236.【番外編】温泉旅行
2013/4/12
ちょっと減損から離れて全く趣向の違う話題を。実は昨日まで、両親を連れて一泊の温泉旅行へ行ってきた。その宿は、監査法人時代の僕とあるクライアントの縁が切れるきっかけになった、僕にとってはいわく付きの宿だ。その経緯は今も書けない、というか書く気がしない。しかし、ごく一部をちょっとだけ紹介しよう。
「・・・を見せてください。」
「おまえは、人のパンツの中まで見るつもりかっ!」
「・・・、見たい!」
もちろん、これは小指とか親指を立てる類の話ではない。誤解なく。
このやり取りの前に、その経営者に図面を見せてもらいながら、事業計画を聴かせてもらっていた。それは全く新しいコンセプトの温泉宿のプラン。その会社の3つ目の事業になる。いつものことだが、その経営者のプランは顧客目線で斬新かつ具体的。そして、寂れゆく温泉町を復興させたいという思いが込められていた。しかし、残念ながら、ここから縁が切れていく。僕にパンツの中まで見せたいと思わせるほどの魅力がなかった、そこまでの信頼感がなかったのだ。監査人には、法律や制度など理屈だけではない、相手を垂らしこむような、いわゆる「(男)芸者」の側面も必要なのだが、その芸がなかった。そんなことをふっと思い出し、だいぶ前に完成したと聴いていたその温泉宿に行ってきたのだが・・・
素晴らしかった。温泉はもちろんだが、しかしそれ意外に、もっと感慨深い体験をした。
ウィーク・デイというのに、たくさんお客さんが入っていた。従業員の方に、「良く入ってますね。」と聞くと、「いえ、今日は少ないですよ。つい最近まで大変でしたが、春休みが終わったせいでしょうか、今日は一段落したようです。」という、ちょっと自慢げな答えが返ってきた。またすれ違いざまに、「外人客もいるけど、日本の温泉がみんなこうだと勘違いするんじゃないかな。」なんていうお客さん同士の、これも聴きようによってはちょっと誇しげな会話も聞こえてきた。もちろん、僕の両親も大喜びだ。
これをやりたかったんだな。経営者が夢を語り、それを実現する。たくさんの人々が新しい価値に触れて楽しみ、満足して帰っていく。多くの従業員が元気に働ける場ができている。事業を起こし、経営することの素晴らしさに接し、体以外にも何かが温まるようだった。
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