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2015年6月

2015年6月30日 (火曜日)

483【番外編】ギリシャの選択

2015/6/30

僕は、6/21の記事(480【番外編】ギリシャの言い分)で、『今度こそ「ギリシャが修羅場を選択する」』と書いたが、ギリシャの選択は“国民投票”だった。相変わらず、両者の議論は噛み合っていない。この結果、欧州の団結は崩れるかもしれない。

 

 

国民投票では、債権者たちの提案を受け入れるかどうかを投票してもらうという。本来、民主主義国家が重要な意思決定を行う前に、国民の意見を聴くことは良いことのように思えるが、EU諸国など債権者たちの評判は異常に悪い*1。もともと厳しい姿勢だったドイツだけでなく、より融和的な姿勢を見せていたフランスのような国でも同様だ。その理由には、次のようなことがあるらしい。

 

・国民投票(7/5実施)は、交渉がまとまりそうな段階で、突然公表された*2

 

・チプラス首相は、債権者たちの提案を拒否するよう国民に呼びかけている*3

 

・債権者たちに、国民投票のため交渉期限(=ギリシャ救済プログラム)1ヶ月延長を要請*4

 

ギリシャとの妥協点を探すために一生懸命で、疲労困憊の債権者たちにとって、このギリシャの仕打ちは“裏切り”と受け止められたようだ*1。しかも、期限延長という虫のいい要請には、腹わたが煮えくり返っただろう。これに対して、債権者たちの姿勢は次の通り。

 

・上記の期限延長の要請は、拒否*5

 

・今後の対応をギリシャ抜きで協議*6

 

29日にもう一度緊縮策を提案*7

 

30日まで交渉の扉は開かれているという姿勢を維持*8

 

当初、カッとしたものの、その後は大人の対応をしていると言えるかもしれない。しかし、ギリシャとは噛み合っていない。恐らく、ギリシャにとっての根本問題は、“債務減免が受け入れられないこと”なのではないか。ここに、ギリシャ側の怒りの根源があるような気がする。だが、債権者たちはそこを避ける。次の記事だ。

 

ギリシャの債務減免は不要、EUが分析 REUTERS 6/27

 

この記事によれば、EUは、26日、現行の救済プログラムの目標を達成することは無理だが、今後、3年間の金融支援を行えば、その後の債務返済は可能と結論付けた。

 

上記480の記事のギリシャの見方を思い出すと、現行の救済プログラム自体に無理があって、経済成長も政府債務削減も、結局目標通りにならなかった。そもそも、2010年のギリシャ危機の時点で、債務返済は無理だったのだ。その後、国民に緊縮政策への大変な忍耐を強いた。それに加えて、この半年間の混乱で、さらにギリシャ経済の基礎体力は悪化した。それでも、債務減免は不要とEUは言う。いったいどこまで耐えろというのか。ギリシャ国民は、こんな具合に思っているかもしれない。

 

どんなに土地が痩せて収穫が減っても、年貢は取り立てられ続ける。これでは、ギリシャは永遠に借金返済に追われ、ギリシャ国民が幸福追求することは不可能になる。いつか、一揆が起こる。

 

みなさんもご存知の通り、ギリシャの世論調査では、EUの緊縮策を受け入れるべきという意見の方が多いとされている。しかし、日経電子版の豊島逸夫氏氏のコラムには、「これは相対的に余裕のある人の回答だ。年金カットなどでギリギリの生活を強いられている人たちに世論調査に答える余裕などない」とある*9。だとすれば、国民投票の結果を予想するのは難しい。

 

事実としては、今日中に合意される可能性も全くないわけではないし、国民投票の結果がどうなるかも分からない。しかし、債権者たちの姿勢は、すでにギリシャ国民の心に修復し難い傷を残したかもしれない。「ギリシャ人は永遠に借金のために働け」と、EUに侮辱されたと。であるとすれば、楽観は禁物だ。もしかしたら、チプラス政権は、ユーロ離脱、そしてEU脱退という修羅場を、すでに選択しているのかもしれない。

 

チプラス政権は、常々、交渉姿勢・態度が幼稚・稚拙と、欧州諸国から批判されてきた。それは、服装や言葉遣い、提案のやり方・資料作成などに向けられたものだが、どうも、それだけではないようだ。実は、“債務減免”という最も重要な要求を、2月時点で取り下げている(或いは、債権者たちに取り下げさせられた)。その結果、年金や最低賃金・消費税などのフロー項目が、その後の主要な論点となった。

 

会計的に言えば、本当はB/Sに問題があるのに、フロー項目のみを交渉対象とした。これでは、議論が問題の本質まで至らないのは当然だ。これでは、両者が腹に落ちる議論にならない。交渉決裂は、この2月時点で決まっていたのかもしれない。僕は、これこそが、チプラス政権の最も稚拙な点だったように思う。

 

或いは、逆に、百戦錬磨の債権者たちのやり方がうまかったというべきか。但し、結末としては最悪の方向へ向かっているのかもしれない。欧州の団結に危機が訪れている。

 

 

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WSJの記事は、有料会員しか読めない可能性が高い。

 

*1 ギリシャ国民投票、欧州各国で批判噴出WSJ 6/29

 

この記事には、各国指導者の反応だけでなく、新聞紙面の見出しなどの反応が記載されている。このほかに、EU委員長の“裏切られた”という発言を伝える記事もある(『欧州委員長が異例の批判、ギリシャ改革案拒否に「裏切られた」REUTERS 6/29)。

 

*2 寝耳に水だった国民投票-ツイッターで知り交渉の雰囲気が一変」 Bloomberg 6/29

 

*3 ギリシャ議会、75日の国民投票実施を承認 REUTERS 6/28

 

チプラス首相は採決に先立ち演説し、国際債権団の「侮辱的な」支援条件を国民投票で拒否するよう国民に呼びかけた」という。

 

*4 ギリシャ首相、金融支援延長を再度要請 WSJ 6/29

 

当初の1ヶ月延長要請は、27日にユーログループ(ユーロ圏財務相会合)から、一旦、拒否されている(下記*5参照)。しかし、ギリシャは、28日に、相手を変えて再要請したという。今度は“ユーロ圏諸国の指導者らとECB理事ら、欧州委員会、欧州議会”へ向けた。この結果は、まだ報じられていないようだが、あまりに多数に向けすぎており、回答を得られないのではないか。

 

*5 ユーロ圏財務相会合、ギリシャの支援延長要求を拒否 WSJ 6/28

 

*6 ギリシャ、未知の領域に踏み込む WSJ 6/29

 

なんと、「つまり、ギリシャは既に、ユーロ圏の資格を一時停止になっているようなものだ」とまで記載されている。

 

*7 欧州委、ギリシャ問題で29日に新提案へ=モスコビシ委員 WSJ 6/29

 

これが、上記*4に対するEU側の回答なのかもしれない。ただ、期限延長という話はない。加えて、その後、「新提案は行わない」という報道(「UPDATE 1-欧州委、29日にギリシャについて新たな提案せずREUTERS 6/29)も流れた。どうやら、後の方の報道が正しいらしい。

 

*8 ギリシャとの合意努力、あと数時間残されている=仏大統領 REUTERS 6/29

 

ここには、オランド大統領の言葉として、29日中ならまだ合意可能、30日であっても「国民投票へのギリシャの反応による」と含みを残したことが記載されている。このほか、「交渉の行き詰まり、対応はギリシャ次第=独首相」(REUTERS 6/29)には、「この問題に関する決断は1日ごとに下さざるを得ない」とのメルケル首相の言葉を伝えている。これも、交渉の余地が、完全になくなったわけではないことを示している。

 

*9 ギリシャ騒乱、想定外の影響も 日経電子版 6/29 有料記事

2015年6月26日 (金曜日)

482【番外編】ギリシャ問題と欧州統合の収支

2015/6/26

このブログも、今日で4周年、明日から5年目となる。書き始めてから、世の中に対する関心が広まった。以前の僕が狭い世界の住人だったことを思い知らされた。ギリシャのことも、以前ならそれほど関心を持たなかっただろう。遠い国だし、経済規模も小さいし、なにより、“神話の国”のイメージが強くて、現在の関わりが感じられない。

 

