445.【リース'15/2】新基準、今年中にリリースの予定
2015/2/26
このところ、適切なタイミングを逸した延びたラーメンのような話題続きで申し訳ないが、今回は違う。昨日、eIFRSのアラート・メールで届いたばかりのホットな話題、“Definition of a Lease (February 2015)”だ(IASBのホームページのリース・プロジェクトのページに掲載されている18ページの小冊子)。
リースについては、IASBとFASBの共同プロジェクトとして新基準を開発中だが、すでに 2009 年にディスカッション・ペーパーが公表され、その後、公開草案も2回(2010、2013)公表されている。このブログで最後に扱ったのは 2014/5/6の記事“361.【リースED】基準改定の途中経過~2014年3月の暫定決定”で、2013公開草案に対して寄せられたコメントを受けて、公開草案の内容が大幅に変更されそうな状況を紹介した。
いよいよ、IASBとFASBは数か月のうちに審議を終わらせ、IASBは今年中に新基準をリリースしようとしている。この“Definition of a Lease (February 2015)”は、IASBのスタッフが新基準の核心となる「資産計上の対象となるリースとは何か」について、審議の様子を踏まえて、現段階の状況でまとめたものらしい。それをちょっと覗いてみようというのが、この趣旨だ。
但し、残念ながら、以下の制約があるので注意してほしい。
・この内容についてIASBは関知していない。あくまでスタッフが作成したものに過ぎない。
・英語なので、それでなくても僕の乏しい理解力が、さらに低下する。それをみなさんがご覧になる。
「それじゃ、読む意味ないじゃないか!」と、怒りのあまり、壁をドツキたくなるかもしれないが、心を大らかにして、ご容赦願いたい。
壁ドンは ダメよダメダメ ブログでしょ!! …“火に油”だろうか?
さて、とりあえず今回は全体像をざっと見ることにしたい。以下に、大見出しを紹介する。
What is a lease?(リースとは?)
- リースとは、賃料と引換えに、一定期間ある資産を使用する権利を顧客に与える契約。顧客はその特定の資産について、その期間独占的な使用権を持ち、用途を決定することができる。
Services are not brought on balance sheet(サービスは資産計上されない)
- サービスの会計処理は何も変わらないこと(他の基準で規定される)、及び、1つの契約にリースとサービスの両方を含む場合は、サービス部分は資産計上されないとしている(但し、サービスがスモールな場合は、すべてを一括で資産計上する方法も容認される。奨励はされてない)。
Redeliberations of the 2013 ED definition proposals(2013ED 以降の再審議状況)
- 受取ったコメントの概略と、それらに対する対応の概略が記載されている。
Summary of decisions made about the definition of a lease during redeliberations(リースの定義に関する審議結果の要約)
- 仮決定された事項の要約がリストアップされている。2013ED からの簡単な変更理由も記載されている。
Examples(設例)
1 Retail rental contract(ショッピングセンターのテナント契約)
2 Airport concession(空港運営事業者とのテナント契約)
3 Truck rental contract(冷蔵トラックの賃借契約)
4 Oil tanker contract(タンカーの賃借契約)
5 Outsourcing agreement(製造委託契約)
6 Telecommunications contract(通信回線契約)
議論の焦点は、リースとサービスの区分に集中しているようだ。これは「資産か、費用か」という意味ではない。当然ながら、サービスでも前払で未経過のものや未払いで経過しているものは、資産や負債に計上される。それより「有形固定資産(に近い)かどうか」というイメージで眺めた方が良いと思う。
ざっと見ただけだが、いくつか突っ込むべき壁がありそうだ。特に細かいところに色々疑問が湧いてくる。しかし、これは要約なので、細かい部分に熱くならないで、全体のイメージを把握することが重要だろう。それに気を付けて、次回から各大見出しの個別の内容へ入りたい。
壁ドンは ダメよダメダメ 細かいでしょ!! …全然、面白くない。(T_T)
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