443.【番外編】中国監査問題、課題を残しつつも決着
2015/2/19
もう、2週間も前の話で恐縮だが、一応顛末を報告したい。この件、すでにご存知の方も多いと思うが、以下のとおりの内容で、4大監査法人(=Big4)と 米SEC は和解した⋆1。
・Big4 の中国部門それぞれが、50万ドルを 米SEC(米国証券取引委員会)へ支払う。
・SEC が Big4 の中国部門に命じていた半年間の米国上場企業の監査禁止措置は(発効前に)解除。
・Big4 は、4年間で、SEC の書類提出要請に対応するための具体策を講じる。
中国が中国企業の監査調書を国家機密として扱っているため、監査法人が中国の同意なしに SEC へ監査調書を提出すると、中国の国家機密法を犯すことになる。監査法人は、SEC が 2012年に不正会計が疑われる中国企業の監査調書の提出を求めた際に、このことを理由に拒んでいた⋆2。
もし、SEC の監査禁止措置が発効されると、90を超える中国企業が直接の影響を受けるところだった。また、中国で事業展開する米国の多国籍企業にも、影響が心配されていた⋆3。
しかし、“書類提出要請に対応するための具体策”って、なんだろう?
中国企業って、やはり、国家機関の一部なのだろうか?
ちなみに僕は、(米国政府と同様に)HUAWEI の通信機器を使わないようにしている。そして、Baidu も。でも、lenovo は使うかもしれない。やはり、良いものは良い。
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⋆1 WSJ 2/7 「4大会計事務所、中国企業の監査めぐりとSECと和解」
⋆2 REUTERS 2/7 「4大会計事務所、米SECと和解 中国企業の不正会計問題で」
⋆3 WSJ 2/5 「米SECと4大会計事務所、中国監査めぐり和解間近」
WSJの記事には、有料と無料がある。REUTERSはすべて無料。
ちなみに、この問題を最初に報じた記事には、次のようなものがある。
中国当局、4大会計事務所への罰則めぐり米SECと協議 WSJ 2014/1/26
米国市場上場の中国銘柄が急落、会計の透明性めぐる懸念嫌気(REUTERS 2014/1/24)
米会計事務所の中国業務禁止、商業会議所が外交解決求める(REUTERS 2014/1/24)
中国証監会、米会計事務所めぐるSECの禁止決定に「大変遺憾」(REUTERS 2014/1/24)
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