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2014年5月27日 (火曜日)

365.米国のIFRS停滞に変化の兆し? ~SEC 委員長ホワイト氏のスピーチ

2013/5/27

みなさんもご存じのとおり、25 日にはなでしこJAPAN がアジア杯を勝ち取り、本日はいよいよ SAMURAI BLUE が、W杯へ向けて国内最後の壮行試合を行う。相手はキプロスだ。キプロスといえば、一年ほど前に「銀行預金をカットし国家の歳入に充てる(=不良銀行の整理原資に充当する)」という恐るべき離れ業をやってのけたあの国だ(2013/3/30 の「231.【番外編】キプロスの実験」)。

 

サッカーでも凄い技を繰り出してくるのかと思って、FIFAランキングを調べたら 130 位(5/8 発表)。みなさんは、「なんだ、そんな国か」と思われたかもしれない。しかし、ザッケローニ監督によれば「しっかり守って、走力で飛び出すチーム。W杯予選でも勝ち点こそ少ないが、大敗した試合が少ない。簡単には勝たせてくれない」(時事ドットコム 5/26)とのこと。対戦成績を調べてみると、欧州予選でグループEの2 位のアイルランド(プレーオフでW杯出場を逃した)と失点数 15(/10 試合)で変わらない。ただ、得点力が際立って低い。

 

参考までに、今後の SAMURAI BLUE の試合予定は、米国で 6/3 コスタリカ(34 2014W杯出場国)、6/7 ザンビア(79 位)と親善試合をこなし、そして、いよいよ本番へ突入する(スポニチHP には日本時間による試合開始時刻も載っている。なお、日本の FIFAランクは 47 位)。

 

ということで、今日は、二年前のヨルダン(64 位)戦(6-0で日本の勝利)のようなど派手で大味な試合にはならない可能性が高い。恐らく、ゴール前を大人数で固めて守る相手チームをどうやって崩すかがテーマなのではないだろうか。SAMURAI 達が、鹿児島キャンプの成果として、どんな連携を見せてくれるか楽しみだ。

 

 

さて、楽しみといえば、SEC(米国証券取引委員会)が久々に動きそうだ。以前、それまでIFRSに前向きだった米国が停滞し始めたときのSEC委員長メアリー・シャピロ氏の上院証言(2009 年)を、Oxford Report から転載して紹介したことがあった(2012/8/11 の記事の末尾)。そのときは(それまでの方針を)「深呼吸してもう一度見直したい」とのことだったが・・・。

 

ちなみに、そのシャピロ氏は 2012/12 にすでに退任しており、そのあと暫定的にエリス・ウォルター氏が職を継いで、2013/4 に現在のメアリー・ホワイト氏が正式に上院から委員長就任の承認を受けている。そこから1年、ようやくIFRSがホワイト氏の優先課題になったようだ。

 

詳しくは、下記の日本公認会計士協会のホームページをご覧いただきたい。

 

SEC Mary Jo White議長のFAF評議員会 夕食会でのスピーチ5/23掲載、日本語)

 

この1年は、「深呼吸した息が止まってしまうほど忙しかったってことか」と多少皮肉も言いたくなるが、ホワイト氏が言い訳にしていた「Dodd-Frank および JOBS 法」は、大変重要な法律らしい。

 

前者トッド・フランク法は、リーマン・ショックの反省に立つ金融規制改革法であり、「大き過ぎて潰せない」問題の解決を図ったり、ヘッジ・ファンドを金融規制の対象に加えたりする。ちょっと前に話題になったボルガ―・ルールも含み、ご存じのように米国の既存の金融規制に関わる諸組織、例えば、SECの他、FRB(連邦準備委員会、日本の日銀に相当)や連邦預金保険公社、証券投資者保護公社、貯蓄金融機関監督庁などが改廃されたり、或いは、権限調整されるなどの影響を受ける。

 

後者のジョブズ法は、低迷しているスタートアップ企業のIPO等をもっと盛んにするための規制緩和で、その対象は、SECによる証券規制全般、サーベンス=オクスリー法(企業改革法。これは日本の内部統制報告書制度のモデルになった)、及び、上記トッド・フランク法によるさらなる規制にまで及ぶ。日本でいえば、アベノミクスの第三の矢、成長戦略に相当するものかもしれない。

 

なるほど、確かに大変だったに違いない。こんなに大変なことに注いでいた精力が、その一部でもIFRSに向けられるのであれば、間違いなく状況の打開、進展が期待できる。これは良い話に違いない。

 

もう一つ、ホワイト氏のスピーチから期待できることがある。上記の日本公認会計士協会のHPの訳文には記載がないが、その末尾の原文へのリンクを辿ると、ホワイト氏のスピーチ全文が掲示されたSECのホームページへジャンプできる。それを見ると、ホワイト氏は収益認識の新規準に関するIASBとFASBの協働作業を非常に高く評価している。「FASBとIASBの双方にとって真の成功(This project on one of our most fundamental and critical standards is a true success for both FASB and the IASB.)」と述べている。

 

ここまで言い切るということは、もう両者(IASBとFASB)に相違点は残っておらず、いよいよ、公表が近いということだ。そこで、IASBのホームページを見ると、なんと明日、28日に公表するとされている(Forthcoming: IFRS 15 Revenue from Contracts with Customers)。日本語版がいつになるかは分からないが、とにかく、このファンダメンタルでクリティカルな規準がリリースされることは喜ばしい。

 

 

ところが、残念な発言も含まれている。どうやら米国では改めて会計不正が問題となっているようで、監査人の役割へ関心が向かっているようだ。SECの管轄下にあるPCAOB(公開会社会計監査委員会。米国における監査法人の監督機関。日本の公認会計士監査審査会のモデルになった機関)の活動を強化するような話もしている。

 

そのなかで、ホワイト氏は監査人の役割について“公の番犬(public watchdog)”と表現している。“市場の番人”とか“ホイッスル・ブロワ―(=警笛を吹く人、告発者)”というのは聞いたことがあるが、“番犬”、即ち、“犬”は初めて出会った表現だ。“人”ではなくってしまったところに、なんとなく寂しさと恐怖を感じるのは、僕だけだろうか。

 

 

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