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2014年11月

2014年11月28日 (金曜日)

418.【QC02-10】会計面の比較~継続性と単一性

2014/11/28

「解散に大義はあるか」との批判があるが、「大義を作るのは野党の役目ではないか?」と僕は思う。国民に選択肢を提示するのは野党だ。選挙時には野党にもマスコミがスポット・ライトを当てるから、主張を広めるチャンスだ。是非、建設的な議論を展開して盛上げて欲しい。選挙費用 700億が無駄になるかどうかは、野党にかかっている。

 

そんななか、みんなの党が解散してしまった。僕が唯一、微々たる金額だが献金したことのある政党だ。解党の原因は路線対立にあるとか、野党再編に向けた前向きな動き、などの評価があるようだが、テレビの政治番組からみんなの党の席がなくなるのは寂しい。彼らは、納得感のある現状認識を披露し、理屈の分かる政策を主張をしていたように思う。

 

 

さて、このシリーズでは、真実性の原則が他の原則を包括する、或いは、他の原則に支えられた包括的な規定であることを示し、次に、真実性の原則以外の一般原則について、意外に内部統制的な要素があるとして、それを見てきた。今回は、いよいよ、真実性の原則以外の一般原則について、不正防止など内部統制的な要素を除いた純粋な会計面の特徴を見ていくことにしたい。40510/7の記事)で整理した表の会計部分を、多少加筆して再掲する。

                                   
 

 

 
 

関係する一般原則

 
 

“会計面”の内容

 
 

 
 

資本・利益区別の原則

 
 

会計の基本計算理(損益計算)

 
 

 
 

明瞭性の原則

 
 

F/Sの表示、注記

 
 

 
 

継続性の原則

 
 

同一事象には同一処理

 
 

 
 

保守主義の原則

 
 

会計上の見積り

 
 

N/A

 
 

単一性の原則

 
 

複数のF/Sがあっても会計記録は同一

 

これらのうち、IFRSの概念フレームワークと比較・分析する意味がありそうなのは、◯のついた3つだ。

 

?の継続性の原則は、以前記載したように、同じような概念が概念フレームワークにはない(例えば、2012/2/23 の記事2012/2/9 の記事など)。IFRSでも似たような用語として“比較可能性”や“首尾一貫性”があるが、日本の継続性の原則とは本質的に異なる(と、僕は考えている)。

 

以前記載したものの繰返しになる恐れはあるが、企業会計原則と概念フレームワークを比べるというこのシリーズの趣旨に照らして重要なので、簡単に記載する。

 

日本の継続性の原則は、「みだりに会計処理を変更してはならない」と作成者側の行為を規制している。その結果として、或いは、その効果として、読者側の比較可能性に役立つ。一方、IFRSでは、「比較可能性は、経済実態に忠実な表現をすることで達成される」と考えられている。会計処理が同かどうかではない。例え同じ会計処理が継続されても、経済実態が変化して会計処理と合わなくなっていれば、比較可能性が損なわれるからだ。IFRSでは、会計処理の継続性より、その会計処理が実態を忠実に描写するかどうかが重要視されている。このため、より適切な会計処理があれば、実態の変化に合わせてタイミングよく会計処理の変更を行わなければならない。タイミングが遅れると、(ペナルティとして)遡及調整が必要となる。日本基準の「合理的な理由があれば会計処理の変更が容認される」のとは、底流部分の考え方が違う。

 

「企業会計原則は、作成者の行為を規定する形で書かれ、概念フレームワークは開示する情報の性質を規定する形で記載されている。そのためにこのような印象を受けるが、言っていることは同じ」と思われる方もいると思う。しかし、僕は、経済実態を重視するIFRSと、会計処理の細部(=プロセス)に拘る日本基準の間に違いがあると思っているし、実際に会計処理や開示に違いが出てくると思う。

 

単一性の原則を N/A としたのは次の理由による。

 

IFRSは投資家用の財務報告しか対象としてないので、単一性の原則のように税務申告などの他の用途の財務諸表は想定外だ。端から、財務諸表が複数あると考えていない。したがって、単一性の原則はIFRSには出てこない。IFRSにとっては、該当なし(=N/A)だ。

 

 

ということで、ようやく◯のついた3つに入れるが、次回としたい。

 

