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2011年12月15日 (木曜日)

IFRSの資産(まとめ)~シンプルな定義と直感力の向上

IFRSの負債の定義を見てみよう。

「負債とは,過去の事象から発生した企業の現在の債務で,その決済により,経済的便益を有する資源が当該企業から流出することが予想されるものをいう。」

 

資産の定義も再掲する。

「資産とは,過去の事象の結果として企業が支配し,かつ,将来の経済的便益が当該企業に流入すると期待される資源をいう。」

 

概ね、将来の経済的便益の「流入」が「流出」になっているだけで、資産とパラレルになっている。実にシンプルだ。

 

このように将来キャッシュフローの裏付けという共通項があるからこそ、B/Sの資産・負債の各項目を足したり引いたりすることができ、それで算出した純資産の増減額を、期間損益(包括利益)と考えることができる。細かい個別規程へ入っていく前に、この大雑把な資産(と負債)のイメージを持つことは重要だ。このようなイメージを持つことで直感力が養われ、個別規程を読むうえでも余計な横道にそれなくて済むからだ。

 

また、会計に携わらない一般の方もこの程度の知識があれば、かなり決算書を実感を持って読むことができるようになると思う。特に経営者はこの感覚を持つことが重要だと思う。

 

 

実はIFRSのフレームワークは、P/Lにもっと気を使う方向で改定作業中だ。しかし、資産はお金を生むものという考え方は変わっていないと思う。(B/Sは将来キャッシュフローを表現する未来志向的な情報、P/Lは将来キャッシュフローを推定するための過去実績の情報と位置づけているようだ。)

 

さて、IFRSは財務諸表の各項目をシンプルに定義しているが、その裏に厄介な問題もある。それは会計上の見積もりの確からしさ、即ち、将来キャッシュフローの確からしさの問題だ。このシリーズでは、最後にそれを取り上げて締めとしたいと思う。

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