が10個あり(末尾に掲載)、前回より具体的な表現になっているので議論が進捗しているのかと思ったら、そうではないようだ。というのは、討議資料1の冒頭を見るとその10個の論点は前回提示された11項目のうち最初の2項目についてブレークダウンした旨の記載があるからだ。これは果てしない・・・。

 

(ロードマップ、スケジュールの明示)

ということで、まず、結論を出すまでのロードマップを示していただきたい。期限のない議論というのは滅多にあるものではない。あったとしてもなるべく議論の全体像を見据えられるように進捗管理の努力をすべきだ。結果的に予定通りでなくても構わないが、目標は明示すべきだ(もちろん予定が変更されればその理由の開示はしてほしい)。少なくとも2012年に何らかの報告を出して、上場企業が我が国の会計制度の将来を見通せる情報を提供すべきだし、方向性はどうあれ2009年6月中間報告の実行過程にあることを内外に示す必要がある。

ブログ、会計上の見積もりはしっかりした事業計画から導き出されるものだが多く企業はこ部分弱いのではないか、と記載した。工程表、ロードマップは、プロジェクト計画策定の第一歩、基本であり、目標を阻害するリスクを顕在化させないために必須と思う。この企業会計審議会の議論を成功させるために、即ち、この議論があらぬ方向へ行ってしまうとか、企業がIFRS対応に過大な負担を負わされるとか、日本が海外からの信用を落とすといったリスクを防ぐために絶対に必要だ。

 

(集中討議)

委員会のメンバーには、現時点で日本にとって一番良い結論を出すという共通目的のもと、もっとスピーディーな議論の進め方をお願いできないのだろうか。この委員会の委員は、それぞれ高度な知識や経験を持った方々であり、いわば日本代表チームのメンバーだ。そういう方々が2か月に1回2時間の議論ではいかにも間延びしている気がする。例えば「分からないところを次回までに事務局が資料にまとめる」やり方がされているように思えるが、これは生産的だろうか。参加者が事前に自分が活躍できる分野の会議資料(事実関係や考え方、主張)をまとめてくるといったことはできないだろうか。そして方向性が出るとか、不明点がはっきりするとか(事実関係)、対立点がはっきりするとか(主張)、何らかの成果が出るように、できれば1週間ぐらい、少なくても2~3日の集中討議を繰返し実施するというのはどうだろうか。

企業会計審議会には、ふん、と鼻で笑われそうな気もするが一応記載すると、プロジェクトの成功にはメンバー間の良好な人間関係、チームワークが必要だ。そのためにぶつかり合うことも必要になるだろう。集中討議でお互いの主張と人間性までをも理解しあい、我が国経済を元気にするための最良の道筋をまとめていただけることを希望する。

 

(海外視察のレポート)

海外視察についてはそのレポートを作成し開示していただくことを希望する。かつて経団連がオーストラリアへIFRSの導入状況について視察へ行ったときの報告を興味深く拝見したことがある。このメンバーを中心に視察に行かれるのだから、国の素晴らしい財産になると思う。

 

(「ゴーイング・コンサーン」の中身)

25記載どう中身ない日本メーカはIFRSないという主張ついったしかし、これが非常に重要な議論の要素になっている。例えば日本基準を肯定・評価し、堅持すべきという主張の根拠であり、日本的経営の強みとも結びついているようだし、どうも税法の確定決算主義を肯定するのにも使われているような気がする。従業員の待遇改善にも関連しているのではないだろうか。「国における歴史、経済文化、風土を踏まえる」ことを掲げて始まった6/20以降の議論でこれが最も重要な要素になっていると思う。しかし、この内容が相変わらず分からない。この内容をはっきりさせてから議論する必要はないだろうか。

 

 

以上は、議論の進め方について記載した。議論の中身については次回以降に記載したい。金融庁事務局は今回、以下の論点を掲げた。これらについてと、もし他に気がつくことがあればそれも記載していきたい。なお、IFRSの前提となる内部統制についての検討が途中になっているが、また折を見て続きを記載するつもりだ。

 

(以下、金融庁事務局が提示した論点を転載)

 =諸外国の情勢・外交方針と国際要請の分析=

① 金融危機以降、世界の金融・経済情勢が大きく変化する中において、会計基準のあり方を議論するに際して、留意すべきことは何か。

② 国際会計基準の適用等に係る各国の対応はその国情を踏まえ様々である。こうした中、我が国における会計基準のあり方については、各国の状況も見つつ、様々な選択肢を考慮し、戦略的に検討を進める必要があると考えるがどうか。

