283.【番外編】増税論議のピンボケ
2013/9/2
この週末は、色々なテレビ番組で消費税率アップの話題が扱われていた。多くの専門家・政治家が出演して持論を披露されていたが、財政再建のための増税なのに、税収が増えるかどうかを明確に述べる人は殆どいなかった。国際公約だとか、政治コストがどうのとか、法律で決めたからとか。増税反対意見の人でも、低所得者対策がどうのとか。それに比べて一般視聴者のコメントには泣かされる。国の財政を助けるために増税もやむを得ないとか、世代間格差を緩和するために使うなら、などと言われている。
専門家・政治家の話と、一般視聴者のコメントには大きな隔たりがある。そこにある壁は、消費税率を予定通り上げた方が税収増につながるかどうかが明確でないことだ。一般視聴者の泣かせるコメントは、税収増につながることが大前提だが、専門家や政治家は、税率を予定通り上げる主張をする人たちでも、それを明確に保証しない。これでは“空手形”ではないか。
税収が増加するかどうかを正確に予測するのは難しいとしても、それを議論しないことには気持ち良く納税できない。予測のために前提や仮定を置くとしても、その前提や仮定が重要な将来要素であることが意識されるし、恐らく、改めて成長戦略や規制緩和の重要性が見えてくると思う。将来を予測しようという努力、そういう前向きの議論こそが必要だと思う。
予測と言えば、「地震の予知は不可能」と地震学会が白旗を上げたのは記憶に新しい。しかし、この土日のNHKスペシャルでは、その不可能な予知に取組む地震学者たちの努力が描かれていた。東北地方に巨大地震が起こる可能性すら警告できなかったと3.11を反省し、次の関東大震災や南海トラフ地震で損害を少しでも軽減しようと、地震学者たちは頑張っている。1000兆もの借金を積上げたり、15年間もデフレを長引かせたことを反省し、ひたむきな努力をしてくれる政治家や専門家の頑張りと、的を得た議論、説明責任を果たすことに期待したい。
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