しかし、前々回の「480【番外編】ギリシャの言い分」では、よくニュースになる債権者たちの言い分ではなく、あまり話題にならないギリシャの主張を紹介した。要するに、ギリシャに肩入れしたのだ。

 

その後のギリシャと債権者たちの交渉は、ギリシャが再提案して、急に合意への期待が膨らんだが、昨日の段階ではまた失望へ向かっている。まあ、合意したとしても、この6月末の一時凌ぎに過ぎず、改めて債権者たちが救済プランを提供しないと、数ヶ月後には、またギリシャの資金繰りが危うくなる。

 

こんなギリシャに肩入れしてもキリがないよな、と思い始めた時、次の記事を読んだ。

 

英女王「欧州の亀裂は危険」 EU離脱論をけん制か』 日経電子版 6/25 無料記事

 

英国のエリザベス女王は24日、訪問先のドイツで「欧州の亀裂は危険だ」と発言した。・・・英国でくすぶる欧州連合(EU)からの離脱論をけん制したと受け止められている。

 

僕は、この記事の見出しを見て、ギリシャの話題と直感したが、読んでみると、英国のこととされている。英国では来年か再来年に、EUから脱退するかどうかの国民投票が予定されている。これに関して女王陛下が、キャメロン首相と相談の上でこの発言をしたと、ドイツ・メディアが解釈したことが紹介されている。

 

そうだろうか。女王陛下は、やはりギリシャを念頭にご発言されたのではないか? もちろん、英国のことも考えながらだろうが。

 

 

最近、英国が小国に見えて仕方がない。それは、僕には、英国が自国の利害が絡むことにしか、積極的な発言・行動をしないイメージができつつあるからだ。一方、このところのロシア対応など、ドイツの方が自国の利害を超えて、ヨーロッパを代表するような発言・行動しているように思う。しかし、女王陛下は違うだろう。この方は偉大だ。

 

EUは、第一次世界大戦、第二次世界大戦の反省に立って、ヨーロッパで2度と戦争を起こさないために設立された機関だ。その前身である欧州石炭鉄鋼共同体について、Wikipedia(“欧州石炭鉄鋼共同体”)には次のような記載がある。

 

195059日にフランス外相ロベール・シューマンが提唱したもので、「フランスとドイツの間での戦争を二度と繰り返さない」という考え方に基づいている。その後1951年にパリ条約が調印されたことを受けて設立されることになるが、条約の調印にはフランスとドイツ(当時は西ドイツ)だけでなく、イタリアとさらにオランダ、ベルギー、ルクセンブルクのベネルクス3か国も加わった。

 

「ヨーロッパで戦争を起こさない」というと、今ではロシア相手のイメージがあるが、2度の世界大戦の経験は、ドイツ対策の必要性を示している。そして、実際にドイツ対策が行われている。

 

例えば、1990年の東西ドイツ統一は、西ドイツが“マルクを放棄する(=ユーロに参加する)”ことと引き換えだったことはよく知られていると思う。この統一は、決して、両手放しで歓迎されたわけではない。英仏など周囲の国が、ドイツが強大になりすぎると心配し、当時、円と並んで最強通貨だったマルクを西ドイツに捨てるよう迫った、とされる。

 

しかし、今や、ヨーロッパで、ドイツにこのようなプレッシャーをかけられる国はなくなってしまったように見える。ただ、英国の女王には権威がある。いくら最近の英国の政治家が小粒になっても、1926年生まれで、第二次世界大戦も体験された女王陛下は、即位した1952年からずっと変わらず経験を積まれてきたのだから。

 

ドイツ・メディアは、その女王陛下の権威を恐れたのではないか。敢えて、ちょっと的の外れた解釈をして見せたのではないか。まさか、エリザベス女王に「ギリシャに譲歩せよ」と言われるとは予想してなかったので、かなりびっくりしたのではないか。

 

まあ、これは全くの想像で、なんの根拠もない。

 

 

さて、肩入れついでに、ギリシャの窮状を知らせる報道を、追加で紹介させていただく。

 

[FT]ギリシャ、福祉崩壊危機で慈善団体が頼り

日経電子版 6/25 Financial Times翻訳、無料記事

 

また、6/24時点におけるギリシャと債権者たちの意見の相違は、次の内容らしい(「ギリシャと債権団、改革めぐる5つの対立点WSJ 6/25 無料記事)。

 

  1. 消費税)約億ユーロ不足
        
  2. 法人税)上記4億ユーロをカバーするためにギリシャが増税を主張。債権者たちは拒否。
        
  3. 年金改革)
    1.  
    2. 財源に関する対立(債権者たちは年金削減、ギリシャは雇用主の負担増と早期退職制度の縮小を主張)
    3.  
    4. 年金改革実施時期の対立(債権者たちは7/1、ギリシャは10月末からを主張)
    5.  
    6. 2012年以降の年金カット分が無効になる判決を相殺する立法の要求 約12億ユーロ
            
  4. 低所得年金受給者向け追加手当の廃止時期の対立 (債権者たちは2017年までに、ギリシャは20182020年にかけての廃止を主張)
        
  5. 軍事支出の削減 約億ユーロ

 

金額の入っていない項目もあるので、対立点の規模の把握が難しい。ただ、債務額ベースで100億ユーロ(1兆4千億円ぐらい)を大きく超える感じはしてこない。

 

債権者たちは債務削減できないのだろうか。そして、それは“欧州の亀裂”を避けるコストに見合わないのだろうか。恐らく、第二次大戦の悲劇と欧州統合に費やした先人たちの辛苦をご覧になってきたエリザベス女王には、その収支が見えていると思う。

 

2015年6月24日 (水曜日)

481【投資】パッキャオ越え! 165億円の役員報酬って?

 

2015/6/24

日経電子版の下記の記事は、衝撃だった。

 

ソフトバンク、アローラ氏に報酬165億円 孫氏後継候補 6/20 無料記事

 

ソフトバンクは、なんと、6/19に代表取締役副社長に就任したニケシュ・アローラ氏に165億円もの報酬を支払ったという。最初は、桁数間違いの誤報ではないかと思った。しかし、有報に書いてあるというので、有報をEDINETからダウンロードして確認してみた。

 

すると、PDF版のP202、注記事項の「43.関連当事者」の「(2)主要な経営幹部に対する報酬」の注2に、以下のように書いてある。

 

2015年3月31日に終了した1年間には、ニケシュ・アローラへの報酬、16,556百万円(短期報酬14,561百万円、株式報酬1,995百万円)が含まれています。

 

ん〜、間違いない。これは財務諸表の注記なのだから、監査人もチェックしている。確かに165億円支払っている。しかし、取締役報酬には定款か、株主総会決議による上限があったはず。それがこんなにでかいはずはない。ちがう、アローラ氏はつい、6/19に取締役になったのだから、2015/3/31より前は役員ではない。この上限規制の対象外ということだ(会社法の規制はおかしい!)。

 

アローラ氏の経歴を見ると、昨年9月から、ソフトバンクの“バイスチェアマン”なる役職に就き、その他、SB Group USSprintの役員にも就任している。これら一連の過程で、この多額の報酬を支払ったのだろうか。わからない。契約金のような一時的なものか。これがグローバル・スタンダードなのか? もっと詳しい説明が欲しい。しかし、有報にはこれ以上の情報はない。

 

株主総会では何か説明があったのだろうか。確かネット中継していたはずで、ホームページに動画が掲載されている*1

 

ん〜、確かにアローラ氏がクローズアップされていて、既に、インドやASEAN諸国におけるM&Aで活躍したと紹介されている。さらに、株主からの質問に応じる形で、Yahoo Japanが検索機能をGoogleに乗り換えた時にアローラ氏がGoogle側の担当者として孫正義氏と交渉をしたこと、その過程で孫氏がアローラ氏に惚れ込んだことなどが紹介された。アローラ氏は、Googleで、数十億(百億に近い方)の報酬を得ていたそうだ。

 

報酬としての165億円とは、どういう意味があるのだろうか。確か、ボクシングのパッキャオ選手がこれくらいもらっていたように思うが*2、プロモーターにすれば、世紀の対決にはこれを支払うに足る十分なキャッシュ・インがあったから当然、ということだろう。では、ソフトバンクも、既にそれぐらい現金収入があったのか? いや、これからだろう。期待値だ。適切に、割り引いたのか?

