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2012年2月10日 (金曜日)

【予測危機1】赤信号が見えてる?

誰でも「危機が来るなら避けて通る」と思うだろう。「赤信号、みんなで渡れば怖くない」は古いが、危ないと分かっているなら「みんなで渡る」のではないまともな対策をとるだろう。タイトル「予測できた危機をなぜ防げなかったのか?」から、みなさんはこの本の内容をどのように想像されるだろうか。「分かっていても避けて通れない危機がある。でもそれを避けて通る本」か。それとも「分かっているのに何も対策しない怠慢を叱る本」か。前者だろう。前者なら価値があるが、後者だったら読みたくない。

 

この本の著者は、やはり前者のつもりで書いている。いや、もう少し突っ込んで書くと「予測できる危機は回避できるはずだが、実際には大損害を生じているものが多い。その原因を解明して役立てよう。」となる。すると先程の例でいう「赤信号、青になるまで待ちなさい」という本か。ところが、そうはなっていないというのが僕の解釈だ。

 

現時点での感想は、筆者は前者のつもり、前者を前提に話を進めているが、実は「赤信号が赤信号に見えない目の曇り」を問題にしているのではないか、と思うのだ。信号があったが赤信号だと思わなかったので道を渡って事故にあった。そんな経験ありませんか? なぜですか? 実は後ろから押されて道に出てしまった、木が邪魔で見るのを諦めた、本当は見ようとしてなかった、或いは、赤が見えたけどまだ行けると思った、など。さすがにここまで来ると、後者の叱る本になりそうだ。しかし、叱るわけではないが確かにそういう要素もなきにしもあらず。

 

この本は色々な危機を取り扱っているが、なかでも9.11同時多発テロと、エンロンの粉飾が双璧だ。みなさんはこの2つの事件が予見できており、本当は未然に防げた事件だと思えるだろうか。確かにアメリカではその予兆があった。いや予兆というにはあまりにもはっきりとした警告があったのだ。なぜそれで対策が取られなかったのか。実は見えていない。個人の危機認知能力の問題、組織の問題、損得の(政治的)問題がある。9.11やエンロンは国家レベルの問題だが、似たようなことは企業にもある。まず、リスクをリスクと思わなければ、リスク管理はできない。どうやったらリスクを認知できるか、という観点で、次回は9.11の予兆をみていこう。

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