ところで、冒頭のみんなの党の政策の中で、僕が最も注目したのは年金制度だ。現在の保険方式(賦課方式)から、積立方式へ変更するよう提案している。これは保険料の支払と年金の受取りの関係が分かりやすくて良い。しかし、この変更を行うと数百兆円も国の負債が増加するので現実的でないと批判されている。

 

実はこの増加する負債は、給付水準が上がるから増えるというものではないらしい。年金会計が、保険方式だとほぼ現金主義でどんぶり勘定(今のところ、保険料収入が年金支出を上回っているので年金資産だけが計上されているらしい。例のGPIF、年金積立金管理運用独立行政法人の運用資産)だが、積立方式にすると将来発生する年金支出が負債に見積り計上される発生主義になるので、負債が増加するということらしい。

 

ん~、なんか、退職給付会計を思い起こさせる話だが、企業会計ではすでに会計ビックバン以前から、不十分とはいえ少なくとも引当金は計上されていた。退職金や年金による将来キャッシュフローの流出額を、ちゃんと見積るようになったのは会計ビックバン以降だが、国の年金会計は、いまだに引当金さえも計上していない状況らしい。要するに、企業会計の常識から見れば、我が国の年金会計は数百兆円の簿外負債を抱える、経済実態を表わさない不正会計をしている。現在の常識では、保険方式も、積立方式も関係ない。どちらによるとしても、将来キャッシュフローの流出額の見積りという経済実態は変わらないのだから、負債計上が必要なはずだ。

 

政治家や官僚は、国民に経済実態を忠実に反映した分かりやすい年金財政情報を提供すべきなのに、民間の会計規準が変化しても一向に変える気配がない。それどころか、どちらでも実態は変わらないのに、積立方式だと負債が増えるなどというばかな議論をしている。まったく不思議な世界だ。なぜこんな議論がまかり通るのだろう。

 

 

もしかしたら、厚生労働省の官僚は、“継続性の原則”を盾に、実態を反映する会計処理の変更を拒んでいるのかもしれない。

2014年11月26日 (水曜日)

417.【投資】中国の予想外の利下げ~その1

2014/11/26

どうも、先月の日銀・黒田バズーカ第2弾以来、予想外が流行っているようだ。長野の地震のような自然災害はそうならざるを得ないが、GDP7-9がマイナス成長だとか、消費税率アップの延期と衆院解散だとか、人為的なものでも、予想外が続いている。その中で僕が一番注目したのは、中国の中央銀行である中国人民銀行による銀行の貸出と預金の基準金利の引き下げだ(11/22 日経無料記事)。

 

なぜなら、GDPや消費税延期は、日経平均でいえば数百円から2~3千円の話だが、中国で問題になっているシャドーバンキングが経済危機に発展すれば、日経平均が1万円を切るまで下落しても不思議ないと恐れているからだ。日欧米の株価はこのニュースに好感して高値を重ねているが、これは悪い知らせではないのか。良い知らせなのか。

 

僕は漠然と、中国の経済危機は不可避のイメージを持っている。世間にはもっと具体的に、次のような見方があるらしい。

 

A.中国には経済をコントロールする手段も能力もある。よって、安定成長へ軟着陸可能。

 

B.何れ経済危機は来るが、まだそのときではない。

 

C.経済危機はもう始まりつつある。

 

A派は、中国の地方政府や民間の債務が、絶対額は大きいもののGDP比ではまだ余裕があるという認識を持っているようだ。恐らく、次のような数字を根拠にしていると思われる。(以下、円は直近為替レートで換算。ちなみに中国のGDPは、2013年で約 1,126兆円、2014年は10月時点のIMF推計で約 1,237兆円)

 

信託融資等の残高のGDP比(2013/3のIMF推計値)      4割(460兆円)

シャドーバンキング全体のGDP (シンクタンク等の推計の最大値)6割(約690兆円)

国と地方政府の債務残高のGDP比(2013/6の中国当局公表値)   4割(約400兆円)

 

なるほど、政府総債務残高でGDPの2倍を超えるという日本に比べれば、全然軽い。「これの一体何が問題なのか?」と思われる方も多いだろう。ちょっと古いが「コラム:中国で金融危機が起きない理由=カレツキー氏」(ロイター 2/26)が代表的な意見だと思う。特に、最後の「中国の金融システムにリーマンショックのような危機が起きると賭けるなら、3.5兆ドルを用意しておくべきだろう。」に自信のほどがうかがえる(3.5兆ドルとは中国の外貨準備高のことで、400兆円ぐらい)。そして今のところ、同氏の想定内で状況が動いているように感じられる。

