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2015年5月20日 (水曜日)

470.【番外編】橋下徹氏の未来(願望を込めて)

 

2015/5/20

橋下徹氏が政治家を辞めると聞いて、残念に思われた方は多いようだ。でもきっと大丈夫。政治家でなくても、公に活躍できる場はある。僕は、早く大阪市長の任期を終えてくれ、とさえ思う。もしかしたら、その後の方が、我々にとって、ずっと面白いものになると思うからだ。

 

……………………………………………………………………………………………

大阪都構想への賛否を問う住民投票があった17日の夜、NHKは開票速報番組を全国に放送した。僕は、大阪市民ではないが、それを見た。「このままではジリ貧。なにか変化を」という声が勝るだろうと予想していた僕は、反対票が多数と報道されたとき、驚いた。

 

総選挙の選挙特番ならここでチャンネルを変えるが、今回はもう少し粘った。橋下氏が政治の世界から身を引くというのは本当だろうか。いや、本人が選挙で言っているのだから疑いなく身を引くと思ってはいたが、改めて、本人が語るのを聞きたかった。だから、記者会見の中継までそのまま見続けた。

 

その会見で、もっとも印象深かったのは、「民主主義の素晴らしさ」と、その民主主義を支える「報道の自由の重要性」を強調したことだった。NHKはこの話の途中で中継を終了し、画面をスタジオへ切り替えてしまったので、僕はそれを以下で補足した。

 

橋下市長「報道の自由は民主主義を支える根幹」「メディアにもっと頑張ってほしい」 弁護士ドットコム ニュース 5/18

 

これは、まさにこの「民主主義とマスメディア」に注目・集中してコンパクトにまとめた記事で、とても参考になった。

 

【橋下氏会見詳報(1)】 産経WEST 5/18

 

これは(1)〜(12)まで続く、会見の詳細を記した長い記事。遺漏を防ぐつもりで一応目を通した。日経電子版にも「一問一答」という見出しのついた記事*1があったが、「民主主義とメディア」に関しては、そんな発言はなかったかのごとく全く触れられていない。

 

以上から想像したことを記載する。橋下氏は、これからも我々の目の前で、活躍し続けると思う。もっと面白い形で。

 

 

橋下氏は、今後の進路について「僕は国民の奴隷じゃない。職業選択の自由がある」という趣旨の発言をしたが、恐らく、公に奉仕することの魅力に取り憑かれていると思う。また、根っからの喧嘩好きのようにも思える。このため社会的な問題を目の当たりにすると、つい、戦いたくなってしまう。しかも、その闘争本能は、問題が重要であればあるほど掻き立てられる。

 

したがって、橋下氏は、恐らく、自由な職業選択の結果として、「民主主義を支える重要なものに貢献する戦い」を開始するのではないだろうか。

 

原発問題も、年金・介護といった高齢化対策、少子化対策も、みんな重要だが、当面、橋下氏にとって、目を反らすことができない最重要問題として写っているのは、“マス・メディアの質”ではないだろうか。大阪の行末も気になるだろうが、これについては、今のように当事者として関わることはできない。関心は持ち続けるだろうが、一歩、引かざるを得ない。一方、“マス・メディア”については、もはや、政治家、即ち、権力者ではなくなるのだから、今以上に自由に批判できるはずだ。それも、マス・メディアの中へ飛び込んで、内部から変えられる可能性がある。

 

すでにいくつかのメディアから、大阪市長の任期満了後、橋下氏はテレビや雑誌に引っ張りだこになると予想されている*2。橋下氏を嫌いな人にとっては悪いニュースだが、ファンが多いのも事実だろう。話が上手だし(戦闘的だが)、判断の質も高いと思う(個々の判断内容というより、個々の判断に共通基盤があって、それが良いように感じる)。

 

恐らく、以前のようなコメンテーターとしてだけでなく、番組の作り方にも関わるようになるのではないか。今回の会見でも、ニュース報道や討論番組のあり方について、早速、注文をつけている(例えば、戦争反対とか、原発反対などというメディアの主張に注文をつけたのではなく、住民投票や国民投票に際して何を報道すべきか、とか、ディベートはどうあるべきか、などといった基本的なことについて述べている)。

 

メディア改革は、視聴者・読者の意識改革にも及ぶだろう。レベルの低いテレビ番組や雑誌は自然淘汰される、或いは、単純に娯楽や暇つぶしとして消費されれば良い。それは視聴者・読者の嗜好で決まる。視聴者・読者が重要な社会的問題を考えるにあたって、どのような番組や雑誌を求めれば良いか、橋下氏は、その良いイメージを提供することを考えると思う。ちょっと、田原総一朗氏のようでもある。

 

 

今回の会見で、「日本の民主主義をレベルアップした」と誇った橋下氏だが、まだ道半ば、いや端緒を開いただけと、一番本人が良く分かっているに違いない。そしてそれを実現するツボは、マス・メディアだということも。それにマス・メディアは、闘争本能を掻きた立てられる巨大な喧嘩相手だ。市長任期が終わる来年からは、より直接、日本全体のためとなる活躍を期待したい。

 

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*1 「僅差の否決、悔いなし」 橋下氏会見の一問一答 日経電子版 5/18

 

橋下氏が政界を引退することのみが記述されている。僕は、以前は日経を最も信頼していたが、Web紙面上の消費税に関するアンケートで「消費税に賛成しない」選択肢を選択したのに、その結果を公表した記事『消費増税、8割が「賛成」(2013/8/25)』ではその選択肢が「消費税賛成」に集計されていて驚いたことがある(アンケートの質問項目は、『「消費増税は予定通り実施すべきですか(クイックVote)」2013/8/3』を参照。質問回答時には、このように集計され、日経の主張に利用されるとは、全く想像つかなかった)。それ以来、日経を信用しなくなったし、Web上のアンケートへの回答もやめた。日経の都合で、いいように利用されるだけと思ったからだ。まあ、「その時、急にそうなった」というより、以前からおかしいと思っていたので、「その時、溜まっていた不満が溢れた」というべきか。

 

「人は自分の見たいものしか見ない」とは、ローマの英雄ユリウス・カエサル(ジュリアス・シーザー)の戒めだ。僕としては、そうならないようにメディアを利用するのだが、そのメディアが、「我が社の報道方針に反するものは事実ではない」という態度だったら、どうだろうか。例えば、「我が社の主張と違う事実があっても、我が社の主張に沿うものとして報道してしまえ」などと。それはもう、事実としての価値はない。デマの類だ。

 

しかし、悔しいが、今も購読料を払い続けている。経済新聞としての有用性は欠かせないので、知らぬ間に誘導されないよう、事実と日経の憶測・意志を注意しながら区分して利用している。日経こそは“橋下氏のメディア批判”をしっかり受け止めて欲しいと思う。

 

*2 例えば、以下のようなものがある。

 

橋下氏、政界引退へ TV界が“熱視線”関西ではギャラ3億円説も zakzak by 夕刊フジ 5/18

 

 

 

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