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2013年3月 3日 (日曜日)

221.【金融緩和】デフレの本当の原因と対応~斎藤誠一郎氏

2013/3/3

言葉は役立つときとそうでないときがある。例えば、美しい景色を見たり、美味しい食事を食べたことを言葉にしても、ありきたりな表現になってしまい伝わらない。そういう時は「とにかく、行ってみて!」ということにして、言葉をクビにする。一方で、何かが頭に引っかかっていて、もやもやして気持ちの悪い時に、誰かがそれを上手に言葉にしてくれると、とてもスッキリする。ちょっと違うが、思い出せなかった固有名詞がぱっと思い浮かんだ時の気持ち良さが近いかもしれない。そういう時には言葉にボーナスを支給したい気分だ。

 

有難いことに後者の体験ができたので、みなさんにご紹介したい。

 

斎藤誠一郎氏をご存じだろうか。Nikkei BP netの紹介文によれば、「2012年まで24年間、「ワールドビジネスサテライト」(WBS、テレビ東京系)のコメンテーターを務める。」とされているが、僕はWBSを見たことがないので知らなかった(僕が住んでる地域ではテレビ東京は視聴できない)。

 

僕は、日経電子版に気になるタイトルのリンクを見つけて辿って読んでみたのだが、それが、その斎藤氏の記事だ。そして、これだ!っと思った。そうそう、こういうことだったと。僕は、当面この記事(4回シリーズ)の見方に沿って、経済や政治の推移を眺めて行こうと思う。僕は早速、斎藤氏の近著を近所の本屋に発注した。みなさんも、時間が許せば、下記のリンクをクリックしてこの記事を読んでいただけるとありがたい。

 

(日経BPネット)

齋藤精一郎 デフレ突破のための「真の処方」は何か((

 

 

長文の記事が4つあるので、もう読み疲れた方は、下記の僕の意見は読み飛ばしていただいた方が良い。いや、4つも記事を読めないなあ、という方は、僕の見方で良ければ少しは下記が参考になるかもしれない。

 

 

<僕が頭に入れたポイント>(⇒ 僕の理解)

 

  • 現在のデフレの原因は新興国の台頭(⇒ 金融政策論議は、そろそろ脇へ退いてもらった方が良い)

 

  • 国の経済力の根本は製造業(⇒ イノベーションを起こす力)

 

  • 政府は企業の変化を邪魔しない(⇒ 旧産業構造の温存・保護政策はダメ、本来の役割に専念せよ)

 

  • 企業は真のグローバル化を(⇒ 「国ごとの顧客重視 vs グローバルを意識した製品開発」のバランス)

 

  • 根本は人材(⇒ グローバル人材とは、既成概念にとらわれない、オープン・マインドな人)

 

 

確かに今の株式相場の上昇は素晴らしいが、見事に金融相場になっている。個々の銘柄を見るとそう見えないかもしれないが、日経225などのインデックスは「為替レート+金融緩和期待」で動いている。為替レートも、結局、金融緩和期待(各国の政府債務問題を含む金利差やインフレ予想の変動)で動く。株価が上がると確かに気分が良いが、安心して良いわけではなさそうだ。実態がついてきていない。もう、金融政策論議は専門家と投資家の方々に任せておいて、実業に精を出してイノベーションを起こさないと、そのうち麻酔(アベノミクスの1の矢、2の矢)が切れて、さらにひどい痛みに悩まされることになる。

 

さて、麻酔が切れた時に、以下がどれだけ改善できているか。日本が変化できているか。

 

・農業生産者と生産・流通の仕組み、販路の拡大

 

誰か、日本の農産物の国際的なマーケティングができる人は現れないだろうか。本来は、「農業生産力の増進と農業者の経済的・社会的地位の向上を図るための協同組織」である農協が積極的に取組むべきだと思うが、あまりそういうイメージがない。農家など小規模事業者が不得手なそういうマーケティングや物流などを、農協に代わってできないだろうか。海外進出している流通業とか。