 

また、米国のサブプライム危機では、多くの住宅購入者がローンを支払えず自宅から追い出された。一方、中国では住宅購入時に多額の頭金が必要(1軒目は30%、2軒目は6070)なため、住宅購入者の債務負担は軽いとされている(MUFGの経済マンスリー2014/6P13の最下行。ただ、MUFGがA派なわけではない)。これも、中国経済が危機に至らないと主張する重要な根拠となっている。

 

しかし、こういう数字を拾ってきても、その相互関係はよく分からない。企業の財務諸表でいえば、負債の一部項目と売上総利益だけで、財務の健全性を測るようなのものだ。本当に重要なのは、資産の中身だ。テレビ・ニュースなどで一時期よく流された“鬼城”(=不動産投資の過熱によりゴーストタウン化した街を指す表現)の映像は強烈だった。国や住宅購入者は良くても、“鬼城”所有者の財務状況はどうなのか。むろん、健全ではあるまい。これが中国経済全体にどのような影響を及ぼすかを評価することが重要ではないか。

 

実は、中国のシャドーバンキング問題とは、中国の高度成長を安定成長へ軟着陸させるために発生する諸問題の一側面に過ぎない。もっと本質的・象徴的な数字は、(既にご認識の方も多いと思うが)GDP内訳項目の構成比にある。日本などの先進国、いや、同じような新興国に比べても極端に、住宅投資などの固定資産投資が多く、民間消費支出の割合が少ない(例えば、BRICs辞典)。企業でいえば、どんどん固定資産残高が膨らんでいる状態、即ち、B/Sがどんどん膨張している状況だ。それゆえ、資産の中身が問題なのだ。そこにB/S全体を揺るがすような多額の減損が生じていないのか?

 

実は、A派として紹介したカレツキー氏も、よく読むと“当面の”A派であり、状況次第でB派へ鞍替えする余地を残した書き方をしている。ただ、C派ではない。僕も、C派であれば、すぐに投資を引上げ現金化するだろう。でもまだ続けているということは、B派なのだと思う。すると、いつ、経済危機が始まるのか、そのタイミングが問題だ。

 

このように考えてくると、中国人民銀行による金利の引き下げは、まるで、減損損失を隠したい経営者が減損会計の割引率の引下げて、資産の使用価値を過大に見積ろうとするように見えなくもない。もしかしたら中国経済は、危機への歩みを一歩進めたのではないか。

 

ということで、この記事には続編がある。そのタイミングを検討したいのだ。少なくとも、「当面は大丈夫なのかどうか」を確認したい。しかし、次回は元の企業会計原則のシリーズに戻るつもりだ。というのは、暫くお休みさせてもらって再開した途端にこんな記事では、ブログの趣旨が変わったと疑われてしまう。あくまで、このブログはIFRSのブログだ。今回は、中国人民銀行による利下げが予想外であったことに反応したに過ぎない。この点は、ご安心戴きたい。

2014年11月15日 (土曜日)

416.【事務連絡】再開までもう暫くです。

2014/11/15

私事で申し訳ないが、というか、ブログなので私事を記載することは許されると思うが、母が急逝した。こう書くと母は怒るかもしれない。以前から悪かったのに、それに気付いてやれなかった。昨夜が通夜、本日が告別式だ。今は、線香を絶やさぬよう葬祭施設に泊まり込んで、この記事を書いている。

 

一連の出来事の中で、父や兄弟・親族から様々な母についての新しい情報を得た。その結果、母の謎の多さに直面した。そもそも、人を丸ごと~僕の生まれる前の母まで~理解することは困難なことで、こんな短期間に仕上がるはずもないが、しかし、母の場合は特に難しい。それは母の性格による。

 

自分のことを話さない人だった。自分の考えや意見を述べなかった。例えば子供の教育では叱ることはするし、嘆くこともあった。しかし、ああなれ、とか、こうなれとは言わない。それは自分で考えろ、という。だから、母の期待や考えが分からないのだ。

 

そんな母なので、意識を失う間際に言ってもらった一言が、僕の宝物となった・・・“自慢の息子”。

 

