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2014年11月 4日 (火曜日)

414.【番外編】文化の日に思う、「ハサミと民主主義は使いよう」

2014/11/4

昨日は文化の日。1946年に現行の日本国憲法が公布されたことを記念した休日なので、日本の“国民主権”にとっても重要な日だ。したがって、民主主義について考えることは、この休日の趣旨にあっていると思う。それに、下記のような社会現象や事件が起きて、最近は“民主主義の価値や普遍性”が揺らいでいる。

 

・中東の春の混乱・失敗

民主主義を目指して民衆が立ち上がったが、結局軍部独裁に戻ったり、党派・宗派間の対立で内戦状態の国もある。選挙が空回りして、相互理解に役に立っていない。

 

・イスラム国やタリバン、ボコハラムといったテロ組織の活動

明らかに民主主義を否定する勢力だが、それを支持する民衆もいる。当該地の政府(=民主主義を標ぼう)による統治よりマシと考えているようだ。考えを異にする人に対する極端な不寛容が見られる。

 

・イスラエルのガサ侵攻

僕は、イスラエルは民主主義国だと思っていたが、ガサ地区のテロ組織ハマスなどに打撃を加えるためとして侵攻し、あまりに多くの一般市民を巻き込んだ。パレスチナ市民を排除したいのだろう。

 

・立ち往生の香港学生デモ

学生の選挙制度に対する主張は教科書通りの正しい内容だが、香港市民には学生に反感を抱いたり、中国共産党への恐れからデモ収束を望む人々がいて、意外に共感されてないようだ。学生にとっては、北京との対話より、その共感を獲得し多数派を形成することこそが重要だ。

 

・クリミアの住民投票による独立や、ドネツク州などウクライナ東部の選挙

親ロシア派は、自分たちが主導した選挙こそ民主主義であると主張し、ウクライナ政府が行う選挙をボイコットした。新ロシア派以外を排除。

 

・中央アフリカなどの内戦、クーデター

選挙結果が受入れられず、悲惨な内戦が起こってしまった。

 

これらを見ていると、“民主主義の価値や普遍性”を疑わざるえない。いったい、これらの民主主義に何が起こっているのだろうか。「これらだけが特殊であり、我々の民主主義には関係ない」という意見もあるかもしれないが、何故こうなってしまったかが分からないと、「関係ない」とも言えない。

 

確かに“民主主義の価値や普遍性”は、欧米によって過大に宣伝され過ぎたきらいがある。そのため、民主主義国になることが目的化され、まるで「選挙さえすれば国民が幸せになる」みたいなイメージを植えつけられてしまった気がする。しかし、民主主義や選挙は、国民が幸せになる道具立てに過ぎない。しかも、かなり使い方が難しい高級な道具だ。使い方を間違えれば、これらのように、逆に国民が傷つくことになる。

 

僕が思うに、選挙は、そのプロセスにおいて相手を説得したり理解することで、相互理解を進めて組織や団体への帰属意識を高めるもの、少なくとも損なわせないものである必要がある。その結果、選挙後の意思決定がスムーズになる。“排除の論理”ではなく、“寛容さ”や“共同体意識”が社会に備わっていないと、選挙も民主主義も役に立たないと思う。

 

しかし上記は、例外なく、「異なるものを排除しよう」という“排除の論理”が働いているように思う。選挙を利用しても、相手を抑え込もうとか排除しようとすれば、余計に社会が分断され不安定化する。

 

もし、国民に根深い対立があり、“寛容さ”や“共同体意識”がないとすれば、民主主義は無理ではないか。もし、そういう場合は、民主主義となる前に相当の期間、教育や訓練が必要になるように思う。(欧米の)マスコミは、市民デモに“~革命”などと名付けてはしゃぐのは、もう止めた方が良い。それより、社会問題の構造や一般国民の意識を調査して、教育や訓練がどの程度必要か評価してあげた方が良いと思う。

 

 

「なんとかとハサミは使いよう」というが、民主主義も似たようなものだ。決して万能ではない。上手に使えた場合の素晴らしさを否定するつもりはないが、使い方を間違えたときのリスクが大きいことも認識しておいた方が良い。どこに勧めても良い代物ではないようだ。

 

 

「日本人は寛容だし共同体意識も強いから安心だ」と思われたみなさん、日本にも、問題がないわけではない。

 

日本には、日本国籍を持たずに日本で長期間生活している人たちが40万人ほどいる(特別永住外国人)。彼らは選挙権も被選挙権も持っていない。そして、彼らに(地方)参政権を認めるかどうかの議論がある。彼らの多くが韓国籍や朝鮮籍といえば、思い当る方も多いだろう。

 

僕は、その議論の前に、社会が彼らとの間に共同体意識を持っているかどうかが重要だと思う。彼らが共同体意識を持てるように我々が環境づくりをしているかどうか、我々はそういう場面で寛容かどうか。“排除の論理”を働かせてないかどうか、即ち、差別をしていないかどうか。もし、答えが否であれば、我々も彼らも相当の期間教育や訓練を受けながら、お互いの和解を進めていく必要があると思う。

 

それから、沖縄や福島の県知事選も重要だ(沖縄は11/16 投開票、福島は 10/26 に与野党相乗り本命候補が大差で当選)。それぞれ、米軍基地問題や原発問題といった日本全体に関連する負担を過大に背負っている県だ。両県に住んでいない我々に選挙権はないが、少しでも両県民の実情を理解する機会にしたいところだ。

 

ただ、福島県知知事選はあまり盛り上がらず、詳しい全国報道もないまま終わってしまったようだ。現職が後継指名した候補が当選したとのことだが、福島県民は、現職に対する満足度が高かったのだろうか。それとも新しいアイディアを提案する良い候補者に恵まれなかったのだろうか。

 

さて、日本人は、使い方の難しい高級なハサミを上手に使えているだろうか。僕にはあまり自信がない。

 

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