③ 各国・地域において、IASBの活動に対する様々な取組みが行われている中で、我が国のこれまでの取組みをどのように評価するか。今後どのような戦略をとるべきと考えるか。また、その際、アジア太平洋地域の各国との連携、日米欧の三極における我が国の地位を確保するための戦略等について、どう考えるか。

④ 我が国の戦略を実行していくに当たって、基準設定主体、作成者、利用者、監査人、取引所、規制当局等の利害関係者に求められる役割は何か。

⑤ 今後予定している海外視察において、追加調査が必要と考えられる事項はあるか。

⑥ その他、国際的な動向等について、論点とすべき事項はないか。

 =我が国の会計基準・開示制度全体のあり方=

① 単体財務諸表に係る会計基準は、会社法・税法や我が国固有の商慣行等と関連が深く、そのあり方についてはより慎重な検討が求められると考えられるがどうか。

② 日本基準における連結と単体の関係とは別に、開示制度上、連結では米国基準、IFRSを採用可能としつつ、単体については日本基準とするという意味で、連結と単体の分離が生じている。これまで運用されてきた中で、大きな問題は生じていないと考えられるがどうか。

③ 連結財務諸表と単体財務諸表については、情報提供機能・利害調整機能といった機能面において相違がある。日本基準における連結と単体の関係については、上記のとおり、「連結先行」の考え方が示されてきているが、この「連結先行」についてどう考えるか。

④ その他、会計・開示制度、連結と単体との関係等について、論点とすべき事項はないか。

2011年10月13日 (木曜日)

リスク管理プロセスと会計上の見積もり

ご存じのとおり10/5にアップルの創業経営者スティーブ・ジョブズ氏が亡くなった。僕は高級パソコンのマッキントッシュに憧れはしたものの、自分で買ったのはWindows3.1の廉価パソコン。パソコン通信やInternetを閲覧するにはそれで十分だった。アップル社の製品は、今年購入したiPhone4が初めてだ。

 

みなさんはジョブズ氏が亡くなった直後のNHKのクローズアップ現代の追悼番組をご覧になっただろうか。印象の残ったのは自分のアイディアを世の中に問いたい、広めたい、そして世界を変えたいという情熱だった。夢を実現させる秘訣は、そのことを止めない、やり続けることだそうだ。人々に感銘与えた母校スタンフォード大学でのスピーチでは、ハングリーであり続けろ、愚直であり続けろ、と締めている。10年前のインタビューだが、ベンチャー企業を興したいといって相談に来る人たちに、なぜ事業をやりたいのか問い、お金持ちになりたいと答える人には起業は止めた方が良いとアドバイスするのだそうだ。

 

10/12のクローズアップ現代ではソフトバンクの孫正義氏が出演し、ジョブズ氏は売上がどうだとか、今期の決算がどうなるなんて発想はない。ただ自分の作品、アップル社の製品で世の中を変えたいという狂おしいほどの情熱があったという趣旨の話をしていた。

 

会計は手段であって目的ではない。会計は、事業に対する強い情熱をサポートする、事業の成功率を高める道具に過ぎない、事業の中身こそが重要であって、会計はその実態を表現する技法だということを改めて感じた。問題があれば警鐘を鳴らせるようにするのが会計だ。問題を見ぬふりして決算を良く見せる道具ではない。

 

さて、前置きが長くなったが、オーナーシップを持った人の真摯な事業への思い、責任感、好奇心。これらがすべての基本になるが、いよいよリスク管理がどのように決算、IFRSに関連してくるか、一連の流れを書いてみよう。

 

(リスクの識別と特徴づけ)

事業に対する思いを、事業環境へ適応するための具体的なアイディアにし、それを時間軸や影響の大きさ、発生可能性などで特徴づけし、メイン・シナリオ、代替シナリオ、オプション、棄却のいずれかの箱に分類する。

 

(リスクの分類と対応策の立案)

メイン・シナリオに分類したものは、その性質によって直ちに(予算化して)実行する、来期の予算に組み込む、中期経営計画に含めるための具体的な計画づくり行う。代替シナリオについても、実現可能性が比較的高いもの、影響の大きいものはメイン・シナリオと同様の具体的な計画を検討する。オプションについては、将来メイン・シナリオや代替シナリオになる可能性や期待に応じた検討を行う。この過程で新たな問題が発見され、それへの対応策がまたメイン・シナリオ、代替シナリオ、オプションに分類されていく。

