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2011年11月29日 (火曜日)

IFRSの資産~償却資産と減損(前回までの復習)

オリンパスのことは一時忘れてIFRSの資産に戻ろう。資産の意味が分かっていればオリンパスもあれが粉飾だと分かって踏みとどまったかもしれない。(それはないか・・・。)

 

今回は、ざっと復習をしてみよう。11/1の記事で僕は「資産とは金を生むもの」と書いて、売掛金はCashを受取れるので換金価値で資産計上することにしっくりくるが、償却資産も同じかと疑問を呈した。償却資産は生産設備のように長期間使用する資産であり、通常は売却することを予定してない。そこで償却資産は換金価値ではなく原価償却後の簿価でB/Sに計上されるからだ。

 

すると換金価値(≒公正価値)で評価される資産と償却後簿価(取得原価主義による原価)で計上される資産がB/S上に並存するが、11/2の記事に書いたようにIFRSでは、それらを足したり引いたりして利益計算することになる。それは正しい利益計算といえるだろうか。

 

11/3の記事では、まず売上計上基準について考察して、IFRSによる収益計上が日本基準よりキャッシュと密接に関連していることを記載した。今日はB/Sで利益計算すると言い切るIFRSにとっての償却資産とキャッシュの関係を検討したい。ポイントは、償却資産とキャッシュの関係が強いほど売掛金との同質性が増すので足し算引き算、即ち利益計算が有効になるが、関係が弱ければ売掛金と償却資産を足しても意味がないということだ。しかし、実は両者は「減損」でつながっている。減損の考え方がポイントになるが、これは次回に譲る。

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