 

報道では、“一時金”という表現もある*3が、今後はいくら支払われるのだろうか。毎年100億円クラスの報酬になるのか、それとも、今後はもっと日本の常識的なレベルに落ち着くのだろうか。

 

ソフトバンクのホームページで公表されている“コーポレート・ガバナンスに関する報告書”によれば、この6/19時点では、取締役報酬は、取締役全員の総額の上限が8億円とされている*4。しかし、これはソフトバンク単体についてのみの限度額であり、子会社から支払われるものは含まれない(会社法の規制はおかしい! この報告書の開示も同様!!)。結局分からない。

 

やはり、僕のような凡人は、孫正義氏の思考についていけない。それをもらうアローラ氏の感覚にもついていけない。リーマン・ショックの時に批判された欧米投資銀行の経営者のギラギラした顔が頭に浮かぶ。せめて、もっと明確な説明があればよかったのだが・・・。残念だが、ソフトバンク株を長期保有銘柄のリストから外そうか・・・

 

 

だが、総会の動画を最後まで視聴して、考えを改めた。アローラ氏は、孫氏に促されて新任取締役の挨拶を行ったが、その最後を次の言葉で締めた(1時間35分過ぎから)。僕はこういうのに弱い。

 

(孫氏についていくことは大変なことと述べた上で)・・・私が会社に提供させていただくことができることは、父から学んだ価値観であります。それは即ち、常に正しいことをすること。私自身会社のために、そして会社の株主のみなさまのために、正しいことを成し遂げたいと考えております。

 

シンプルで力強い価値観。是非、大事にしてください。その言葉を信じて、これからも、応援させていただきます。

 

 

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*1 ソフトバンクのホームページの以下のページで、総会の動画を誰でも視聴できる。

 

35回定時株主総会 

 

*2 もう少し少ないようだ。しかし、対戦相手のメイウェザー選手は、もっともらったようだ。

 

守備の達人メイウェザー、強打パッキャオを封じる 日経電子版 5/3 無料記事

 

この記事では次のように報じられている。「AP通信によると両者の報酬はメイウェザーが216億円、パッキャオも144億円に届く可能性があるという。

 

 

*3 例えば以下の記事。

 

孫正義氏「後継者」、報酬165億…一時金含め YOMIURI ONLINE 6/19

「後継候補」アローラ氏に報酬165億円 ソフトバンク 朝日新聞DIGITAL 6/19

再送-ソフトバンク、副社長就任のアローラ氏に報酬165億円 REUTERS 6/20

 

冒頭に紹介した日経電子版の記事でも“入社に伴う契約金”とあり、一時的な性格であることが表現されている。

 

*4 ソフトバンクのIR情報の下記ページに、2015/6/19時点の“コーポレート・ガバナンスに関する報告書”が、公表されている。

 

コーポレート・ガバナンス

 

取締役及び監査役の報酬限度額については、次のように記載されている。

 

・・・報酬限度額は、株主総会決議(1990年6月28日決議)によって、取締役は年額800百万円以内(総額)、監査役は年額80百万円以内(総額)と定めています。

 

 

 

2015年6月21日 (日曜日)

480【番外編】ギリシャの言い分

2015/6/22 冒頭の今月末のIMFへの返済額を訂正しました(2016)。

 

2015/6/21

昨年12月のギリシャ大統領選から半年も欧州を中心に世間を騒がせているギリシャ問題。今まで、決着の期待を次々と打ち砕いてきた。しかし、いよいよ、正念場が近づいたのかもしれない。いや、今度こそ「ギリシャが修羅場を選択する」と言った方が良いか。ギリシャは、先月は国内資金をかき集めるウルトラCでなんとかしたが、いよいよ、今月末のIMFへの返済(16億ユーロ)は、ダメらしい。

 

この問題について、恐らくみなさんは、次のようなイメージをお持ちではないか。僕もそうだ。こういう情報が多いので、多くの説明はいらないだろう。箇条書きにする。

 

・ギリシャがデフォルトすれば、債権者たちの要求(=緊縮財政)以上にギリシャ国民が苦しむ。

・ギリシャは資金繰りが行き詰まるので、いずれ債権者たちの要求を飲まざる得ない。

・ギリシャは怠け者の浪費家である一方、債権者たちの要求には正当な権利がある。

・ギリシャがユーロ圏から脱落しても、ユーロ圏に与える影響は軽微である。

・ギリシャがデフォルトすればユーロから離脱せざる得ない。すると自前の通貨を発行することになるが、デフォルトした国の通貨価値は急落するので、輸入品の価格が暴騰し、超インフレが発生し、国民生活が窮乏する。

 

要するに、立場が強く、正しいのは債権者たちであり、逆に立場が弱く、間違っているのはギリシャ。ギリシャのデフォルトは、ギリシャ国民にとっては悲劇だが、自業自得である。しかも、その他のユーロ諸国にはすでにその備え(=ECBによる国債買付制度などによるユーロ安定化策)ができている、というのだ。だが、こうして並べてみると、これらが債権者たちの見方であることがわかる。

 

では、ギリシャはどのように考えているのだろうか。これは報道が限られていて、なかなか分かりにくいが、どうやら次のようなものらしい*1。こちらはちょっと詳しく書く。

 

2010年のギリシャ危機の際、ギリシャは本来独仏等の大手金融機関が負うべき損失を、債務として肩代わりさせられた。その分は支払いたくない。棒引きして欲しい。

 

本来は2010年時点で、ギリシャはデフォルトすべきだった。そして、その当時、多額の資金をギリシャへ貸し込んでいた独仏の金融機関が、貸し手責任に相当する損失計上すべきだった。しかし、当時の債権者たち(=EUECBIMF)は金融不安を恐れた(或いは、公的資金で金融機関を助けることへの国民の嫌悪感を恐れた)。その結果、民間金融機関の債務を、実質的にユーロ諸国、ECBIMFで肩代わりした。それがギリシャの現在の負担の一部になっている(ちなみに、当時のフランスの銀行の債権は200億ユーロ、ドイツの銀行は170億ユーロ。現在のレートで5兆円ぐらい)。

 

特に、IMFはこの時、それまでの融資基準を曲げて「ギリシャは返済可能」と判断したという。即ち、IMFは、2010年時点で「ギリシャは(従来のルールでは)債務返済能力なし」と判断すべきところを融資したらしい。これが本当なら、IMFへ資金拠出している世界中の国々への背任行為だ。

 

結局、債権者たちは、2010年にギリシャを助けたと言っているが、自分たちの利益を優先して、ギリシャに債務を負わせたにすぎない。契約上は、債務者たるギリシャに債務返済の義務があることは明らかだが、債権者たちも、実はこのような責任を負っている。その手は綺麗ではない。

 

2014年までの期間に、債権者たちの要求をなるべく受け入れてきたが、債権者たちの計画通りに債務が減らない、というより増えている(GDPが著しく縮小、税収も上がらない)。要求や計画に無理がある。

 

・このままでは、永久に債務返済に追われ、窮乏し続けることになる。

 

以上に加え、ギリシャは、今からでも一旦デフォルトして債務削減した方が、長い目で見て良い結果を得られるという見方もある。(例えば、ユーロ圏の外、第三者的立場の英国で。*2

 

一般庶民レベルでは、政府に対する不信感も大きい(=庶民の被害者意識が強い)。2010年時点の債務は、富裕層の脱税に起因するものも多く、当時のフランス財務大臣ラガルド氏(現IMF専務理事)が、ある銀行のスイス支店から入手した脱税が疑われる者のリストをギリシャ政府へ提供していたのに、ギリシャ政府がまともな調査をしなかった。政府(前政権や官僚機構)と富裕層の癒着が疑われている。

 

また、当時IMFからギリシャの財務省へ配置されていた人物が、この調査を妨害したという話もあるらしい。IMFとギリシャ富裕層との癒着が疑われる話だ。このラガルド・リストに記された隠し預金の総額は20ユーロとのことだが、これは“ある銀行のスイス支店”のリストにすぎず、これがすべてではなさそうだ。

 

これで、債権者たちの見方と、ギリシャ側の見方の両面が見えたように思う(上記は、一部に過ぎない。実際にはもっと様々な状況がある)。しかし、だからといって、なんの解決にもならない。ますます、両者の妥協や合意が難しいことが分かっただけだ。ということは、このままでは、今月中か、遅くても、来月には、ギリシャは資金繰りが破綻し、デフォルトするだろう。これが引き金になって、ギリシャのユーロ圏離脱、EU脱退ということになるかもしれない。