 

(リスク対応策策定のポイント)

ここでしっかり問題を識別しておかないと実行段階で急な対応を迫られるので失敗の確率が上がってしまう。したがって、このプロセスこそが重要だ。僕の経験ではこのプロセスに十分経営資源を投入していないケースが多いように感じられる。或いはまるで予算書さえできればよいとばかりに、事業上の検討が全く不十分で絵にかいた餅のような計画ができてしまったりする。

 

だからここには時間がかかる。(年度予算を策定するために)1~2か月でできてしまう計画はあまり多くないはずだ。日常的に事業上のアイディアを特徴づけし、分類し、必要に応じて計画化し、年度予算策定時はそれを整理・集計するだけでよくなるような体制、仕事のやり方にすることが必要だ。そして事業環境が想定外に変化したときは適宜その計画を機動的に展開する。即ち、メイン・シナリオと代替シナリオを入替えたり、オプションをメイン・シナリオや代替シナリオへ昇格させたりする。

 

(会計上の見積もり)

さて、計画化する際に注意が必要なのは次の点だ。

 ・投資の回収までを計画する。

 ・年度決算の会計処理と整合的な収益・費用計上を行う。

そうすると、この計画が事業収益の見積もりそのものとなる。

 

 

以上で分かる通り、決算のために、IFRSのために計画を作成するのではない。あくまでその会社らしい事業を行い、その成功率を高めるために計画を作る。そうするとそれが決算の裏付けになる。IFRSによる決算に必須の会計上の見積もりを支える内部統制とは、事業を成功に導く内部統制だ。しっかり計画を策定できれば、予算実績対比も手間をかけずに深い分析が可能となり、効果的・効率的な予算管理ができるというメリットも享受できる。くどくなるが、僕の経験ではこの部分が弱い会社が多い。これこそ、鍛えて鍛えがいのある内部統制だ。

 

監査人に、「どこまでやってあれば事業計画を妥当と認めてもらえますか」などと質問をするのは、決算のために事業計画を作るとゲロしたようなもので、ナンセンスだ。この計画で事業を成功させられるのか、それを真剣に突き詰めていくことこそが必要だ。

2011年10月11日 (火曜日)

回収可能性の判断

NHKの番組「セカイでニホンGO!」で「優先席は必要か」という議論があることを知った。「優先席」とはみなさんもご存じの電車の車両に設けられている年配者などに優先して座ってもらう座席のことだ。不要と考える人は優先席があることでマナーが強制的なルールになってしまい、優先席以外で席が譲られにくくなると主張し、一方、必要と考える人は現実にそういう席がないと席を譲られずに困る人が出てしまうと主張した。理想論vs.現実論ということのようだ。

 

さて、投資や在庫の回収可能性、売掛金など金融商品の回収可能性は、会計基準でルールを定めて判断させるべきものなのだろうか。経営者、会社がその事業を遂行するために自ら当然に行わなければならない判断ではないだろうか。しかし、現実には会計ルールがないと放置され必要な評価損が計上されないケースが頻発する。そういうケースでは、事業上の問題も放置され、対策の遅れが事業のリスクを高め、さらに損失の増大を招くことがしばしばだ。そこで、やむなく会計基準を定めて資産評価を強制的に行うことになる。

 

しかし、もう一度あるべき姿に戻ることを考えてみよう、というのが僕の考えだ。会計ルールの前に事業上のリスク管理がある。事業上のリスク管理をした結果、必要な会計上の手当てを行う。これが本来の考え方であり、基本だ。

 

上記のテレビ番組では優先席不要とする考え方は、理想論だと反論されていた。僕の考え方にも同様の反論はあり得るが、しかし、企業経営の高度化・進化のためには理想論などではないと思っている。現実の問題として取り組むべき課題だ。原則主義のIFRSにそこに気付くきっかけ、既に気付いているとすればその改善に本腰を入れることに取り組むきっかけになってもらいたいと思う。

 

10/1の記事にある事例も会計基準にあったから経営者がメイン事業の先行きを心配して新規事業開発を行ったわけではない。10/7の記事にある減損処理もまずその事業の実態の理解があって、それを会計処理したに過ぎない。事業リスクの管理プロセスなしに、単純に会計ルールを形式的に当てはめて損失計上だけしても経営の役には立たない。

