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2013年12月29日 (日曜日)

322.【番外編】2014年に向けてWSJの記事から

2013/12/29

このブログは、土日や休暇中のアクセス数がとても少ない。そして、多くの企業はもう年末・年始の休暇に入っている。ということは、みなさんの多くは、この記事を2014年に読まれると思う。しかし、僕は年内にもう一本、会計上の不確実性についての記事を書くつもりだ。「新年早々調子が狂う」と思われた方には申し訳ない。そこで今回は、年末・年始らしい記事にしたい。WSJThe Wall Street Journal)の無料記事から、次のタイトルをご紹介したいと思う。

 

◆ボルカー・ルール、ひそかな債務削減策となるか

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304299204579283492508040358.html?mod=djem_JapanWeekendDigest_t

 

◆【オピニオン】2014年は東アジアの緊張が高まる年に

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702304299204579283132169282624.html?mod=djem_Japandaily_t

 

もし、気が向かれた方は、お読みいただけるとありがたいが、「どうも翻訳ものは読みづらい」と思われる方は、下記に、僕流の要約を簡単に記載するので、参考にしていただければと思う。本当は、日本の2014年の経済について記載されている記事「日本の株高はまだ終わらない」も紹介したかったのだが、有料記事なので、本当に簡単な紹介だけ末尾に記載する。

 

 

<ボルガ―・ルール、ひそかな債務削減策となるか

 

これは、インフレ下の低金利は有効な政府債務削減策であり、ボルガ―・ルールにはその効果が期待できる、という内容だ。ボルガ―・ルールは金融規制を強化するルール。それがなぜインフレや低金利に関係するのか?と疑問を持たれたと思う。

 

ボルガ―・ルールでは、金融業界の過剰なリスクテイク抑制のために、金融取引に規制を掛けようとしているが、国債は最終段階でその規制の対象外となった。金融機関は従来通り国債を買うことができる。金利は国債の需給で決まる。したがって、ボルガ―・ルールでリスクの高い取引を禁じて、金融機関に国債を買わせれば、低金利を維持できるという話だ。低金利が維持できれば、国は利払いを節約でき、その分政府債務の増加を緩和できる。

 

しかし、低金利だけでは政府債務は減らない。むしろ利払い分だけ債務が増えることになる。ということは、上記はすべてインフレ下であることを前提にしている。但し、この論法では、インフレ率が金利を上回らない限り、政府債務が減ることはないはずだが、それは非常に例外的な現象だ。なぜなら、それでは実質金利がマイナスになってしまうからだ。それについては触れていない。その代りに、第二次大戦後の主要先進国における政府債務削減実績のインフレによる効果の分析を紹介している。それによれば、確かに、インフレの債務削減効果は大きいことになっている。なぜか?

 

その意味は、恐らく、累進課税構造のある税金はインフレで実質的な増税になるとか、インフレの方が消費税のような付加価値税の税収も増えるし、企業が利益を上げやすく課税所得が発生しやすいといった仕組みがあるので、政府債務は、インフレ率が金利を上回らなくても削減されてきたということだと思われる。

 

さて、この記事で感じたことは、次の点だ。

 

最近、FRB(米国の中央銀行)やECBEUの中央銀行)が、金融緩和の縮小や政策金利を決める際に、インフレ率が低いことを非常に気にしているが、その理由の一端が分かったような気がした。政府債務が多過ぎるという問題は、日本だけのものではなく、欧米でも重大な政治問題となっている。米国連邦政府の債務不履行危機や、欧州債務危機は記憶に新しい。巨額の政府債務を持つ政府にとっては、インフレではないと困るのだ。

 

かつて日銀は、呑気にデフレをしばらく放置していたが、欧米はデフレどころかインフレ率が1%を切ったぐらいから、非常に神経質な反応を見せている。脱デフレを目指したアベノミクスは、やはり重要だという思いを強くした。但し、インフレは貨幣価値の目減りを意味するので、預金者などには厳しい話だ。また、借入のある人にとっても、インフレによって収入が増える上記の税収のような仕組みがあれば良いが、普通はインフレになれば金利も上がるので、利払いばかり増えて酷な話となる。有権者としては、過度なインフレには注意をしなければならない。

 

2014年は東アジアの緊張が高まる年に>

 

この記事については、最後の手前の段落を引用する。

 

国際情勢のウォッチャーとしては、東アジア諸国は相互に脅し合いを続け、全面対立に少しずつ近づいているのではと結論付けざるを得ない。おそらく、これら諸国は、軍事衝突のリスクを深刻には受け止めていない。あるいは、国内で政治的な反発を招く恐れがあるため、一歩退いて平和的に物事を解決することはできないと思っているのかもしれない。非常に恐ろしいのは、東アジア諸国がひょっとすると面白半分に戦争を始めてしまうほど憎しみ合っているかもしれないことだ。

 

びっくりするような悲観的な内容だが、このように考えざるえない理由は、これより前の段落に記載されているので、詳しく知りたい方は申し訳ないが直接記事をご覧いただきたい。加えて印象深かったのは、最後の段落にある「米国が東アジア地域に長年提供してきた安全保障の毛布はすり切れたようだ。」という表現だ。このあとに「だから、新しい毛布を提供しなければならない」とは書いてない。

 

この記事を見て感じたのは、「米国からは想像以上に危なっかしく見えている」ということと、「米国は国益を超えて日本のために戦うことはないという当たり前の現実」の2つだ。

 

我々は、より当事者意識を高めて、危機に備えなければいけないようだ。色々な意味で好き嫌いの次元でなく、冷静に、想定外が無いようにやれる準備は進めて、その時が来たらタイミングを逃さないように。恐らく、この記事の記者が期待していたような短期的な関係改善は、今後も難しいだろう。そうしながら、チャンスを淡々と待つしかない。

 

むしろ、中国や韓国は、これからもずっと「日本嫌い」と思っていた方が良いかもしれない。もしかしたら、いまに始まったことではなく、明治以前の過去からずっとそうだったのかもしれない。西郷隆盛の征韓論や福沢諭吉の脱亜入欧も、既に同じような関係や意識が背景にあったのかもしれない。もちろん、日清戦争などの戦争の繰返しは絶対に避けたいが、一方でへりくだる必要もない。「あいつは嫌いだけど、こういう良いところもあるんだよね」というお互いの感情から、徐々に良いと思われるところを増やしていくしかない。相当時間がかかりそうだから、一喜一憂せず、個人のレベルでも戦略性をもって淡々と。中国や韓国と直接関係のない方も、今まで以上に日本という共同体を良くしていく努力が重要になると思う。

 

<日本の株高はまだ終わらない>

 

この記事は、アベノミクスを振返ったうえで、2014年も米国の金融緩和の縮小や日銀の追加緩和の可能性に触れ、日米金利差拡大の期待から円安傾向が今後も継続すると予想している。但し、懸念事項としては、最近の日本の経済指標(成長率、経常収支)から、実体経済の回復は進んでいないこと、さらに、2014年は消費増税の景気への影響や成長戦略への不安を挙げている。成長戦略については、労働部門や農業部門の規制改革への取組みが不透明と例示されている。

 

 

ということで、2014年の着目点は、インフレ率が上がり過ぎないこと(ちょっと気が早いか?)、東アジアの地政学リスク、成長戦略への取組み具合ということだが、基本的には景気は上向きのようだ。ということで、みなさんにも良い年になるようお祈りいたします。

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