 

 

さて、みなさんは、ここまで読まれてどのように感じられただろうか。

 

僕は、債権者たちが譲歩すべきと思うようになった。ギリシャは、さらなる年金減額と、さらなる最低賃金の引き下げ(両方とも、既に前政権時代に引き下げている)、増税を拒否し、(前政権で解雇した清掃員などの低賃金の)公務員を再雇用しているが、他の面では債権者たちの要求を受け入れているようだ。これで足りない分は、債務減免したらどうだろう。

 

このまま、国同士のエゴを戦わせても、ヨーロッパは幸せになれないような気がする。このままでは、ユーロどころか、EU自体も失敗へ向かいそうな気がする。もし、EUがなくなれば、ロシアやドイツと他の国々の関係が、ますます不安定になる。ヨーロッパは、また火薬庫へ戻ってしまう。もちろん、その影響は日本へも及ぶ。

 

IMFについては、日本も多額の資金を拠出している立場であり、ギリシャ支援の詳細を問いただした方が良いかもしれない。特に、支援先の国の富裕層との癒着があれば、看過できない。

 

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*1 これらの内容は、主に、次の番組の情報によっている。

 

トロイカ”の功罪 ヨーロッパ緊縮財政は誰のため? NHK BS1 5/21 0:00放送

BS世界のドキュメンタリー)

 

上記には“ギリシャの意見”として記載したが、このドキュメンタリー作品はドイツで製作されたもの。上記以外にも、様々な観点から、債権者たちの矛盾(番組の中では、一部、犯罪行為とさえ呼んでいる)を紹介している。残念ながら、NHKオンデマンドの対象ではないらしいので、ご覧になりたい方は、次の再放送を期待するしかないようだ。

 

上記に挙げたものは、それぞれ個別に、断片的なニュースとして読んだ記憶があるが、まったく理解不足だった。この番組で、ようやく意味がわかった気がする。

 

*2 これは、次の記事に書いてある。

 

[FT]債権者を恐れる必要がないギリシャ  日経電子版 Financial Times 翻訳記事(無料) 6/15

 

但し、この記事の趣旨は、ギリシャにデフォルトを薦めているわけではなく、むしろ、ギリシャがデフォルトすれば困るのはドイツなどユーロ圏なので、メルケル首相が譲歩すべきと主張しているように思う。

 

 

2015年6月19日 (金曜日)

479【番外編】シンガポール戦の最後の15分

 

 

2015/6/19

僕は、サッカー日本代表のシンガポール戦を3回見た(録画を見直した)。それ以外に、追加タイムを含む最後の20分間を何度も繰り返し見た。その結果気付いたのは、シンガポールの守備の良さだ。粘り強い体を張った球際に強い守備。恐らく、こんな素晴らしい守備をもう一度やれと言われても、シンガポールはもうできないのではないか。

 

このシンガポール戦を見て、同じE組のシリア、アフガニスタン、カンボジアは、みな真似てくるだろう。日本から勝ち点を取るならこの方法しかないと。これはピンチだ。日本は勝ち点を重ねられないし、得失点差もつけられない。

 

いや、そんなことはない。こんな素晴らしい守備を他のチームが真似てできるものではない。僕は楽観している。もう、こんなことは起こらない。W杯2次予選はまだ始まったばかり。これから十分に挽回可能だ。

 

しかし、なあ・・・。

 

良い感じなのに結果が出ない時がある。お客さんと目が合って、良い表情で集中して聞いてもらえ、こちらが言いたいことを伝えられた感触のあるプレゼン。でも、受注できない。そんなことが続くことがある。

 

「良いプレゼンでしたよ。でも、2番目でした。」

 

聞いてみると、そんな反応が返ってくる。これが1度だけなら「そうか、運だな」と諦めがつく。でも、これが続くとすれば実力だ。要するに、改善すべき原因がある。

 

ああ、ハリルJapan。どうしてしまったのか。アジア・カップのUAE戦(この時はアギーレJapan)に続いて、シンガポール戦でも点が取れないとは。直近の親善試合では、サッカーのスコアじゃないような派手なゴール・ショーを楽しませてくれていたのに。一部で語られているように、日本は親善試合でしか実力を出せないのか。やはり、何か改善が必要なのか。

 

楽観したいのに、ついつい、悲観へ走ってしまう。そう、一つだけ、どうしても気になることがあるのだ。それは、最後の15分間に、1本もシュートがなかったことだ。

 

みなさんも気付かれたと思うが、残り15分で日本代表には枠内シュートが1本もない。後半29分に本田圭祐選手が放ったゴロのシュートをキーパーが押さえたのが、枠内シュートの最後。枠外シュートも、その直後の後半30分が最後だ(これも本田選手。枠の左へそれた)。それ以降、枠内も枠外も、シュートがない。それまでの30分は、10本以上、即ち、3分に1本以上シュートしてたのに、これはどういうことだろう。

 

これは、単にシンガポールの守備の良さだけでは説明がつかないような気がする。我がサムライたちに、何か原因があるのではないだろうか。

 

最後の15分間は、最も実力差がでるはず。確かに、シンガポールを圧倒していたが、しかし、肝心のシュートが打てなかった。ついに、僕にはその原因は分からなかったが、ハリルホジッチ監督には、きっと分かるに違いない。なんとか、分析と対応をお願いしたい。

 

それにしても、本田選手の頑張りには頭がさがる。繰り返し見れば見るほど、彼のやる気が伝わってくる。これからも応援したい。

2015年6月16日 (火曜日)

478【収益認識'14-10】基準発効日(=適用開始日)の延期

2015/6/16

東芝の不適切会計のスマートメーターの事例については、すでにダイヤモンドが報じており、このブログでも紹介した*1。この日曜に、その要約版のような記事が、改めて日経電子版でも報じられた*2。そこには次のような記述がある。

 

東日本大震災以降、国内外で原子力発電所の新設計画が進まない焦りから、新分野開拓を急いだことが結果的に裏目に出た。

 

日経の書き方は、東芝に優しい。「結果的に裏目に出た」とあるが、顧客にとっては“最悪の結果”であり、企業としては絶対にやってはいけないことだ。それに、僕には“結果的に”とは思えない。安値受注をしたうえに、適切な予算を割り当てていなかったからだ。むしろ、“当然の結果”ではないか。

 

多くの方は、すでに僕の言いたいことを理解されていると思う。しかし、くどくなるが、詳しく記載させていただきたい。そして、これは今回の本題ではないので、「早く本題を」と思われる方は、読み飛ばして、ずっと下へ目を移していただきたい。

 

(東芝は自分の都合しか考えていない)

 

東日本大震災が、東芝の原子力関連事業の経営環境を激変させたことは理解できる。フランスのアレバ社も大ピンチを迎えている*3。しかし、それを顧客に負担させる理屈はない。いくら、顧客が東電だとしても、それとこれは別だ。

 

出遅れた新規事業を、プロジェクトを受注することで育てるのはありえると思うが、それは顧客に迷惑をかけない範囲でしか正当化されない。迷惑をかけるかどうかの見極めは、見積金額を決めたり、値引きを受け入れるかどうかの判断より重要な優先事項のはずだ。まあ、重要というより、その分野で事業をするための基本的な前提、事業者が備えるべき当然の姿勢だ。

 

しかし、東芝にはそれがなかった。顧客など眼中になかったのだ。

 

(赤字受注すれば良い)

 

本来、新規事業は試験研究や開発費をかけて、技術力やノウハウを身につけてから顧客に提供するものと思う。それを冒険して先に受注するなら、顧客にすればリスクを負う分を値引き要求するのが当然だ。それが今回の安値受注ということかも知れない。しかし、だからといって失敗して良いプロジェクトはない。

 

しかし、プロジェクト進行中に起こる多くの失敗は必要だ。それをいかに早く察知し、対応したか、その積み重ねが技術とノウハウの強化・蓄積になる。次のプロジェクトに活かすことができる。したがって、冒険プロジェクトは、オーバー・スペックな体制で、即ち、赤字も覚悟で臨むことになる。