 

回りくどくて恐縮だが、いよいよ次回に、事業計画の策定や予算編成、そして予算統制のリスク管理的側面(IFRSの前提となる内部統制)と会計処理の関係についてを9/30に記載した記事(リスク管理体制~創業経営者の頭の中)と合わせて検討してみたい。

2011年10月 7日 (金曜日)

固定資産の減損会計を支えるもの

会計上の見積もりや公正価値というと金融商品が話題の中心になることが多いが、有形固定資産の減損、そしてのれん、試験研究費などといった実務家が頭を悩ませるテーマも将来キャッシュフローを見積もって現在価値に割引くというベースは公正価値の算定方法と共通している。金融商品は多くの会社にとっては余資運用とか副業の分野だが、より重要なのは事業に密接に関係する有形固定資産、のれんや試験研究費を含む無形固定資産ではないかと思う。これらの多くは事業収益予測が基礎になるため内部データによらないと見積もりができないが、内部データの信頼性を支えるのは事業計画や予算関連業務の質、その内部統制だ。

 

会計上の見積もりの内部統制とリスク管理の話のために、会計上の見積もりについてざっと振り返ってみよう。

 

IFRSの考え方はシンプルで、会計上の見積もりとは公正価値の見積もりのことだ。市場価格のあるものは市場価格をつければよいが、そうでないものはなるべく外部の客観的データを利用し、それができない場合は内部データを使うことになる。価格データのないものは、IFRSの資産・負債の定義通り、将来キャッシュフローを見積もり現在価値に割引く。

 

その際、生産設備など有形固定資産については、事業収益を見積もることになる。ただ、再評価モデルを採用しない一般的な会社は、公正価値を貸借対照表価額にするわけではなく、あくまで減損テストのための見積もりに過ぎないのだが、将来キャッシュフローを見積もって現在価値に割引く考え方は同じだ。

 

減損については、日本基準とIFRSでは共通するところが多いのだが相違するところもある。それは一端計上した減損損失を取り戻して簿価を復活できるかどうかだ。日本基準は簿価を復活できないので、減損の兆候の識別、減損認識、減損損失の測定の3ステップを要し、兆候を識別したらすぐ減損損失を測定するIFRSよりステップを1つ増やして減損対象を慎重に限定している。また減損の兆候を識別する方法も、IFRSの方が早いというか兆候に該当しやすい。結果としてIFRSは少額の減損が頻発する傾向、日本基準は多額の減損が時々計上される傾向になると思う。本質はどちらも「投資が回収できないものは減損する」と理解しておけばよいと思うが、IFRSは減損損失計上の原因となった事由が解消されれば減損損失を取り戻せる柔軟性がある(実務は面倒だが)。

 

さて、事例に戻るが、その会社のメイン事業の一部の資産グループは減損損失を計上した。工場と営業所を一体としたエリア別の資産グループを形成していたが、適当なM&Aの対象が見つからないエリアなどの地域特性から事業効率を上げられないところがあったためだ。例の2年連続赤字で翌事業年度も黒字が見込まれないからではなかったと思う。また、これは監査人が指摘したものではなく会社から決算前に協議の申し入れがあって我々も同意した。

 

日本基準の場合、営業キャッシュフロー或いは営業損益が2年連続赤字で翌年度に黒字になることが明らかでないという条項のイメージが強く、その他の事業環境や事業収益の変化があっても2年連続で赤字にならないと減損の兆候でないと判定してしまう実務があるように思う。しかし、日本基準においても、減損の兆候の本質は投資が回収できなくなるきっかけに該当するかどうかだ。IFRSにはこのような営業損益云々の形式的な判定をサポートする条項はない。この事例の会社のようにより事業の本質的なところで判断する必要がある。

 

こういう判断を適切に行えるためには、事業に対する期待と実際との相違を敏感に感じ取る必要があるわけだが、特に事業に対する明確な将来イメージを持つことが重要だ。事業に対する将来イメージとは事業計画や予算に他ならない。これに関連して、事業計画の策定や予算編成、そして予算統制のポイントを9/30に記載した記事(リスク管理体制~創業経営者の頭の中)と合わせて次回に検討してみたい。

2011年10月 1日 (土曜日)

リスク管理体制~創業経営者の頭の中(事例)

