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2013年7月29日 (月曜日)

272.【リースED】リース契約のイメージを変える

2013/7/27

東アジアカップは、その後、強敵オーストラリアに3-2で、宿敵韓国にも2-1で勝利し、優勝することができた(男子)。通算3ゴール1アシストの柿谷選手の他、大迫選手も2ゴールの大活躍だった。その他、豊田選手、山田選手も、良い味を出していた。今後も楽しみだ。ただ、なでしこは残念だったが・・・

 

さて、本題に戻ろう。

 

 

「リースの識別」に関して、公開草案では 6 項でリースを定義し、7 項でリースを識別する条件を提示していた。問題は、その 7 項の条件がなぜ2つあるか、ということだ。その2つを前回(7/25の記事)に続き、もう一度示すと次の通り。

 

(a)当該契約の履行が特定された資産の使用に依存するかどうか(第8項から第11項に記述)

 

(b)当該契約が特定された資産の使用を支配する権利を一定期間にわたり対価と交換に移転するかどうか(第12項から第19項に記述)

 

前回は、「(b) の方は、リースを識別する条件としてしっくりくるし、リースを定義している 6 条に照らしても、(b) だけで十分ではないか。では、なぜ (a) があるのか。」という疑問を持った。ということで、今回は、(a) の存在意義を追及してくことになる。

 

(a) には、わざわざ「(第8項から第11項に記述)」とあるので、そこを見ればよい。公開草案のこれら条文をすべて転記すると冗長すぎると思うので、僕が勝手に内容を要約すると次のようになる(時間のある方は原文をご確認ください。和訳はASBJのホームページにあります)。

 

8 リース資産は契約に明示され特定されるが、明示されず実質的に特定される場合もある。

  判定のポイントは、対象資産の入替権を供給側が実質的に保有しているか否か。

 (供給側が保有していると、契約が特定のリース資産に依存しておらずリース契約とならない。)

 

9 リース資産の入替権を供給側が保有していると判断する条件(AND条件)。

・顧客の同意を得ずに供給者がリース資産を入替えることが可能なこと。

・リース資産の入替の障害となる経済的な理由やその他の理由がないこと。

 

10 上記の例外事例(期間や条件次第で入替権・入替義務が発生する場合)の判断の例示。

 

11 部分であっても物理的に区分できるものは特定しうる(建物の床を例示)。

  一方で、稼働能力の一部分の賃貸は物理的に区分できない(光ファイバーを例示)。

 

どうやら「(第8項から第11項に記述)」は、契約の対象資産が具体的に特定されているかどうかに集中しており、なかでも、物理的な区別可能性とリース資産の入替権(又は義務)の有無がポイントになるようだ。

 

しかし、通常の賃貸契約をイメージすると、これらの条件に関心を払うことはない。なぜなら、具体的なものや権利があってこその賃貸だし、折角借りて使っているものを勝手に入替えられては困るから、供給者に入替権があることなど考えもしない。言わば、これらは当然の前提だ。それを改めて明示したのは何故なのだろうか。

 

恐らく、リースは通常イメージする賃貸契約に限らない、幅の広い契約に潜んでいる可能性があるからだろう。従来は、ファイナンス・リースとオペレーティング・リースの垣根に注意を払っていたが、今後は、オペレーティング・リースを含むリース契約全体とその他の契約の垣根に注意をしなければならない。“リース”に対するイメージをガラッと変える必要がある。では、どのように変えるのか。それを理解するためには、上記 (a) をじっくり見ていく必要があるのだろう。

 

ということで、今回は、リース契約であるためには対象資産が特定される必要があり、その判定には2つのポイントがあると理解した。これら2つのポイントは、従来は暗黙の前提であり当たり前のことなので注目されることはなかったが、今後はこれを引っ張り出して吟味しないとリース契約の判定ができないようだ。次回以降にこれら2つのポイントを検討していくことにしよう。

 

 

それにしても、東アジアカップにはまだ興奮が冷めやらない。特に柿谷選手は、優勝が懸かった韓国戦のアディショナル・タイム、即ち、ゲームの終了間際にゴールした。中国戦でのミスを取り返してお釣りがきたのではないか。その瞬間のザック監督のガッツポーズが凄かった。これこそ、サッカー解説者の山本昌邦氏のいう、あと数センチ、コンマ数秒の頑張りではないだろうか。冷静さを保った素晴らしいゴールだった。(サッカーのことばかり書いて済みません。) 僕もあやかりたい。

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