 

冒険かどうかという判断がされていれば、最初から赤字で臨むこともあるだろうし、プロジェクトが始まってから赤字になることも、通常のプロジェクトより容易にしておくべきだ。そのリスクを負っても、試験研究や開発だけを続けるより、冒険した方が良いと判断したのだから、このプロジェクトを損益だけで評価するのはおかしい。そんなことでは、技術やノウハウの組織的な蓄積もできないに違いない。

 

(経営判断の問題)

 

顧客に迷惑をかけるか否かの判断。冒険的なプロジェクトかどうかの判断。それらの不利な条件を上回る技術やノウハウを獲得できるかどうかの判断。さらに、財務業績に与える影響の判断。偉そうに書いたが、並べてみれば、当然のこと。しかし、このような問題が多発していたところを見ると、この当たり前の判断を東芝の経営者がしていたかどうか、疑問だ。

 

例えば、「取締役会は財務業績ばかりを見る」とか、「取締役会資料に赤字プロジェクトは載せられない」とか、事業部レベルにそういう意識があるとすれば、取締役会の責任だ。

 

(東芝の財務体質)

 

以前も記載したように*1、東芝は驚くほど利益の蓄積がない(=利益剰余金が少ない)。大変僭越ながら、僕の経験を言わせていただくと、そういう会社にはそういう社風がある。このような財務体質と組織風土には、かなり強い相関関係がある。

 

数字になるものばかり気にして、無形のものの価値に目を向けない会社は、実は、数字を出せない。その最たるものは、顧客を大切にする姿勢だ。

 

東芝は“超”がつく名門企業だ。しかし、どうやら、それは過去のことのように思える。無形の財産である先人の教えを忘れ、分かりやすい数字ばかりを追いかける、並みの会社になってしまったように見える。

 

 

(ここから本題)

 

以上は、今回の本題ではない。本題は、IFRS15の発効日が、2017年から1年延期されそうということだ(早期適用可能)。これに関して、IASBFASBがそれぞれ、公開草案を公表し、コメントを募集している*4

 

IASBFASBは、長い検討の末、苦労してこの基準を確定させたわけだが、確定させた後も、顧客たる市中の反応を気にしているようだ。まだ多少の改善をするらしい。その結果、基準の発効を遅らせるというのだ。まあ、冒険プロジェクトに追加予算を与えるようなものか。

 

もちろん、IFRSUS-GAAPを採用する企業の多くは、「一旦確定させた基準を簡単に変更されては迷惑」と考えるに違いない。果たして、それを上回るメリットが、予定されている基準の改善にあるのかどうか。

 

改善の内容はまだ分からないが、そこにIASBFASBの“顧客に対する思い”が現れるに違いない。

 

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*1 475.【収益認識'14-09】履行義務は顧客目線で 6/5)の欄外の*5をご覧いただきたい。

 

*2 東芝の不適切会計、新分野開拓で焦り 損失覚悟で受注」(6/14)日経電子版 有料記事

 

*3 アレバ社の不振の状況については、以下のような記事がある。

 

仏アレバ、原子炉事業売却へ:日経ビジネスオンライン(The Economistの翻訳記事) 5/28

揺らぎ始めた「原発大国フランス」:新潮社Forsight1/5

 

原子力大国フランスを支えていたアレバ社も、ついに原子炉事業を売却するところまで追い込まれている。直接の原因は、フィンランドで建設中の最新鋭の欧州加圧水炉型原子炉(EPR)のプロジェクトが大幅に遅延・予算超過していることなどにあるが、背景に縮原発のオランド政権の誕生がある。2007年以降、新規の原発受注がなく、福島第一の事故も、市場の縮小という形で影響していると思われる。

 

*4 IASBが収益認識基準の発効日を延期する提案を公表 JICPA5/25

2015年6月15日 (月曜日)

477.【投資】黒田発言で衝動買い

2015/6/15

先週木曜は、ハリルJapanがアジアの強豪イラクに40で快勝した。僕は、2年ぶりに代表の試合をスタジアムで観戦した。抜け目のない柴崎岳選手のパスに、昨シーズンのセリエAの開幕当時を思い起こさせる本田圭祐選手の猛ダッシュ、そして鮮やかなゴール。ここからあっという間に3点取った素晴らしい試合。十分楽しませてもらった。

 

と、書きたいが、実はそうではない。ただ、それをうまく言葉にできない。ちょっとフラストレーションを溜めて、家に帰った。誰か僕の思いを代弁してくれる人はいないかと思って、サッカー番組を色々見たが、どうも、褒めるばかりで、ますます、フラストレーションが溜まった。そこへ、ようやく、次の記事。これだ。これこそ、僕が感じたフラストレーションだ。

 

竜頭蛇尾のサッカー日本 終盤もペースアップ必要  日経電子版 6/13 無料記事(大住良之氏)

 

前半20分までは素晴らしい試合。でも、それで終わり(実際には後半39分に原口元気選手がもう1点決めた)。もし、この素晴らしい20分で1点しか取れなかったらどうなっていたか。みなさんもご記憶と思うが、W杯ブラジル大会初戦のコートジボワール戦では、前半16分に長友佑都選手のスローインを受けた本田選手が、見事なゴールを決めた。しかし、それだけだった。後半、ドログバ選手が入ってくると2点取られて逆転負けした。これがW杯グループリーグ敗退の流れを作ってしまった。この記事が主張する通り、代表チームには90分のマネジメントが必要だ。

 

念のために一つ、付け加えておきたい。僕は、後半「こっちのゴールも決めてくれ〜」と叫んでいた。そう、前半のハリルJapanの躍動は、すべて反対側の、遠くのゴールでの出来事で、正直に言うとよく見えなかった。僕は、ゴール裏ではないが、ゴールの真横あたりの席に座っていた。こちらのゴールでは、前半、イラクに攻められることさえほとんどなく、暇だった。向こうのゴール際の席が羨ましかった。しかし、これが、このフラストレーションの理由ではない。本当に、90分間のゲーム・マネジメントの必要性を感じていたのだ。この点は誤解なきよう、お願いしたい。

 

 

ところで、投資にはもっと長期間の広い視野が必要になる。興味を持った会社の株(や投資信託)を購入するには、会社のことだけでなく、その経営環境にも目をむけなくてはならない。その上で、購入のタイミングを短くても数ヶ月、長ければ数年待つ覚悟で臨む。

 

まあ、臨むけど、実際には過去の株価の動きを眺めて、「この値段より下がることはあるまい」というレベルを予想して、発注する。証券会社によって、発注の最長有効期間が異なるが、僕はそれぞれの最長期間で発注する。そして、待つ。それで購入できる場合もあるし、購入できないまま期限切れで発注が消えてしまう場合もある。要するに、“駄目元”で、オーダーを出す。

 

ところが、先週は違うことをした。10日水曜日の午後2時前ぐらいだろうか、たまたま目に入った日経平均のチャート*1が凄い勢いで下落していた。そして、外国為替相場も円高が物凄い勢いで進んでいた。当然ながら、その原因は僕には全くわからない。

 

やばい、と思ってアジアの主要市場のチャートを見たが、こちらは異常なし。中国が震源だと恐怖だったが、どうやら、国内事情のようだ。しかし、特にこんな急落を引き起こすような異常を想像できなかった。13月のGDPは上方に改定されたばかりだし。ただ、要人発言ならありえる。これなら相場が動く可能性はある。しかし、これだけ相場を動かせるのは、極めて少数しかいないし、相当インパクトのある内容でなければならない。日経電子版を見ると、どうやら黒田東彦日銀総裁が、何か言ったらしい*2

 

それでも、釈然としなかった。ニュース記事では、発言内容が良く分からなかったし、黒田総裁が相場に大きな影響を与えるような発言、失言をするようには思えない。

 

その瞬間、僕の頭に閃いたのは「この相場は間違いだ。きっと戻る」だった。そして衝動的に、N225に連動幅が2倍で連動するETFに買い注文を入れた。恐らく、今日は下げ続けるだろうから、市場が閉まる瞬間にオーダーが成立するやり方で。この注文は約定した。

 

市場が閉まると今度は後悔が襲ってきた。なぜ、こんな衝動買いしてしまったのか。明日も、明後日も下げ続けたらどうするのか、と。いつものやり方と違うじゃないか、と。

 

