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2014年10月 2日 (木曜日)

403.【QC02-03】真実性の原則(日本基準)と基本的な質的特性(IFRS)~ユリ・ゲラー氏の真実性

2014/10/2

ユリ・ゲラー氏とは懐かしい。僕も子供の頃TVの前でスプーンを曲げようと一生懸命こすった。当時、アニメのバビル2世にも憧れていたから、自分に超能力の素質があるか見極めようと必死だったのだ(もちろん、あるわけなかった)。果たして同氏は本物の超能力者か、それもとペテン師か。前者を支持する人は少ないようだが、本人は今でも大真面目なようである。

 

iPhone6が曲がった理由‐超能力者ユリ・ゲラーの解説WSJ無料記事 9/30

 

ご存じの方が多いと思うが、新型 iPhone6 Plus)は、ズボンのボケットに入れると簡単に曲がってしまうという報告が、ソーシャル・メディアなどで急速に広まったという。それに対しアップル社は、そんなことは「極めて稀だ」と強く反論した。そしてこれに割って入ったのがユリ・ゲラー氏で、「超能力でまがった」と主張している。正確には次のように記載されている。

 

「購入した1000万人の興奮がエネルギーとなって超能力を呼び起こし、それがiPhoneを折れ曲げた」

 

昨年 iPhone5s を購入したばかりの僕は、今年のフィーバーを苦々しく見てきたが、ちょっと溜飲を下げた思いがする。さあ、曲がるのか、曲がらないのか。そして曲がるとしたら、それは“超能力”なのか。どれが真実なのか、興味津々だ。

 

 

さて、このシリーズの前回(4019/30)の記事では、企業会計原則の最も重要な一般原則である“真実性の原則”が文学的過ぎて、“真実の中身”が分からない。その分からないところがIFRSの概念フレームワークの“(基本的な)質的特性”に当たる、或いは、そこに書いてある、とした。今回は、“真実性の原則”と“基本的な質的特性”を比較してみたい。

 

(企業会計原則の真実性の原則)

 

企業会計は、企業の財政状態及び経営成績に関して、真実な報告を提供するものでなければならない。

 

(概念フレームワークの基本的な質的特性)

 

基本的な質的特性は、「目的適合性」及び「忠実な表現」である。QC5

 

目的適合性は、財務情報の利用者の意思決定に影響を与えられる情報であること。例えば、利用者の意思決定に関係ない情報は、目的適合性がない。予測価値(=利用者が将来予測をする際のインプット情報として使える)や確認価値(=利用者が過去に行った予測の実績値による検証ができる)を有する情報は、目的適合性があるといえる。(QC6QC7 を意訳的に要約)

 

忠実な表現は、表現しようとする現象に忠実なことで、“完全”で“中立”で、かつ、“誤謬がない”という3つの特性を持つとされている。但し、これら3つの特性に対して、実務上完璧は求められないので、最大化を目指すとしている。(QC12QC13 を意訳的に要約)

 

以前僕は、目的適合性は利用者側の視点、忠実な表現は作成者側の視点を持っていると書いた(2012/1/23同年 1/24の記事)。しかし、より正確にいえば、前者は情報の範囲や形式を規定し、後者は情報の中身というか性質を規定している。この観点で真実性の原則を眺めると、前者に当たる部分が「企業の財政状態及び経営成績に関して」で、後者に当たる部分が「真実な報告を提供する」と読めなくもない。

 

意外や意外、1949年制定の真実性の原則は、60年の時を超えて、見事に2010年制定の基本的な質的特性に対応している。企業会計原則、恐るべし。そして、真実性の原則の詳細が基本的な質的特性にあるとする僕の主張も、あながち的外れとは言えない。いや、ドンピシャではないだろうか。

 

実は、僕自身、ここまで綺麗に対応していると思っていなかったので、かなり驚いている。このテーマの発案時点では(=このシリーズの前回)、単に「なんとなく関係がありそうだ」と思っていた程度だった。それがこんなにハマるとは。ん~、凄い。もしかしたら、僕も超能力者か!?

 

 

超能力といえば、冒頭のユリ・ゲラー氏は、超能力を根拠とする理由を次のように語っているという。

 

「アインシュタインは相対性理論で、宇宙のあらゆるものがエネルギーからできていることを証明した。iPhoneも同じだ」

 

これは、アインシュタインの特殊相対性理論にある次の有名な公式

 

E = MC^2

(エネルギー= 質量 × 光速の二乗)

 

をイメージしたものと思うが、残念なところが2点ある。

 

・エネルギーと質量の間には、光速の二乗という、とてつもなく巨大な定数がある。これは、ちょっとした質量の変化(消失)が巨大なエネルギーを生むことを示している(これが核エネルギーの大きさ、原子爆弾の破壊力)。だが、物体が曲がることとは関係がない。したがって、この情報には目的適合性がない。真実性の原則に違反している。

 

・超能力が物理法則に従う? なんか、興ざめする。

 

やはり、超能力は眉唾か。というか、ユリ・ゲラー氏流のギャグかジョークなのかもしれない。だとしても、自らをピエロにするかなりの自虐ネタだ。WSJ も、キワモノ扱いしている。ちょっと物悲しい。(まあ、僕も同じだが。)

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