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2013年2月16日 (土曜日)

【番外編】政府事業の効率

2012/2/16

先月、東日本大震災の復興予算の積み増しが報道された。1/22の日経新聞電子版(有料会員限定の記事)には、次のような記載がある。

 

政府は2013年度予算案で、東日本大震災からの復興予算枠を3兆円上積みする。民主党政権がつくった「11年度から5年間で19兆円」という予算枠を使い切り、13年度分だけで道路や港湾の補修を軸に4.5兆円を投じる。

 

そうか、5年分の予算を前倒してもう使い切るところまで来てるのか(多分発注ベース)。じゃあ、復興まではいかないまでも、復旧はかなり進んでいるのかな? しかし、未だにテレビのニュースには避難所や仮設住宅が映し出されるし、そこで生活している方々の精神面の問題が話題になったりする。どういうことだろうか?

 

そこで、復興庁のホームページの資料「所在都道府県別の避難者等の数(平成25年2月7日現在)」を見てみると、避難所にいるのは139人だが、住宅等(公営、仮設、民間、病院含む)に30万人、その他(親族、知人宅等)に1万5千人、合計31万5千人が仮住まい状態であるようだ。ただ、恐らくこれには原発事故の避難者も含まれていると思うが、それが何人なのかは分からない。

 

そこでちょっと古いが、同じく復興庁のホームページ(上記とは別のページ)の資料「東日本大震災からの復興の状況に関する報告(概要)」を見てみると、昨年9月末時点で、仮設住宅等の入居者は約32万7千人、福島県全体の避難者数は約16万人(うち避難指示区域等からの避難者数は約11万人)とされている。約半数が原発事故避難者だ(多分、仮設住宅等の入居者32万7千人に原発事故避難者も含まれていると思う)。

 

あれっ、避難者数が9月末から今月の数字までほとんど減ってない!!

19兆円が発注だけでなく、完全に消化されると本当に避難者がいなくなるのだろうか? そもそも、最初の避難者はどれぐらいだったのか?

 

ということで、また復興庁のホームページ(上記2つとは別のページ)の資料「東日本大震災からの復興状況 (平成24年12月版)[平成24年12月28日]」を見ると、目次の次のページに発災3日目の避難者等の数は約47万人とされている。それが、今月の数字では31万5千人に減ったということか。

 

いやまて、避難者の家屋が損壊したら、それは自分で建て直すのだろう。19兆円は主にインフラ整備や産業振興に使われているってことか。そういえば、このブログの2011/7/22の記事では、(原発関連を除く)社会インフラ損害額の内閣府の推計が16.9兆円となっている(当時ネットで検索して入手した情報)。19兆円はそれに産業振興を加えた分と考えると、なんとなくそんなものか、という気がする。

 

すると避難者等がゼロになるためには、避難者が住居費等も含めて自分で稼げるようになる必要がある。最近の避難者の減り方が少ないのは、稼ぎが十分でない人がたくさんいるということではないのか。しかも、高齢者の比率が高そうだ。たとえ、アベノミクスで景気が良くなったとしても、いったん生活の基盤を失った人々には、まだまだ大変な困難がありそうだ。

 

そこで、ちょっと簡単な思考実験をしてみよう。仮に、19兆円を47万人に均等に配ると、一人当たり4千万円ちょっとになる。凄い大金だ。4人家族なら1億6千万円だ。やはり19兆円というのは凄い。さて、それだけあったら、みなさんならどうしますか?

 

故郷を捨てて新しい土地に生活基盤を築くこともできる。原発事故の避難者は、そういう選択をするかもしれない。或いは、社会インフラに問題があっても故郷に残って、今までの生活を復活させる選択肢もありえるだろう。水は不自由するが、エネルギーは太陽光、風力、燃料電池、灯油とプロパンガスで何とかなるかもしれない。高台移転などと言われなくとも、多くの人々は安全な土地に住まいを構えるに違いない。地域のつながりを大事にしたければ、みんなで相談すればよい。どうしても社会インフラが欲しければ、それもみんなで相談すればよい。すると、意外とそれなりの復興ができるかもしれない。経済もまわる。仮設住宅からもどんどん退去していける。復興庁もいらない。

 

今回、3兆円増額をするわけだが、そうすると均等割り額が一人当たり4千7百万円ほどになる。増々大金だ。単純にお金を配った場合より良い結果が出るよう、有効活用してほしい。

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