夜、たまらずに、黒田氏の答弁を正確に知ろうと、国会ネット中継*3のビデオを確認した。確かに、報道にあるような「ここからさらに実質実効為替レートが円安に振れることはありそうにない」という内容の発言をしている。但し、その前後で「実質実効為替レートは(IMFが作ったが)迂遠な指標(=直接役に立たないもの)」とか、「(実質実効為替レートが円安に振れないというのは)ドル円レートの予測をするものではない」などと言っており、相場がこんなに激しく動くような発言とは思えない。

 

ところで、実質実効為替レートってなんだ? これは初耳ではないか。

 

“実質”は、物価調整したという意味だ。実効レート(指数)というのは、2国通貨間のレートではなく、貿易量で加重平均した円の総合的な価値の水準を示す。すると、物価調整後の円の総合的な価値という意味か。

 

ネットで検索してみると、日銀のHPに説明が記載されていた*4。どうやら、上記の理解で良いらしい。だが、そもそも、為替レートは、2国間の物価変動が調整済みではないか(=物価上昇率の相対的に高い国通貨の為替レートは下落する)。これを加重平均するのだから、改めて物価調整する必要があるのか。イメージがわかない。具体的に、名目値と実質値のグラフで、過去の推移の差を見てみたい。

 

見た。日銀のHPで作成することができるのだ*5。確かに、前原氏が指摘するように、“実質”実効為替レート指数は1986年のプラザ合意前どころか、1970年代の1ドルが300円を超えてたころと同じ水準まで下がっている。

 

しかし、実質値がおかしいのは、日本のインフレ時代(1990年代途中まで)は、名目値によりそっていたのに、デフレ時代になると低下することだ。デフレで価値が下がる“実質値”って、なんなんだ? 普通は逆だろう。これは、黒田氏の言う通り“迂遠”だ。

 

やはり、この相場は間違いだ。これは戻る。改めて、そう自分に言い聞かせて寝た。しかし、目が覚めてしまう。もしかしたら、報道は間違っていて、もっと他の原因があるのではないか。それを見落としてないか。だとすれば、戻らない可能性も十分考えられる。

 

朝4時頃だろうか。Yahoo Financeに詳しいドル円のチャートがあることを思い出し、先ほどの国会ネット中継の発言の時間と、円相場が動き始めたタイミングが合っているか確認できると気付いた。もし、黒田発言より先に相場が動いていれば、他の理由があることになる。黒田発言より、遅れて動き出した場合もその可能性が残る。

 

国会ネット中継によると昼休みが終わり1時頃に午後の委員会が再開している。そして、その直後に前原氏が質問を始めた。そこから13〜4分で、例の黒田発言がある。これと円相場の動きは一致しているだろうか。

 

Yahoo Financeのチャートは、過去数時間については分単位で円相場の動きを見られるが、残念ながら、前日の午後1時過ぎのチャートは15分単位の動きしか見られなかった。それでも、おおよそ、この発言と同じタイミングで相場が動き出していることは分かった。やはり、きっかけはこの発言だ。気持ちを沈めて、もう一度ベットに戻った。

 

黒田発言の翌日、11日の日経平均は300円以上急騰した。僕はすっかり不安が消え、逆に欲が出た。この日は売らなかった。まだ、戻しが足りないと思ったのだ。そして、冒頭のハリルJapanのイラク戦を見に、日産スタジアムへ出かけた。

 

さらに翌日12日の金曜日も売らなかった。この日も日経平均は若干上げたが、もっと戻ると信じていた。ハリルJapanに感じてる言葉にできないモヤモヤをスカッと晴らしたかったのかもしれない。とにかく、強気だった。

 

しかし、その夜、米国市場は大きく下げて、この週の取引を終えた。ギリシャ問題が暗礁に乗り上げている。しかも、若干だが円高に振れている。やはり、売っておくべきだったか。月曜の日本の株式市場は下げて始まるに違いない。

 

さて、今週のマーケットはどうなるだろう。ギリシャ問題と米国FOMC(=連邦公開市場委員会)次第か。いずれにしても、僕の緊張状態は当分続きそうだ。きっと、月曜は、売るに売れないだろう。これも、衝動買いの付けだ。衝動買いなどすべきではないが、買ってしまったものはしょうがない。勝負を逃げるわけにはいかない。

 

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*1 WSJのトップページに主要マーケット指標のミニ・チャートが概ねリアルタイムで掲示されている。日経平均は20分ほど遅れているかもしれない。円相場はリアルタイム。上記には“たまたま”と書いたが、実際には1日に何度か見る。米国の株式市場は、夜10時半から始まり、早朝5時に終わる(サマー・タイム)ので、寝る前と朝にも、Dow30を確認する。この他、アジアや欧州の指標も見ることができる。

 

*2 黒田日銀総裁、実質為替レート「さらに円安に振れることはありそうにない」 日経電子版 6/10 無料記事

 

*3 正式には、“衆議院TVインターネット審議中継”。同様のものは参議院にもある。もし、ご興味のある方がいれば、下記のリンクをクリックすると、6/10の財務金融委員会のページが開く。前原氏の質問に対する黒田氏の実質実効為替レートについて「さらに円安に振れることはありそうにない」という回答は、3:30:20(3時間30分20秒)付近から始まる。

 

6/10の財務金融委員会

 

*4 「実効為替レート(名目・実質)」の解説 日銀HP

 

*5 日銀のHP時系列統計検索サイト)で、実効為替レートのグラフを作成してみた。このグラフは、円の価値が上がると上昇するらしい。名目も実質も、2010年を100としているが、スタートの1973年の位置を合わせたので、グラフは縦にずれている。左のメモリが名目値で、右のメモリが実質値。メモリの刻みは同じ10単位。

 

20150615_04732

 

・名目値のグラフは緑の実線。1970年代から右肩上がりで、20002007年はレンジ内で右肩下がり、リーマンショックで上昇後、2011年をピークに、2012年末から下落している(アベノミクス)。

・実質値のグラフは青の実線。上昇のピークは1994年で、現在は、1973年のレベルに下落している(なんと、1ドル300円時代!)。

・日本でデフレが始まった1998年(消費税率3%5%)のちょっと前から、実質値が名目値を下回っている。デフレは通貨価値を上げるので、デフレで価値が下がる“実質値”って、おかしい。

 

 

 

2015年6月 9日 (火曜日)

476.【番外編】マイナンバーのセキュリティ〜政府IT部門の統合で、堅い管理を

2015/6/10 *5 を追加した。

 

2015/6/9

昨日までに、関東以西は梅雨入りした。気象庁の長期予報*1によると、概ね、関東以西で6月は暑く、7月は平年並み、8月は涼しい可能性が高いようだ。(東北以北は、6月が暑いか平年並み、7月は東北は関東・中部以西と同じだが、北海道は暑いか涼しいかどちらか、8月は涼しい可能性が高い。) どうやら、今年の梅雨は蒸し暑い可能性が高そうだ。

 

しかし、日本年金機構にとっては、ず〜っと長く、妙にネバネバした汗が出る蒸し暑い期間が続くに違いない。例の年金情報流出問題は、簡単には鎮まらない。いやいや、簡単に鎮められたら、我々国民はたまらない。マイナンバー制度が心配なのだ。それに、年金機構だけの問題とは限らない。

 

 

ということで、マイナンバーについて、内閣官房のホームページ*2を読んでみた。すると、システム的には「分散管理する」「行政間のやりとりには別の符号を使う*3」「システムへのアクセス制限」「通信の暗号化」が記載されていた。

 

この中で気になったのは「分散管理する」だ。確かに、統合された情報が存在しないのは、安心だ。しかし、今回の年金機構の場合は、百万件以上もの大人数の氏名・生年月日・住所といった個人を特定できる情報と基礎年金番号という年金制度に関する情報がセットで流出した。これと同様なことが別の政府組織で起きれば、即ち、個人を特定できる情報(行政内でマイナンバーとは別に使用される“共通符号”*3を含む)と預金等金融資産残高情報、確定申告情報、医療情報などがセットで流出すれば、それぞれの情報を統合することができてしまう。大人数の情報が流出する場合は、同一人物の情報が流出情報に含まれる可能性が高まるので、分散管理の効果が薄くなる。

 

