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2014年4月24日 (木曜日)

359.【番外編】民主主義と市場経済の価値観

2014/4/24

昨日、オバマ大統領が羽田に到着した。今日は首脳会談、その後共同声明が発表されるそうだ。ところで米国など欧米先進国や韓国・台湾などを対象に、“価値観を共有する関係”と表現されることがある。この価値観とは、“民主主義と市場経済”を指すらしい。「“民主主義と市場経済”は社会の根幹である」という同じ価値観を共有する国同士。人も国も、価値観が同じだと付き合いやすい。しかし、この“民主主義と市場経済”は、国によって色々異なることがある。

 

例えば、一昨日(4/22)のクローズアップ現代「“独立”する富裕層 ~アメリカ 深まる社会の分断~」には考えさせられた。米国では富裕層が起案して中間層を巻き込み、住民投票で自治体の一部地域を独立させ、理想の公共サービスを備えた街(=徹底的な民営化で、納税者からみて費用対効果が高い)を作る動きが広がっているという。一方、取残された古い自治体の公共サービスは、元々富裕層が不満を溜めていた程度でしかなかったのに、税収が減るため、さらに縮小を余儀なくされるという。その結果、新しい自治体と古い自治体の間には、例えば、治安状態に大きな格差が生じるなど見えないが壁ができ、以前は一つだった社会が分断される・・・そんな内容だった。

 

ところが、僕はちょっと違うところに興味を持った。日本との“民主主義と市場経済”の差だ。

 

住民の意思で“市”を作ることができる。なるほど、考えてみればこれが公的部門の成り立ちであり、民主主義の基本かもしれない。選挙で首長を選択することまでは、日本でも当然に行われている。しかし、それでも希望が実現しない場合は自分たちで新しい“市”を作ってしまう。税金の使われ方が気に入らなければ、一から自分たちで“市”を作り直してしまうことができる。米国の制度は、究極の民主主義だ。

 

そして、これを可能にしているのは発達した市場経済だ。公共サービスを代替できるようなサービスの民間供給者が存在しなければ、このような新しい“市”は作れない。また、新しい“市”と古い“市”が、競争し合う関係になるのも市場経済的だ。番組にはそういう視点はなかったが、切磋琢磨し合えるのであれば、長期的には双方の住民にメリットが生まれる可能性がある。日本では規制緩和の遅れもあり、なかなか難しいだろう。

 

しかし、一番感心したのは、上記の何れでもない。それは、こういう効率性の高い自治体の設計・構築・運営を行える人がいることだ。そして、住民がその人ならできると信じて任せることも。果たして、日本にはこういうことができる人がいるだろうか? そして、もし、できると主張する人がいたとしても、その人に任すだろうか?

 

もしかしたら、日本にも理想の設計図のアイディアを持っている学者・研究者がいるかもしれない。政治家がそういう人と組んで選挙に勝ち残れば、その研究者は自分のアイディアを実現する場が与えられる。しかし、部分的な、一部の問題についてそのような形を取ることはあっても、この米国の例のように自治体の在り様、根本にまで踏み込むようなケースがあるだろうか?

 

あっ! あった。橋下徹氏の“大阪都構想”だ。

といっても、内容は相当違うが・・・。

 

この番組の例は、消防と警察以外はすべて民間委託し、裁判官さえ常勤者がおらず、必要に応じて期間契約するという。市役所の公務員は数人しかいない。徹底的な民営化でコストカットする、非常にドラスティックな内容だ。一方“大阪都構想”は、大阪府と大阪市の機能の重複を解消し、両者の摩擦で空回りしていた行政を機能させようというものと僕は理解している。この番組の例が、ロボットの手足や動力機構を目的に合わせて高性能なものに取り換える改革とすれば、“大阪都構想”は人間の病気治療に近い。しかし、“大阪都構想”も大改革であることは変わりなく、日本に於いては壮大な実験といえる。

 

ロボットの機能アップと、病気治療による回復。機能が落ちたものは簡単に捨てて新しいものへ取替えるドライだがイノベーティブな米国と、本来、住民のために存在する道具でしかない自治体を後生大事に治療までしようという優しい日本。同じ“民主主義と市場経済”ではあっても、その使い方には大きな違いがある。どちらが良いと、単純に決められない。きっと、お互いに学ぶところが多いのではないだろうか。

 

ちなみにTPPについては、日本の方に学ぶべき点が多いと思う。関税については自動車と農業5品目が問題になっているらしいが、日本経済の屋台骨を支える自動車と、全体でもGDPが数兆に過ぎない農業を天秤にかけても釣り合いが取れない。その農業については、関税で守るより、規制緩和で競争力を高められるよう農業従事者をサポートする戦略・戦術を考えた方が良いと思う。

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