どうやら、僕は母の期待の範囲内に収まっていたようだ。安堵感と嬉しさ、そして新たな推進力をもらった気がする。最後まで母は息子の扱いが上手い。どうおだてれば、豚が木を登るか、分かっている。

 

そんなわけで、このブログにも新たな気持ちで取り組むつもりだ。しかし、再開にはもうしばらくお待ちいただきたい。

2014年11月 6日 (木曜日)

415.【QC02-09】その他の内部統制

2014/11/6

暫くこのシリーズから離れていたが、その理由はご想像の通り「行き詰ったから」だ。その間、米 FOMC(=連邦公開市場委員会)は、QE3(=量的金融緩和第3弾)を終了し、声明で「未活用の労働資源が、徐々に縮小している」と、従来よりタカ派的な見方を公表し世界の投資家を身構えさせた。それは日本時間の10/30日未明のこと。ところが、翌 31日には、みなさんもご存じのとおり日銀が予想外の“黒田バズーガ2”(“KB2”と呼んだらどうだろう?)を炸裂させ、見事に世界の金融市場を躍らせた。日経電子版(11/1 有料記事)では、米市場の様子を次のように伝えている。

 

画面にはたなびく日の丸に「ありがとう」のひらがな。31日の米経済チャンネルは、追加金融緩和と公的年金資産の運用見直しという日本発のニュースを材料に過去最高値を更新した米株式相場を興奮気味に伝え続けた。

 

僕も嬉しい気持ちはあったが、残念でもあった。日銀は、断固として物価安定の目標(=インフレ目標)をやり抜く構えだ。FOMC 委員長でもあるイエレンFRB 議長も、格差問題にまで守備範囲を広げられないのだろう。これらは、それぞれの中央銀行が担った役割を果たすために止むを得ないものではあるが、インフレと実質賃金下落リスクから生活を防衛するには、我々は自ら備えなければならない、ということでもある。企業と同様、個人レベルでも環境変化へ対応が重要だ。確かに、大きなリスクではあるが・・・(ご参考;10/28411 但し、上記のとおり株価は既に上がってしまったので、次の調整局面~例えば、安倍首相が消費税率アップを検討するころなど~を待つという手もある。)

 

そんな、米経済チャンネルの雰囲気とは違うもやもやした気持ちでいたが、それを吹き飛ばしてくれたのが、翌 2日の清水エスパルスだ。試合終了間際の劇的逆転弾を、相手ゴールへ叩き込んでくれた。村田和哉選手、ありがとう。同選手の決勝ゴールは、今季2発目だ。(これを“KG2”と呼んだらどうだろう。“KG”は“和哉ゴール”或いは“決勝ゴール”。“KG3”も“KG4”も期待して!)

 

 

さて、「IFRSと日本基準の根源的な差異はなにか」を調べるために、IFRS概念フレームワークの“有用な財務情報の質的特性”と企業会計原則の一般原則を比較するシリーズは、今回、両者に含まれる内部統制要素の最終回で、検討済みの“統制環境とリスク管理”以外の内部統制だ。

 

まずは40510/7 の記事で企業会計原則の一般原則を整理した表から、今日のテーマに該当する内容を若干詳しく記載してみよう。

           
 

 

 
 

 内部統制面-その他
    (統制活動、情報と伝達、モニタリング、
ITへの対応)

 
 

正規の簿記の原則

 
 

正確な会計帳簿の作成

 

“企業会計は、すべての取引につき、正規の簿記の原則に従って、正確な会計帳簿を作成しなければならない。”

 
 

単一性の原則

 
 

信頼しうる 会計記録

 

“・・・種々の目的のために異なる形式の財務諸表を作成する必要がある場合、それらの内容は、信頼しうる会計記録に基づいて作成されたもの・・・”

 

内部統制と関連すると僕が考えた言葉は、“正確な会計帳簿”とか“信頼しうる会計記録”だ。しかし、こんな簡単な言葉、というか、単語を取上げて、その裏に、統制手続、情報と伝達、モニタリング、IT(情報技術)への対応といった内部統制の構成要素が「実は存在してました」なんて主張しても、虚しい気がする。

 

これが、冒頭に記載した「行き詰ったから」の内容だ。

 