結局、個々の行政組織の情報管理レベルが低ければ、分散管理の効果は薄い。いや、情報管理のレベルだけの問題ではない。サイバー攻撃を防ぐのは難しくなっている。そして、大量のデータにアクセスできる人が、ユーザー部門にいる運用体制というのもまずい。マイナンバーや行政内の共通符号を用いたシステムを運用する体制については、もっと改善が必要なのではないか。これは、年金機構の問題だけでは済まされない。政府組織内の統一的な対応が必要だ。

 

かつて、一般企業でも、システム環境の統一が課題となった時期があった。事業部ごとにシステム部門があって、それぞれのオフコンでシステムを開発・運用し、時には異なったコンピューター・メーカーと付き合っていた。それが情報共有や効率性を阻害していた。しかし、情報システムは全社レベルの戦略を持つ必要があるし、セキュリティ面からも、事業部任せにはできなくなった。そこで現在では、多くの企業でシステム環境及びシステム部門が統合されていると思う。

 

行政組織も、縦割りでなく、横串となる統合されたシステム部門を持つべきではないか。

 

できれば、大量のマイナンバーやその他の個人符号に関連した個人情報を扱うシステムについて、そのシステム開発・運用部隊を、IT精鋭部隊として独立させて欲しい。物理的にインターネットから切り離し*5、厚生省・総務省・国税庁などの関連政府組織・ユーザー部門(もちろん、年金機構も)から独立させた組織・設備で、国の威信をかけて、統一的で堅いセキュリティーで保護・管理して欲しい。そして、ユーザー部門の情報管理を指導・統括して欲しい。分散管理が必要ならば、統合データベースを作成しなければ良い。

 

このようにすると、リアル・タイム性を失うなどユーザー部門(=諸官庁)にとって使い勝手が悪く、運用コストも上がるだろう。それでも、セキュリティを優先させて欲しい。国民に信用されないシステムよりは、結局、マシだ。官僚的な隠蔽体質、対応の鈍さ、甘い状況判断を徹底的に排除して欲しい。一方で、官僚的な厳格さ、真面目さで、国民の信頼を勝ち取って欲しい。そうすれば、もっと多くの機微情報についても、マイナンバー等で管理されることが認められるだろう。

 

 

関東では、ペヤングソースやきそばの販売を半年ぶりに再開したらしい*4。僕の大好物だ。3分よりちょっと早めの固めの麺で食べるのが、僕の好みだ。だが、僕はこれまで、これを製造・販売している“まるか食品”という会社のことは知らなかった。みなさんもご存知の通り、この会社は、Twitter による顧客クレームに対して、製品回収や原因追求・改善で、非常に堅い対応をした。おかげで、僕は、“まるか食品”という名前を覚え、この会社のファンになった。マイナンバーの運用も、是非、この“まるか食品の精神”で堅くやってもらえたら、と思う。

 

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*1 気象庁の「季節予報」 このページにある「予報期間」を選択すると、8月までの予想がわかる。

 

*2 内閣官房のホームページには、セキュリティについて、次のように記載されていた。

 

■個人情報の安心・安全を確保します。

  マイナンバーの導入を検討していた段階で、個人情報が外部に漏れるのではないか、他人のマイナンバーでなりすましが起こるのではないか、といった懸念の声もありました。   そこで、マイナンバーを安心・安全にご利用いただくために、制度面とシステム面の両方から個人情報を保護するための措置を講じています。

  制度面の保護措置としては、法律に規定があるものを除いて、マイナンバーを含む個人情報を収集したり、保管したりすることを禁止しています。また、特定個人情報保護委員会という第三者機関が、マイナンバーが適切に管理されているか監視・監督を行います。さらに法律に違反した場合の罰則も、従来より重くなっています。

  システム面の保護措置としては、個人情報を一元管理するのではなく、従来通り、年金の情報は年金事務所、税の情報は税務署といったように分散して管理します。また、行政機関間で情報のやりとりをするときも、マイナンバーを直接使わないようにしたり*3、システムにアクセスできる人を制限したり、通信する場合は暗号化を行います。

 

  このように個人情報の保護に関して、さまざまな措置を講じています。

 

*3 「行政間のやりとりには直接使わない」とは、「個人番号を直接用いず、符号を用いた情報連携を実施」と説明されている。恐らく、行政間では、別の共通コードを個人ごとに採番・付与するのだろう。これによって、仮に、一部の情報が漏洩しても、マイナンバーをキーとする他の情報との関連づけはできなくなる。(だが、この共通コードでの関連づけは可能だ。)

 

*4 ペヤングやきそば、半年ぶり店頭に 」 日経電子版 6/18 無料記事

 

*5 6/9放送のクローズアップ現代「年金情報流出の衝撃」でも、この問題を扱っていた。それによれば、日本年金機構や地方自治体(この番組の例では藤沢市)では、基幹系と情報系という2系統のシステムを持っており、年金情報や住民基本台帳を扱う基幹系システムは、インターネットと物理的に独立しているという。

 

では、なぜ、年金機構では、年金情報を含むデータが漏れたか。それは次のように説明されていた。

 

藤沢市は、住民基本台帳の情報を、インターネットにつながっている情報系のシステムには持ち込ませず(情報を取り出そうとしても、磁気媒体が使用不可となっている)、基幹系の中だけで処理するようにしているが、年金機構では、基幹系にある年金情報をインターネットにつながっている情報系のシステムへ移動させることができるという。しかも、移動先の情報系システムの共有フォルダのデータへパスワードを設定したり、使用後すみやかに削除する、といった内部ルールが守られていなかったという。このため、インターネットから来たウィルスにより、共有フォルダ内の情報が漏洩した。

 

番組に出ていた専門家は、年金機構のような情報系へ基幹系データを移動する使い方を「やむを得ない」としていたが、その考え方が、僕には甘いと思われた。一般企業と異なり、情報が漏洩しても、顧客が減って自分の腹が痛むようなことがない役所系の組織は、もっと厳しい運用ルールを統一的に適用する必要があると思う。

 

泥棒がいるとわかっているのに危機意識を持てない組織のリスクを、どのようにコントロールするか。この難題を解決するために、性根を据えて考えて欲しい。この専門家は“第三者による監査”も挙げて、「マイナンバーは大丈夫」と言っていたが、みなさんもご存知の通り、監査は試査によって行われるものだし、内部統制が整っていることが前提だ。今回も、危機意識の低さ(=統制環境の不備)が露呈したというのに、甘い、甘い。

 

 

2015年6月 5日 (金曜日)

475.【収益認識'14-09】履行義務は顧客目線で

 

2015/6/5

すでにみなさんもご存知の通り、FIFAのプラッター会長が辞任したことで、2018年のロシア、2022年のカタールの開催地としての適性が改めて問題になっているようだ。もっとも、ロシアはもう間近に迫っているので変更になる可能性は低く、カタールの地位が揺らいでいるらしい*1。僕もカタールは暑すぎて選手には酷だと思っていた。ロシアのプーチン大統領は、FIFA幹部が逮捕されたニュースに「ロシア大会を潰そうとするアメリカの陰謀」と述べて*2笑わせてくれたが、それも含めて良い結論が出ると良いと思う。

 

ただ、プラッター時代に進められたW杯開催地や地域参加枠の分散化が否定されるのは心配だ。せっかく、日米のように、サッカーがそれほどメジャーじゃなかった国でもサッカー人気が盛り上ってきたのは、サッカーがあまり盛んでない国でW杯を開催したり、サッカーのあまり強くない地域の国にもW杯参加の機会を与えたプラッター時代の良い面だ。汚職がなくなっても、また元のヨーロッパと南米という地域限定スポーツに戻っては面白くない。そういう意味では、次期FIFA会長には、アジアやアフリカの人がなってくれると良いと思う。でも、無理かな・・・

 

 

さて、我々のソフトウェア会社(=A社)は、顧客B社と第1期のソフトウェア開発の契約を締結し、IFRS15の最初のステップ“顧客との契約の識別”の手続きを踏んだ。次の第2ステップは“履行義務の識別”だ。ここでは、まず、“履行義務”についてIFRS15がどのように表現しているかを見てみよう。

 

IFRS15.22  顧客へ移転するものが履行義務。

 

