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2012年1月26日 (木曜日)

有用な財務情報とは~「継続性の原則」のゆっくり滑り

今回からは前回記載した2点のうち、「② プロセスの選択と適用が正しいこと。」について掘り下げる。掘り下げていくとIFRSはますます適切な財務報告を行おうとする作成者側の高い意識が必要な会計基準であることが分かってくる。さらに進めて考えると、企業に高度なリスク管理体制(といっても一番は「意識の問題」だと思う)を求めていて、それが事業遂行に生かされることこそ、IFRSを導入するメリットだと思えるようになる(・・・かもしれない。少なくとも僕はそう思っている。)

 

すでに「財務報告の主役は将来キャッシュフローだ」などという、旧来の経理マンの常識から遠くかけ離れた記事(1/20財務報告の目的)を読んでこられた方は、あまり驚かないかもしれない。将来キャッシュフローの話は僕が言ってるわけではない。IASBが「概念フレームワーク」のなかで言っているのだ。減損などの一分野の話ではなく、財務報告全体の話として。

 

そんな突拍子もない目的を持ってしまったIFRSは見積もり項目が非常に多い。見積もりを適切に行うハードルは、みなさんの予想通り、というか心配している通り、相当高いところにある。もはや経理部が伝票を真面目に起こすだけではどうにもならない。企画部門や現場部門との連携強化と内部統制、特に事業計画策定とその遂行能力をアップするリスク管理能力の増強が多くの会社では必要になると思う(「IFRSの前提となる内部統制」カテゴリ・・・読まれる方は降順に並んでいるので注意してください)。

 

さて、復習はそれくらいにして、「継続性の原則」の話題に移ろう。

日本の会計基準でもコンバージェンスの一環として、平成2341日以降開始事業年度より企業会計基準第24号

「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」「会計上の変更及び誤謬の訂正に関する会計基準」が適用された。その段落番号5には「会計方針は、正当な理由により変更を行う場合を除き、毎期継続して適用する。」と企業会計原則の一般原則である「継続性の原則」と同趣旨のことが書いてある。ならば何も変わっていないではないか?

しかし、IFRSには日本の「継続性の原則」に相当するような言葉が見当たらず、日本でも実は根底の考え方が「ゆっくり滑り」している。僕の考えでは②はそこに直接関係していると思う。この「ゆっくり滑り」はあまり語られていないかもしれないが、意識していないと実務で痛い目に会うと思うので詳しく書いていきたい。

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