行き詰った時には、スタート地点に戻ってみる。このシリーズは、企業会計原則の一般原則に内部統制的な要素があるかどうかを検討するのではなく、IFRSの概念フレームワークとの違いを検討することにある。そう考えると、概念フレームワークの記述を確認すべきだと気付いた。概念フレームワークに、、統制手続、情報と伝達、モニタリング、IT(情報技術)への対応といった内部統制の構成要素と関連するような記述があるのか。あれば、それが探していた違いになる。

 

そして、その結果は“なし”だった。驚いたことに、企業会計原則の一般原則のような“単語レベル”の記述さえない。その様子をご確認いただくために、“正確”や“信頼”で概念フレームワークの該当箇所(=“第3章:有用な財務情報の質的特性”)を検索した結果をお知らせしよう。

 

検索ワード:“正確”

 

忠実な表現とは、すべての点で正確であることを意味するものではない。誤謬がないとは、その現象の記述に誤謬や脱漏がなく、報告された情報を作成するのに用いられたプロセスが当該プロセスにおける誤謬なしに選択され適用されたことを意味する。この文脈においては、誤謬がないことはすべての点で完全に正確であることを意味しない。例えば、観察不能な価格又は価値の見積りは、正確であるとも不正確であるとも判断できない。しかし、その見積りの表現は、その金額が見積りであるものとして明確かつ正確に記述され、その見積りのプロセスの内容と限界が説明され、その見積りを作成するための適切なプロセスの選択と適用の際に誤謬が生じていない場合には、忠実となり得る。QC15

 

検索ワード:“信頼”

 

検索されない。

 

“会計帳簿”とか、“会計記録”といった内部統制と会計の連結環になるような単語もない。ん~、IFRSは企業会計原則に比べても、内部統制色が薄いのだろうか?

 

恐らく、そういうことではないと思う。このようになった理由は、10/9406 の記事「会計基準における不正防止の表現」にも記載したように、企業会計原則は“行為を規定する”方法で、概念フレームワークは“情報を規定する”方法で記述されているためだと思われる。仮に違うとしても、そもそも企業会計原則の記述も内部統制色が濃いとは言えないので、僅かな濃度の差にしかならないと思う。

 

 

ということで、内部統制に関してはたいした分析にならずに終了することになる。しかし、それでは物足りないという方のために、せめてもの償いとして、最近ネットで読んだ気になる記事を紹介して終えたい。内部統制を、リスク低減だけでなく収益獲得のためにも鍛えるという「GRC」の導入例について記載している。最終頁には次のように記載されている。

 

GRCは日本では全くと言っていいほど流行っていないが、「欧米の大手企業は、当たり前のように導入している。アジアでもASEAN地域を中心に、脚光を浴びつつある。主要国で、いまだに動きが鈍いのは日本だけではないか」

 

目指すは「守りながら攻める」内部統制! 東京海上日動システムズ3年間の挑戦10/23 ITpro

 

要は、2004年に新しく COSO から公表された"Enterprise Risk Management - Integrated Framework"(「全社的リスクマネジメントのフレームワーク」)を採り入れましょう、ということだと思う。この概要については、次の資料の6ページ、7ページにまとめられている。

 

COSOレポートの概要等について(金融庁検査局 専門検査官 窪寺信氏)

 

 

2014年11月 4日 (火曜日)

414.【番外編】文化の日に思う、「ハサミと民主主義は使いよう」

2014/11/4

昨日は文化の日。1946年に現行の日本国憲法が公布されたことを記念した休日なので、日本の“国民主権”にとっても重要な日だ。したがって、民主主義について考えることは、この休日の趣旨にあっていると思う。それに、下記のような社会現象や事件が起きて、最近は“民主主義の価値や普遍性”が揺らいでいる。

 

・中東の春の混乱・失敗

民主主義を目指して民衆が立ち上がったが、結局軍部独裁に戻ったり、党派・宗派間の対立で内戦状態の国もある。選挙が空回りして、相互理解に役に立っていない。

 

・イスラム国やタリバン、ボコハラムといったテロ組織の活動

明らかに民主主義を否定する勢力だが、それを支持する民衆もいる。当該地の政府(=民主主義を標ぼう)による統治よりマシと考えているようだ。考えを異にする人に対する極端な不寛容が見られる。

 

