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2013年10月16日 (水曜日)

299.【番外編】ジム・ロジャーズ氏のアドバイス

2013/10/16

みなさんは、ジム・ロジャーズという投資家をご存じだろうか。1973年にジョージ・ソロス氏と共にクォンタム・ファンドを共同設立した。このファンドはヘッジ・ファンドの先駆けで、1980年までの10年間で3,365%という驚異的なリターンをあげるが(前身のダブル・イーグル・ファンド時代を含めてか?)、ファンド運営に対する意見の相違から同年にジョージ・ソロス氏と袂を分かち、このファンドを去っている(以上、Wikipediaなどから。なお、別の資料では、ファンドの規模は1973年に12百万ドル、1980年は4億ドルとなっており、それだけで33%。どうも、Wikiの数字はあやふやだが、もの凄い投資収益を上げたことは確かだ)。

 

その後も、ITバブルの破裂やリーマンショックまでの商品相場の上昇、リーマンショックによる株価暴落など、大きな経済事象を予測しているらしい。日本でも、しばしばメディアに取上げられる。例えば、日経電子版の人気コラム「豊島逸夫の金のつぶやき」にも「超長期投資家」として、頻繁に登場している。経済のファンダメンタルズを幅広く捉え、的確な見通しが行える伝説の投資家らしい。

 

そのジム・ロジャーズ氏のインタビュー記事が、昨日15日のWSJ(ウォール・ストリート・ジャーナル)電子版に掲載されていた。次のタイトルだ。

 

通貨不安に要注意―伝説的な投資家であるジム・ロジャーズ氏に聞く

 

これは、有料記事なので、WSJWebで有料会員登録をしていない方は、残念ながら読むことができない。但し、今回は、通貨不安を取上げるわけではないので、読む必要はない。(僕は、最近日経新聞に情報を頼りきりになるのは良くないと思い立ち、WSJを読み始めた。嬉しいことに、現在、新規購読者に1週間100円で12週間読めるキャンペーンが行われている。) 

 

この記事の最後の質問は「米国の若者に伝えたいこと」で、これに対する同氏の回答は「外国語を学びなさい」だった。僕はここにグッと来た。同氏は、その理由について「世界における米国の相対的な立場は低下し続けるだろう。米国人は他国のことを知り、その気を引く必要がある。」といっている。

 

そういえば、米国人は外国語が苦手といわれる。実際、前職監査法人の世界中の新人パートナーが集合する研修では、ほとんどのパートナーが自国語と英語(や他の外国語)の会話ができるのに対し(欧州やアフリカ系はもちろん、中国や台湾のパートナーも流暢に英語を話していた)、米国と日本のパートナーは自国語しか話せない人が多かった。僕もその一人で、グループ・ワークの時間が多くて、本当に辛かった。

 

当時は韓国人パートナーにも英語が話せない人がいて、彼は、休憩時間の都度、どこからともなく喫煙所に現われた。お互いの片言の英語では会話も続かず、ただ二人で静かに煙草を吸うだけだが、それでお互いの苦労を慰め合っていた。しかし、韓国はだいぶ前から英語教育が盛んで、英語ができる人が多いらしい。

 

その研修が終わって帰国し、ひとしきり苦労話をした後、「アメリカ人はいいなあ、自国語しかできないのに国際舞台で不自由しなくて」と嘆くと、「『英語ができれば国際人』ではない」と僕を慰めて、ついでに諌めてくれる先輩パートナーがいた。

 

アメリカ人は国際人ではない。大リーグでは、アメリカン・リーグとナショナル・リーグの覇者による優勝決定戦を「ワールド・シリーズ」、その勝者を「ワールド・チャンピオン」と呼ぶ。単なる国内リーグの決勝戦なのに、なぜ、そう呼ぶのか。米国人は「米国が世界のすべてと思っている」からだ。

 

田舎町へ行くと、そこから一度も出たことないアメリカ人が一杯いる。そういう人は日本がどこにあるかも知らない。英語をしゃべっていても、アメリカ人が国際人とは限らない。

 

そういう人に日本の状況を知らせるためには、単に英語ができるだけでなく、知らせる中味を持つことが必要だ。

 

まったく身も蓋もなかった。僕は米国人を羨みながら、実は、自分の能力と努力の欠如を嘆いていたのだが、さらに中身もないと言われたような気がした・・・。まっ、外れてはいないが。

 

それはさておき、ジム・ロジャーズ氏は「米国人は他国のことを知らない」と懸念している。それなら、日本人は大丈夫だろうか。長らく、米国人は他国を知らなくても、米国が常に革新的なアイディアを世界に提供してくれるので、或いは、時々他国の家に土足で上がってくるので、他国の人々は米国に関心を持ってきた。しかし、同氏は、今後は米国が他国に関心を寄せて、他国の歓心を買わなければならないという。米国がそうなら、日本は、なおさらそうではないか。

 

しかし、日本人は韓国人と違い、相変わらず英語が苦手だ。多くの人が、他国の情報を日本語でしか受け取れない。それは、日本人が日本人の感覚で取捨選択し、国内向けに流している情報だ。それで十分だろうか。米国人は、その気になれば、各国放送局が制作する国際ニュースを英語で視聴できる。インターネットにも英語情報が溢れてる。

 

しかも、先輩パートナーが言うように、情報を受取るだけでなく中身のある情報発信が必要だが、それも他国のことが分かって初めて日本との違いを認識でき、外国人に分かりやすい、或いは、説得力のある言葉や理屈が見つかることが多い。

 

どうやら、外国に関心を持つこと、外国語を学ぶことの重要性は、米国以上に日本に必要なのではないかという気がしてきた。ジム・ロジャーズ氏は、続けて「もし私に何か1つできるとしたら、米国の教育システムを大改革し、米国人に世界のことをもっと学ばせることだろう。」と言われているが、それは、日本にこそ必要ではないか。

 

僕も相変わらず英語が苦手なので、WSJは日本語で読んでいる。IFRSも。いまさら、コンクリートのような僕の脳みその言語野に、英語など外国語の領域を刻み込む気にはなれない。しかし、だからといって、教育システムをこのままにして、僕と同じように不自由な人がたくさん増えてしまってよいのか疑問に思ったので、今回は、みなさんに報告させていただいた。そして、もし、この記事を若い人が読んでいたら、(勝手なようだが)外国語を真剣に学ぶことをお奨めする。そして外国に強い関心をお持ちいただきたい。隣国も。

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