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2014年6月11日 (水曜日)

369.CF-DP52)純損益とOCI~今もある?“換算のパラドックス”のミスマッチ

2014/6/11

日本時間の7日午前に行われたザンビア戦は、ザック・ジャパンが4-3で乱打戦を制した。僕は、あまり点を取り過ぎてコートジボワールに警戒されないかと心配していた(前回 6/7 の記事)。結果は、心配が当たり、たくさんゴールを決めてしまったが、その代り、たくさんゴールを決められた。さて、コートジボワールは警戒しただろうか、それとも「しめしめ」とほくそ笑んだだろうか?

 

もし、コートジボワールが攻めと守備の両方に日本対策を分散させたら日本の勝ちだと思う。ポイントは絞らねば効果がない。高い位置から守備を始める攻守一体型の対策を立てても、日本の勝ちだと思う。そのやり方なら、日本の方が組織力と運動量で勝ると思うからだ。恐らくコートジボワールは、日本攻略のアイディアはあるが、この一週間でできることは何か、その優先順位を付けられずに困っていると思う。目の前のご馳走はどれもおいしそうなのだが、多過ぎて消化不良を起こすに違いない。

 

ということで、ザンビア戦を見た僕は、コートジボワール戦の日本の勝利を確信した。日本は、コートジボワールに的を絞らせなかった。その一方で、日本は、ドログバ選手とヤヤ・トゥーレ選手を封じればよい。ジェルヴィーニョ選手に多少ゴールを奪われても、それを上回るゴールを決めればよいのだから。きっとザック・ジャパンは、3点は取ってくれると思う。(2点だと足りないかもしれない。)

 

実は、ギリシャ戦についてもすでにシナリオをイメージしている。だが、それについてはまたの機会に譲る。ん?そんなの読みたくない?? ん~、書きたいのだが・・・。

 

 

さて本題に入ろう。実は、本題の方は、何を書くか迷った。

 

・IASBのアプローチ2B を理解するために“一時的な再測定”へ進むか

 

・それともアプローチ2A をより深く理解するために(前回「別の機会に譲る」とした)“在外営業活動体に対する純投資のミスマッチ”を掘り下げるか

 

もしかしたら、みなさんは前回の記事を読んで、「“在外営業活動体に対する純投資のミスマッチ”ってなんだ? 分からないぞ!」と思われたかもしれない。それとも、「ああ、“換算のパラドックス”のことだね。」と思われただろうか。或いは、「まさか、“換算のパラドックス”ではあるまい。日本基準ではとっくに解決されているのに。」と呆れられただろうか。

 

 

“換算のパラドックス”というのは、海外子会社等が作成した外貨建て財務諸表では黒字なのに、円建てに換算すると赤字になってしまうこという。逆に、赤字が黒字になることもある。ご存じなかった方には、こんなことが会計規準に潜んでいるなんて、驚きだろう。もしこれが“在外営業活動体に対する純投資のミスマッチ”に該当するなら、まさにミスマッチだ。経営の意図も何もあったものではない。

 

どのような場合に起こるかというと、収益項目と費用項目の換算レートが異なる場合だ。例えば、アベノミクスのようなことがあって、期首と期末で為替レートが大きく変動する場合、期首在庫とそれを期中に売上計上したときの為替レートが大きく異なることがある。もし、大きく円高に振れたとすると現地通貨ベースでは利益が出た取引であっても、円換算すると赤字なってしまったりする(例えば、110円/ドルのとき仕入れた8ドルの商品を80円/ドルのときに10ドル販売すると、ドル・ベースでは2ドルの利益だが、円ベースでは800円-880円=-80円の損になる)。

 

日本基準では、収益と費用を期中平均レートで換算するので、このようなことの発生は防止されている。しかし、IAS21号では原則取引日レートだ。平均レートも可だが、為替レートの変動が激しい時は平均レートの使用を不適切としている(IAS21.40)。したがって、逆にパラドックスに陥りやすい。

 

みなさんは、色々疑問が湧いてくるだろう。例えば、

 

 なぜIFRSは原則取得日レートなのか。

 

・“純投資”はB/S項目だが、“換算のパラドックス”はP/Lの話だ。関係があるか?

 

今回は残念ながら、次の項目を記載するに留めて、深掘りはやはり別の機会にする。これら、或いは、次の項目について検討するには、IAS21号「外国為替レート変動の影響」などにかなり踏み込んでいくことになりそうだからだ。シリーズものにしないと検討しきれない。

 

 a. “換算のパラドックス”はB/Sにもある?

 

P/Lほど頻繁には表れないかもしれないが、B/Sを換算する際の換算差額は資本の部の独立項目として計上されるので、連結純資産の金額に影響を与える。業績悪化などで連結純資産が小さくなっているときに、この換算差額が影響して債務超過のような状況になるかもしれない。これは、日本基準の為替換算調整勘定にも当てはまる。

 

 b. 日本基準も、このパラドックスを完全にはクリアできていない?

 

以前、日本基準では、外貨建て財務諸表の換算差額(=為替換算調整勘定)を連結財務諸表の純資産の部に直接計上していたが、包括利益計算書の導入によって、OCIにも計上されることになった。OCIに計上される為替換算調整勘定は、損益なのか? もし損益だとすれば、日本基準でも換算のパラドックスが発生する可能性がある。

 

 c. 財務諸表をすべて期末日レートで換算すれば、パラドックスを回避できるのでは?

 

換算のパラドックスは、複数の為替レートを使用することに根源的な問題があるので、単一の為替レート、即ち、すべて期末日レートで換算すれば、上記の問題を含めて回避できるのではないか。なぜ、そうしないのか。

 

 d. IASBはこの純投資のミスマッチの内容について、このパラドックス以外に次の項目も挙げている。

 

・のれんの評価に関係する問題

 

・資本維持(インフレ会計)の考え方の整理

 

 

ということで、この“在外営業活動体に対する純投資のミスマッチ”を深掘りするには、いろいろあり過ぎて、簡単に焦点が絞れないことが、お分かりいただけたと思う。手掛かりはある。しかし、これを“ちょっと付け加え感覚”で扱おうとすれば、恐らく中途半端になって失敗する。きっとコートジボワールも、日本対策で同じように悩んでいるに違いない。僕は、「次のアジアカップのときの課題にしよう」みたいに問題を先送りできるが、コートジボワールに、それは許されない。

 

 

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