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2014年9月11日 (木曜日)

395.CF-DP68)純損益とOCI~まとめ

2014/9/11

アギーレ監督には好感触。理由は、選手を上手に育てそうだから。

 

例えば、本田選手や長友選手らに続く新しい日本代表のスターになりつつある武藤嘉紀選手(東京)。いずれも途中出場ながら、ウルグアイ戦では惜しいシュートをゴール・ポストに当て、ベネズエラ戦では代表初ゴールを決めた。僕の見立てでは、アギーレ監督はこの結果を予想して武藤選手を起用した。この成長著しい若いFWの成長をさらに加速させるために。そして同じく代表初召集のFW皆川選手、DF坂井選手にも、強い刺激を与えるために。

 

ここでいう“予想”は、前回(3949/9)の記事のような単なる想像・妄想ではなく、会計上の見積りのような合理的な根拠があってのもの、という意味だ。いやもっと強いものがある。確信、というか、積極的な意思がある。ゴールさせるために途中出場で起用したと思う。

 

FW皆川佑介選手(広島)は FIFAランキング6位のウルグアイ戦の先発・トップで起用された。しかも、ブンデス・リーガでトップを張っている岡崎選手を差し置いて。ただ、武藤選手のようなゴールは、期待していなかったに違いない。大事なことは、皆川選手の成長へ刺激を与えることだったのだと思う。

 

DF坂井達弥(鳥栖)もその試合で先発起用された。ミスをしてしまったが、これも計算のうち。恐らくこの後、この種の経験豊富なDF吉田選手から優しく慰められ、改めて発奮したに違いないが、アギーレ監督は、そこまで見越していたのではないか。

 

更にこの2人への刺激を強めたのが、冒頭の武藤選手の初ゴールだ。アギーレ監督は武藤選手の機敏な特性を見ぬいて、相手DFの疲れの見える後半に投入すると最初から決めていたのではないかと思う。フレッシュな武藤選手なら、疲れたDFを振り切って初ゴールを決められる。そう確信していたのではないかと思う。これで武藤選手自身が強烈な成功体験を得、かつ、同じ境遇の皆川選手、坂井選手についても、刺激が2倍に強化された(ちなみに、ベネズエラ戦で貴重なもう1点を決めたのも同年代の柴崎選手(鹿島)だから、余計に刺激が強くなっているだろう)。

 

これから、この3人のJリーグでの活躍が楽しみだ(但し、エスパルス戦を除く)。アギーレ監督も、そこに注目しているだろう。3人には試練だが、ここからが本当の闘いだ。

 

 

さて、「“まとめ”をするなら、アギーレJAPAN ではなく、“純損益とOCI”だろう」と怒られそうなので、本題へ入るとする。まずは、簡単におさらい。

 

・IASBは、純損益については業績を表現する最も重要な指標とするも、OCIとの区分、線引きについて明確な説明をできていない。逆にいえば、何が業績か、何がOCIかを明確に説明できていない。(3625/14 ~)

 

・IASBは、OCIは、“橋渡し項目”と“ミスマッチのある再測定”、或いは、これらに“一時的な再測定”を加えたもので構成されると主張。もし、OCIを広く捉え、“一時的な再測定”を加えるとするなら、その内容やリサイクリングの要否については、IASBの判断に委ねるべきとしている。(同上)

 

・これに対してASBJは、OCIはB/SとP/Lの連結環であるとし、シンプルに不可逆性(=実現)の有無で純損益とOCIを区分し、OCIはすべてリサイクリングするという考えを示した。(3848/8

 

・同様にFASBのリンズマイヤー理事は、P/Lに米国流の非GAAP利益に当たるものを営業利益(≒予測価値のある業績)として表示すること、及び、OCI区分を設けないことを提案した。(3878/20

 

・IASBのフーガ―ホースト議長は日経新聞の記者に対し、IASBの方針を見直すと述べた。(3939/7

 

僕の好みとしては、IASBの主張より、ASBJやFASBの方が分かりやすい、或いは、実用的でよい。ただ、この両者にも次のような問題があるように思う。

 

・ASBJは、金融商品についてこの“不可逆性の原則”を適用していないように見える。シンプルで美しい理論的な主張だが、すべてに統一的に適用できないとなると、その理由の説明が必要だしシンプルさや美しさも半減する。

 

・米国流の非GAAP利益が“非GAAP”なのは、細則主義の米国でも規定が難しいほど、個別企業ごとに状況が異なる、或いは、同じ企業でも決算ごとに状況が変化するためと思われる。IFRSでそれが可能かどうか。

 

ということでIFRSでは、この“純損益とOCI”という根本的なところの整理が、まだ道半ば、ということになる。ASBJの考え方に最も明瞭に見えるが、この問題の解決には、測定基礎の選択の整理が鍵となるようだ。即ち、どのような場合に原価主義で、どうであれば公正価値のような時価ベースの評価基準を用いるかを、“企業業績の目的適合性のある忠実な表現”という観点で精査し直す作業が必要なようだ。FASBのリンズマイヤー理事もこの点に着目している。

 

そういわれて見ると、従来は項目ごとに評価基準が細かく決められていたが、確かに、すべての資産や負債に統一的な考え方や、損益面から見た評価基準の選択というテーマには、あまり注目してこなかった。来年公表される概念フレームワークの公開草案には、それが記載されるはずなので楽しみにしよう。

 

 

ASBJやFASBからアイディアが示されているとはいえ、IASBには相当の試練になると思う。IASBの腕が試されるところだ。アギーレ監督が若い選手を見るように、我々も、IASBを見守れると良いと思う。

 

なお、前回(3949/9)は錦織圭選手の偉業を茶化すように書いてしまい、大変申し訳なかった。改めて、錦織選手の準優勝を讃えたい。おめでとうございます。

 

また、前々回のフーガ―ホーストIASB議長の発言を紹介した記事(3939/7)で一部引用した Deloitte. の記事は、監査法人トーマツのHPに全文が日本語で掲載されていたので、前々回の記事の冒頭へそのリンクを追加した。良かったらご覧いただきたい。

 

 

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