401.【QC02-02】企業会計原則の一般原則とは?~真実の中身~
2014/9/30
こんなテーマの記事なんて、基本的過ぎて読みたくない! と思われた方も多いと思う。一方僕は、基本は反って難しいと、ちょっと心配している。そこで読みたくない方のために、そして僕の不安を和らげるために、企業会計原則の一般原則の解説は、他のHPにあるものを紹介することにしたい。
このホームページは、「会計学を分かりやすく解説することで広く一般の方々に会計学に興味を持っていただけたらと思い立ち上げた個人のwebサイト」(“当サイトについて”より)で、電卓の選び方から会社設立まで、会計を志す人への実務的なサポートと動機づけを狙ったもののようだ。とても尊敬すべき志をお持ちの方が作られたようだ。これからも機会があれば参照させていただきたいと思う。
さて、上のリンクをご覧いただくか、前回の記事(400-9/25)の脚注をご覧いただくと、一般原則が一覧できる。すると、みなさんは次のような感想をお持ちにならないだろうか。
・恣意性の戒めなど不正防止と関連するものが多い。
真実性の原則、正規の簿記の原則、明瞭性の原則、継続性の原則、保守主義の原則、単一性の原則
・帳簿の在り方など会計の実務的側面を意識したものがある。
正規の簿記の原則、単一性の原則
・個別取引の仕訳段階に関心の重心がある。
正規の簿記の原則、資本取引・損益取引区分の原則、継続性の原則、保守主義の原則
どのような読み手を想定しているかを考えると、直接的には企業の経理部のイメージ。そして「このような“作り方”をしているから、そのつもりで」と、投資家・株主、監査人など他の関係者へ間接的なメッセージを発している感じがする。
改めて眺めて見ると、一般原則は“会計行為”を規定している。「こういう帳簿を整備し、こういうルールで作成してください。そうすれば、真実な財務諸表を導出できます」と。ちょっと詳しく見てみよう。
企業会計原則において、真実性の原則は次のように規定されている。
企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。
これは一般に「他の一般原則、損益計算書原則及び貸借対照表原則への準拠を要請することを通じてそれらに準拠して作成された財務諸表の会計情報を真実であるとみなす」と解釈されている。即ち、「会計原則に準拠することで真実となる」ということだ。そして、他の一般原則等には、帳簿の整備や個別会計事象の仕訳の仕方が、主に規定されている。会計原則がそうなっているのは当たり前だが、ちょっと疑問が残る。この表現では“真実の中身”が見えてこない。表現が文学的なのだ。「“真実”は真実だ。それ以上でもそれ以下でもない」と割り切ってしまえば良いのだが・・・。
僕は、濡れた眼差しで「あなたの真心を頂戴」と言われた時のような戸惑いを感じてしまう。さて、何をあげればよいだろうか? その眼差しの主の期待を外したら大失態だ。期待の中身を知りたい。でもそれは分からない。試されているのだ。(往々にして、僕のように理屈っぽいやつは、目の前にあるゴールを外して厳しく睨まれることになる。もう、あの眼差しが戻ることはない。)
そんな状態だと、他の一般原則等で個々の具体的な会計処理等を決める際に、それらの内容がばらつく恐れがある。それでは困るから、一定の枠に収める必要があるだろう。その枠とは何か。それこそ、“真実の中身”だ。
ここまでくると、勘の良い方はもうお気づきかもしれない。概念フレームワークの“有用な財務情報の質的特性”が何であるかを。そう、“真実性の原則”の“真実の中身”こそが、“有用な財務情報の質的特性”だと僕は思っている。即ち、この“質的特性”を備えた情報こそが“真実な報告”になりえる。そして、“質的特性”を備えた情報になるよう個々の会計原則が規定されると、会計基準全体に統一感がでる。これこそ、概念フレームワークの役割だ。
“質的特性”には、“基本的”と“補強的”があるが、このうち主に“基本的”が、真実性の原則と対比させるべき項目ではないかと思う。ということで、次回はそこを考えてみたい。
ところで、前回清水エスパルスが危機に瀕していると書いたが、ますます厳しい状況に陥った。なんと、先週末に15位から降格圏の17位に沈んでしまったのだ。もう、下には徳島ヴォルティスしかいない。しかし、選手たちは焦ることはない。やるべきことを一つ一つ熟していくこと、そして、気持ちを結束させることだ。ちょうど、企業会計原則の他の原則へ一つ一つ準拠して行けば、真実性の原則が満たされるように、エスパルスも個々の練習を積上げていけば、必ず、結束が固まっていく。
ん~、そうだろうか。やはり、これとは別に“結束の中身”が必要ではないか。
勝ち点3が必要なことは、誰でも分かっている。もちろん、選手たちも。問題は選手たちに共通の目標や理念をどれだけ強く意識させ、具体的な行動、プレーに結び付けられるようにするかだ。頭を通り越して、心に働きかけられるような強烈な何かが必要だ。それが“結束の中身”だ。それを選手たちに与えられるか。“結束の中身”が重要だ。ここは、大榎新監督他、クラブの社長やスタッフたちの人の心を動かす人間力に期待するしかない。
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