・イスラエルのガサ侵攻

僕は、イスラエルは民主主義国だと思っていたが、ガサ地区のテロ組織ハマスなどに打撃を加えるためとして侵攻し、あまりに多くの一般市民を巻き込んだ。パレスチナ市民を排除したいのだろう。

 

・立ち往生の香港学生デモ

学生の選挙制度に対する主張は教科書通りの正しい内容だが、香港市民には学生に反感を抱いたり、中国共産党への恐れからデモ収束を望む人々がいて、意外に共感されてないようだ。学生にとっては、北京との対話より、その共感を獲得し多数派を形成することこそが重要だ。

 

・クリミアの住民投票による独立や、ドネツク州などウクライナ東部の選挙

親ロシア派は、自分たちが主導した選挙こそ民主主義であると主張し、ウクライナ政府が行う選挙をボイコットした。新ロシア派以外を排除。

 

・中央アフリカなどの内戦、クーデター

選挙結果が受入れられず、悲惨な内戦が起こってしまった。

 

これらを見ていると、“民主主義の価値や普遍性”を疑わざるえない。いったい、これらの民主主義に何が起こっているのだろうか。「これらだけが特殊であり、我々の民主主義には関係ない」という意見もあるかもしれないが、何故こうなってしまったかが分からないと、「関係ない」とも言えない。

 

確かに“民主主義の価値や普遍性”は、欧米によって過大に宣伝され過ぎたきらいがある。そのため、民主主義国になることが目的化され、まるで「選挙さえすれば国民が幸せになる」みたいなイメージを植えつけられてしまった気がする。しかし、民主主義や選挙は、国民が幸せになる道具立てに過ぎない。しかも、かなり使い方が難しい高級な道具だ。使い方を間違えれば、これらのように、逆に国民が傷つくことになる。

 

僕が思うに、選挙は、そのプロセスにおいて相手を説得したり理解することで、相互理解を進めて組織や団体への帰属意識を高めるもの、少なくとも損なわせないものである必要がある。その結果、選挙後の意思決定がスムーズになる。“排除の論理”ではなく、“寛容さ”や“共同体意識”が社会に備わっていないと、選挙も民主主義も役に立たないと思う。

 

しかし上記は、例外なく、「異なるものを排除しよう」という“排除の論理”が働いているように思う。選挙を利用しても、相手を抑え込もうとか排除しようとすれば、余計に社会が分断され不安定化する。

 

もし、国民に根深い対立があり、“寛容さ”や“共同体意識”がないとすれば、民主主義は無理ではないか。もし、そういう場合は、民主主義となる前に相当の期間、教育や訓練が必要になるように思う。(欧米の)マスコミは、市民デモに“~革命”などと名付けてはしゃぐのは、もう止めた方が良い。それより、社会問題の構造や一般国民の意識を調査して、教育や訓練がどの程度必要か評価してあげた方が良いと思う。

 

 

「なんとかとハサミは使いよう」というが、民主主義も似たようなものだ。決して万能ではない。上手に使えた場合の素晴らしさを否定するつもりはないが、使い方を間違えたときのリスクが大きいことも認識しておいた方が良い。どこに勧めても良い代物ではないようだ。

 

 

「日本人は寛容だし共同体意識も強いから安心だ」と思われたみなさん、日本にも、問題がないわけではない。

 

日本には、日本国籍を持たずに日本で長期間生活している人たちが40万人ほどいる(特別永住外国人)。彼らは選挙権も被選挙権も持っていない。そして、彼らに(地方)参政権を認めるかどうかの議論がある。彼らの多くが韓国籍や朝鮮籍といえば、思い当る方も多いだろう。

 

僕は、その議論の前に、社会が彼らとの間に共同体意識を持っているかどうかが重要だと思う。彼らが共同体意識を持てるように我々が環境づくりをしているかどうか、我々はそういう場面で寛容かどうか。“排除の論理”を働かせてないかどうか、即ち、差別をしていないかどうか。もし、答えが否であれば、我々も彼らも相当の期間教育や訓練を受けながら、お互いの和解を進めていく必要があると思う。

 

それから、沖縄や福島の県知事選も重要だ(沖縄は11/16 投開票、福島は 10/26 に与野党相乗り本命候補が大差で当選)。それぞれ、米軍基地問題や原発問題といった日本全体に関連する負担を過大に背負っている県だ。両県に住んでいない我々に選挙権はないが、少しでも両県民の実情を理解する機会にしたいところだ。

