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2012年1月25日 (水曜日)

有用な財務情報とは~「忠実な表現」の最大化

前回は、見積もりがある以上、「完全」で、「中立的」で、「誤謬がない」ことを完璧に満たす「忠実な表現」はできても稀だが、これらを最大化するためにどう工夫するかが重要だというところで終わった。今回はその続きだ。経済実態を忠実に表現することは当たり前の姿勢として理解できるが、理解できることと実践できることは違う。それこそ重要ポイントだ。

 

これに関連しそうな部分を「概念フレームワーク」から下記に転記する。なお、中立性に関しては転記すべき記述が「概念フレームワーク」にない。ということは中立性は完璧に備えるべき要件だ。中立性は作成側の心の持ちようだから中途半端はなし。(冷たいようだが現時点では他に書きようがない。ここでは完全性と正確性に注意を傾けるべきと思う。それで道が開けると信じて。保守主義との関係については後日。)

 

(完全性に関連して)

一部の項目については、完全な描写には、当該項目の特質及び内容に関する重要な事実、それらの特質及び内容に影響を与える可能性のある要因及び状況、並びに数値的描写を決定するのに使用したプロセスなどが含まれることもある。(QC13

 

(正確性に関連して)

その見積もりの表現は、その金額が見積もりであるものとして明確かつ正確に記述され、その見積もりのプロセスの内容と限界が説明され、その見積もりを作成するための適切なプロセスの選択と適用の差異に誤謬が生じていない場合には、忠実となり得る。(QC15

 

僕は下記の2点に要約されると思う。

 ① 確からしさの程度までが分かるようなサポート情報を含めて説明を尽くすこと。

 ② プロセスの選択と適用が正しいこと(会計方針、価格モデルなど見積もり方法、業務フローや内部統制の設計など)。

 

利用者に経済実態を誤解させないために忠実な表現を行う。①はそのために開示する情報の種類や表現に気を使うということだ。一方②はもっと奥が深い。特に会計方針や見積もりと言えば日本では「継続性」が大原則だ。それが真実性の原則(相対的真実)を支える。ところがIFRSには「継続性」という言葉が見当たらない。果たして「継続性」なしに「真実(=経済実態)」を忠実に表現できるのか。

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