 

・企業のグローバル・ローカルな戦略

 

既によく言われていることだが、欧米の新興企業は起業の段階で世界を目指すという。中国や韓国でもそういう発想のようだ。有難いことに「日本製品は高品質(農産物も)」というブランド・イメージは健在だ。日本らしさ、というか、我社らしさをグローバルに、研究開発・生産・流通・販売のすべての面で発揮するにはどうすればよいか。経営理念を達成するための戦略的思考が必要だ。一方、顧客は多様性に富んでいる。ローカル対応も同様に重要だ(有料会員限定だが、日経電子版3/1の「お国柄を吸収する花王「ロリエ」、アジアに浸透」が面白い)。情報入手や現地での体制作りや維持をどうするか。主役は各個社で、リスクを取るのも各個社だが、商社や金融機関は、物流や金融という役割を超えた目利き力、サポート力が増々期待される。

 

・日本内外、企業内外のコミュニケーションのオープン化

 

日本や日本企業が良さを生かしきれないのは何故か。多分、既成概念や決め付けがたくさんあるのだと思う。その具体的なところを気が付かせてくれるのは多くの場合第三者、というのはみなさんも数多く経験されていると思う。この場合の第三者とは、今まであまり意見を頂戴してこなかった人々、即ち、部下、目下の人、部外者、社外、仕入先、異業種、異職種、外国人、そして顧客だ。但し、これらの人々は答えを持っているわけではない。だから単純に問いかけても答えは得られないし、場合によっては逆にワガママな要求を突き付けられる。だから、日常的に良好なコミュに―ションを取るなかで察知するのが良いと思う。しかしそれにはオープン・マインドなコミュニケーション能力が必要だ。これは企業だけでなく、国も同様だと思う。日本は、政府も国民も、意外と外国の言うことを聴いてないし、相手の立場に立った想像を巡らしてないような気がする。僕もそうだが・・・。

 

・政府は環境づくり

 

エネルギー確保、セイフティ・ネット構築・整備、CO2問題などの環境対策、諸外国との良好な関係作り(国防・外交)、治安維持。特にエネルギーについては、兆単位の予算が必要ではないかと思う。シェール・ガス革命が騒がれているが、地下3000メートルを横に掘り、岩の中の天然ガスや石油を取出すことができるぐらいなら、深海に眠るメタンハイドレートや希少金属を含む天然資源開発もそう難しくなく取り出せるのではないだろうか。政府は、官製ファンドで成長産業を育成するなどと意気込むより、シンプルに政府の課題、必要な事業に予算を使った方が、自然に必要な産業が育つような気がする。例えば、地熱・風力・太陽・バイオ、その他新エネルギー源の開発促進。5年、10年の単位で腰を据えて、かつ、研究開発を民間に競争させる方法はないだろうか。Wikipediaによれば、アメリカはアポロ計画に2005年当時の貨幣価値に換算して1,350億ドル(100/$としても135千億円)かけたという。でも、それで月へ行って帰ってきた。日本もエネルギーの自立ができないだろうか。いや、完全に自立すると貿易黒字がたくさん出て(円高になって)困るので、ほどほどで良い。それでも、化石燃料の輸入が減る分は、国内での調達に支出されるので、その分GDPが増加する。

 

ときどき、日本人は変化を嫌う保守的な国民と言われることがある。でも、さすがに第二次世界大戦後は高度成長ですっかり国土も生活も変わった。いま中国が悩まされている公害のような悪いこともあったが、それ以上に良いことがたくさんあったと思う。なにより、未来が明るいと思えていたのが良かった。もう一度そういう気持ちになりたい。しかし、それには自らが主体的に変化を起こす必要がある。そうすれば、安倍首相が頼まなくても、経営者は喜んでボーナスを弾んでくれるに違いない。

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