 

ただ、福島県知知事選はあまり盛り上がらず、詳しい全国報道もないまま終わってしまったようだ。現職が後継指名した候補が当選したとのことだが、福島県民は、現職に対する満足度が高かったのだろうか。それとも新しいアイディアを提案する良い候補者に恵まれなかったのだろうか。

 

さて、日本人は、使い方の難しい高級なハサミを上手に使えているだろうか。僕にはあまり自信がない。

 

2014年11月 2日 (日曜日)

413.【番外編】2014/10の月間ページ・ビュー・ランキング(2カ月累計を追加)

2014/11/2

―・―・―・―・―・2ケ月累計ランキング (9月+10月)―・―・―・―・―・―・―

2ヶ月で集計してみた。9月の記事がより正当に評価されると思われるため。来月の2ヶ月累計ランキングには、10月の記事が入ってくることを願いたい。

 

1) 2014/8/1 381.修正国際基準(JMIS)の公開草案~概要

 

2) 2012/1/10 持分(Equity)~会計用語のEquityって?

 

3) 2014/9/18 398.【番外編】ソニーの未来

 

4) 2014/9/7 393. JMISに対するIASBの反応と日経のスクープ

 

5) 2013/5/23 248.【製造業】減損損失累計額を動かさないことで生じるマイナスの減価償…

 

6) 2014/8/6 383.修正国際基準(JMIS)の公開草案~OCIリサイクリング

 

7) 2014/7/28 379.IFRS のれん償却再導入? ~ASBJらが意見書公表

 

8) 2011/11/1 IFRSの資産~会計上の「資産」とは

 

9) 2011/11/30 IFRSの資産~償却資産と減損1

 

10)2012/1/23 有用な財務情報とは~基本的な質的特性「目的適合性」

 

 

2014/11/1

―・―・―・―・―・月間ランキング 10月)―・―・―・―・―・―・―

10月の記事が1つもランキング入りしてないとは。(-_-;)

 

1) 2014/8/1 381.修正国際基準(JMIS)の公開草案~概要

 

2) 2012/1/10 持分(Equity)~会計用語のEquityって?

 

3) 2012/2/28 有用な財務情報とは~「忠実な表現」と「比較可能性」の前に固定資産に寄り道...

 

4) 2012/1/23 有用な財務情報とは~基本的な質的特性「目的適合性」

 

5) 2013/5/23 248.【製造業】減損損失累計額を動かさないことで生じるマイナスの減価償...

 

6) 2014/7/28 379.IFRS のれん償却再導入? ~ASBJらが意見書公表

 

7) 2011/11/1 IFRSの資産~会計上の「資産」とは

 

8) 2011/11/30 IFRSの資産~償却資産と減損1

 

9) 2014/8/6 383.修正国際基準(JMIS)の公開草案~OCIリサイクリング

 

10)~2014/9/9 IFRS個別基準

 

―・―・―・―・―・―・―・―・(前月分)―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・―・

2014/10/1

ご覧のとおり、古いものが意外と多い。逆にいえば、新しいものにあまり人気がないのかもしれない。(T_T)

時々熱心な方がいらっしゃるようなので、参考までに定期的に載せることにした。ページ・ビュー数(=アクセス数)は、上位は百を超えるが、下位は二桁。

 

1) 2014/8/1 381.修正国際基準(JMIS)の公開草案~概要

 

2) 2014/9/7 393. JMISに対するIASBの反応と日経のスクープ

 

3) 2014/9/18 398.【番外編】ソニーの未来

 

4) 2012/1/10 持分(Equity)~会計用語のEquityって?

 

5) 2013/5/23 248.【製造業】減損損失累計額を動かさないことで生じるマイナスの減価償…

 

6) 2014/8/6 383.修正国際基準(JMIS)の公開草案~OCIリサイクリング

 

7) 2011/11/1 IFRSの資産~会計上の「資産」とは

 

8) 2014/9/14 【番外編】会計の本質論と公認会計士の立場

 

9) 2014/7/28 379.IFRS のれん償却再導入? ~ASBJらが意見書公表

 

10)2011/11/30 IFRSの資産~償却資産と減損1

 

10)2014/8/4 382.修正国際基準(JMIS)の公開草案~のれんの償却

 

 

 

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