もう10年ほど前のことだが、僕がその会社に関わった時にはすでにその会社はメイン事業を縮小し、新規事業に軸足を映すという将来像を描いていた。この会社の最高権力者は会長で、社長はもともとメイン事業の競合他社の経営者だった。会長にその人柄と経営手腕を見込まれて、口説かれて会社ごとこの会社に加わってきた。二人の役割分担は、新規事業の開発を会長、メイン事業は社長が担当していた。僕が関わったのは5年間ほどだ。

 

この会社はメイン事業で大成功し、その10年ほど前に上場した時も非常に話題になった。だからこの将来像を聞いた当初僕は驚いたが、確かにその時点ではメイン事業の将来に危惧すべき状況はあった。しかし、メイン事業がそれほど急に悪くなると思えなかったので、僕は多額の設備投資を行っていた新規事業をまず心配し、新規事業へ多くの監査時間を割り振ったのを覚えている。しかし、ほどなく新規事業は黒字化し、累損を一掃し、キャッシュフローを生むようになった。一方でその後の5年間メイン事業は急激な市場の縮小(価格の下落と数量の減少の両方)に直面しながらも利益を出し続けた。

 

この会社は、単に売上が減ったから対応策を立案したのではない。一見、メイン事業には無関係と思えるような分野の技術革新にも注意を払い、顧客の消費行動の変化を予想し、競争相手や主要材料の供給先の能力を評価し、5年後、10年後に予想される事象への危機感を会長と社長で共有した。この会社はこの二人が足並みをそろえれば、その方向に動く会社だ。このような危機感を共有したのは僕が関わるよりさらに5年は前のことだろう。そして全く新しい事業を起ち上げて、メイン事業が環境の激変に直面するころにキャッシュフローを生むようにすることができた。

 

メイン事業も、事業を売却するような完全撤退から逆に残存者利益を得ようと企業買収を進める選択肢までが検討され、当時の事業環境に照らして積極的なM&A戦略が採用された。このため、生産数量が最高を記録したのは市場が縮小したあとだった。M&Aによって生産量を確保し、それゆえ有効になるコスト削減策を実行し、シェアを高めて価格支配力を強化し、メイン事業もなんとか利益を出し続けた。

 

以上のプロセスにおいて、僕が考えるリスク管理上のポイントは以下の通り。

 

=勝手な制約を設けない冷静なリスク認識=

メイン事業、というか危機を感じ取ったその当時はほぼ単一事業だったと思うが、その将来を冷静に予想し、悲観的なシナリオをメイン・シナリオとして受けいれるのは容易なことではなかったに違いない。しかし、その「先読み」ができたことが早い意思決定につながっていく。

 

=早い意思決定=

早い意思決定が当初は代替的シナリオやオプションであった新規事業をメイン・シナリオに組み替えて起ち上げる時間を与えたし、同じくM&Aや他の選択肢を検討し、成功させる時間を与えた。個々の代替シナリオやオプション項目の方針や内容を決める意思決定も早かった。

 

=情報の適宜更新、会長・社長の共有=

マーケットが縮小する時間的カーブを正確に読めていたわけではないと思うが、注意深く前線の営業情報や売上実績をモニタリングし続けながら、情報を更新してシナリオやオプションの箱を入れ替え、アクセルを踏んだり緩めたりした。会長はワンマンだったが、新規事業のことでも大切なことは社長に相談していたし、社長もメイン事業の重要なことは会長に相談してから決めていた。

 

=対応策の根拠づけ=

時に図面や資料を見せられながら、「こういうやり方もあるけど、今回はこうしようと思う」などという話をしていただいた。すると、ひとつひとつに根拠があるのだが、それを外部の人に説明し意見を聞くことで、客観性を高め、不透明な将来の確実性を少しでも高めようとしているのが分かった。

 

正直に言って説明を受けても、僕がアドバイスできることは僅かだった。僕にとっては、どのシナリオ、オプションをメインに据えるか、そのタイミングはいつか、シナリオ自体をもっと改善できないか、というのは非常に難問だった。(もちろん、僕はそこまでの期待はされてはおらず、会計面からのアドバイスを求められたに過ぎない。)しかし、この二人の経営者はそれを実際にやりこなしていた。会社や事業の将来に対して持っている関心と責任感の強さが凄かった。これがまさにオーナーシップなのだ。

 

実はこのメイン事業は、固定資産の減損会計による減損損失計上を免れ続けたわけではなかった。そのあたりの経緯を簡単に示しながら、リスク管理と会計上の見積もり(この場合減損会計)の関係を次に考えてみたい。

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