契約開始時に、企業は、顧客との契約において約束した財又はサービスを評価し、顧客に次のいずれかを移転する約束のそれぞれを履行義務として識別しなければならない。

 

(a) 別個の財又はサービス(あるいは財又はサービスの束) 完成基準が適用されるような個別の財・サービスを一つ一つ履行義務として識別する。

 

(b) ほぼ同一で、顧客への移転のパターンが同じである一連の別個の財又はサービス(第23項参照*3 進行基準の適用されるような、個々の財・サービスが連なった“一連”の単位で履行義務を識別する*4

 

IFRS15.24   契約書に記載にのないものも履行義務となる可能性がある。

 

顧客との契約は、一般的に、企業が顧客に移転することを約束している財又はサービスを明示している。しかし、顧客との契約で識別される履行義務は、当該契約で明示されている財又はサービスに限定されない場合もある。これは、顧客との契約には、企業の取引慣行、公表した方針又は具体的な声明により含意されている約束も含まれる可能性があるからである(契約締結時において、そうした約束が、企業が財又はサービスを移転するという顧客の妥当な期待を創出する場合)。

 

IFRS15.25  間接業務は履行義務ではない。

 

履行義務には、企業が契約を履行するために行わなければならない活動は含まれない(当該活動が顧客に財又はサービスを移転する場合は除く)。例えば、サービス提供者が契約をセットアップするために種々の管理作業を行うことが必要な場合がある。それらの作業の履行は、作業の履行につれて顧客にサービスを移転するものではない。したがって、そうしたセットアップ活動は履行義務ではない。

 

ちなみに、IFRS15の付録Aにある用語の定義では、「顧客に次のいずれかを移転するという当該顧客との契約における約束」としたうえで、上記 IFRS15.22 の(a)・(b) が書いてある。 ここでは、いきなり“(顧客との)約束”という用語が出てくるが、恐らく、次の2つの点を表現したと思われる。

 

・契約書に記載のない事項でも、顧客が認識・期待していることは、履行義務になりえる(IFRS15.24)。

 

・顧客に見えるものが履行義務であり、直接見えない間接業務は履行義務ではない(IFRS15.25)。

 

これらを総合すると、履行義務は“顧客目線”で決まるのだ。顧客へ移転されると、顧客が認識している財・サービスの提供が、タスクとして履行義務に設定される。提供企業が自分勝手に決められるものではない。そんなことをしていたら、その提供企業は、顧客の期待を裏切り、評判を落として企業価値を損なってしまう(東芝のように*5)。この点、IFRS15は良くできている。何気なく、商売の本質を突いている。我々は、この意味を深く噛み締める必要があると思う。

 

 

さて、FIFAの次期会長は、早くても12月にならないと決まらないというが、次期会長は何を“履行義務”に据えるだろうか。汚職の撲滅は当然として、問題は、FIFAの顧客をどのように定義するかだ。それによって識別する履行義務が変わってくるように思う。すでにサッカーが大好きな人をメインに置くか、それとも、まだサッカーの楽しみを十分に知らない不幸な人に照準を当てるか、このバランスが問題だ。もし、後者の重要性が十分認識されれば、プラッター時代の良い面も引き継がれるかもしれない。

 

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*1 FIFA会長辞任、危ぶまれるロシアとカタール大会WSJ 6/3 無料記事

 

*2 【FIFA汚職事件】露プーチン大統領、米国の陰謀論持ち出し警戒 スポーツ報知 5/28

 

この記事にもあるように、欧米諸国はモスクワ・オリンピックを政治的な理由でボイコットした(日本も)。したがって、プーチン氏の心配は理由のあることであり、それ自体は笑いの原因ではない。それより、ウクライナやジョージアなどで政治的な理由で武力行使をするプーチン氏が、スポーツ交流の高邁な理想を語る姿が笑える(僕はTVで見た)。まるで、人を殺すことより、スポーツ大会を欠席することの方が罪が重いかのようだ。僕は、欧米や日本などロシアの軍事侵攻に反対する国々は、2018年に別の国でサッカー大会を開催するのも一案だと思う。もし、これがロシアに対する強力な交渉カードになりえるなら、痛快だ。

 

*3 IFRS15.22 と IFRS15.23 について

 

IFRS15.22 は IFRS15.23 を参照している。23項は22項の“顧客への移転のパターンが同じ”とはどういうことかを説明している。それを読んでみると、要するに「進行基準が適用されうる取引なら、それを構成する一連の取引は“同じ”」ということのようだ。即ち、22項を読む際に、完成基準が適用される契約については (a) を念頭に置き、進行基準が適用される契約については (b) を念頭に置くと、一応、理解しやすい。(但し、(b)でも、超短期で完了できる場合は、完成基準が適用されうると思う。)

 

下記の23項では、(a)で、「一定の期間にわたり履行義務を充足し収益を認識する」進行基準適用の要件を述べ、(b)で、「進捗度に従って収益認識されている」ことを要件に挙げている。

 

IFRS15.23  要するに「進行基準が適用されうるもの」と考えて良さそう。

 

一連の別個の財又はサービスは、次の要件の両方に該当する場合には、顧客への移転のパターンが同じである。

 

(a) 企業が顧客への移転を約束している一連の別個の財又はサービスのそれぞれが、第35項における一定の期間にわたり充足される履行義務の要件を満たす。

 

(b) 第39項から第40項に従って、一連の別個の財又はサービスのそれぞれを顧客に移転する履行義務の完全な充足に向けての企業の進捗度の測定に、同一の方法が使用される。

 

*4 なぜ、わざわざ履行義務を2種類に分けて記載しているかを考えてみた。

 

履行義務は、売上や売上原価を集計し会計処理を行う単位だ。その履行義務には、“個々”のものと、“一連”のものの2種類がある。これは、やはり、収益計上基準に完成基準と進行基準の2種類があることと関係がありそうだ。両者で履行義務が少々異なるからだ。

 

完成基準では、履行義務の充足という一時点で売上や売上原価を計上するが、進行基準を適用するのであれば、履行義務の進行状況で、売上等が計上されなければならない。そのため、進行基準では、“一連”の単位で履行義務を識別する必要がある。

 

例えば、ある建材屋さんが建物の建設まで請け負った場合を考えてみよう。通常の建材取引であれば建材の納入・検収で履行義務の充足し、売上計上となるので、個々の建材取引が履行義務となる。一方、建物建設まで請け負った場合は、建材を現場へ納入しただけでは履行義務の充足にならない。その建材を使用して建設工事が終了し、引渡した時点で履行義務の充足となる。建材の納入に加え建設サービスの提供までが“一連”であり、その一連の取引すべてで一つの履行義務と識別する。

 

このように、同じ“建材の納入・検収”でも、いずれの収益認識基準を使うかで、収益額が異なる(但し、建材取引と建設サービスの利益率が同じであれば、いずれであっても収益認識額が同じということはありえる。ただ、実際にはレア・ケースとは思う)。

 

これは、いずれの種類の履行義務にするかで収益額が異なるということなので、それをちゃんと区別する意味合いを込めて、「履行義務には2種類ある」と記載したものと思われた。

 

同時に、これは、履行義務の識別のステップにおいて、完了基準を適用するのか、進行基準を適用するのかの判断を要求していることに、ほぼ、等しい。

 

*5 東芝は、「社内の業績評価の都合を最優先して、履行義務を定めていた」と言えるかもしれない。顧客には「できます、できます」と言っておいて、実際にはそれを十分履行できるだけの予算を割り振らなかった。これに関して、次のような記事がある。

 

東芝不適切会計の過半を占める “非スマート”メーターの惨状 ダイヤモンド 6/2

 

東芝の被害を受けた顧客は、東京電力。東京電力(武蔵野支社)はスマートメーターの導入を公表していたのに、最近、検針員の募集を始めたという。スマートメーターなら、自動的に家庭の電気使用量を把握できるから、検針員はいらないはずだ。それなのに検針員の募集を始めた理由は、破格の安値だった東芝のスマートメーターの通信ボードが、不具合だらけで、全然スマートじゃないことにあるらしい。

 

この記事では、スマートじゃなかった理由について、単に「(東芝は)通信の経験に乏しい」と書いてあるだけだが、ちょっとそれは事実を単純化しすぎているように思う。というのは、家庭に取り付けたメーター使用量の計測値を通信回線経由で把握するなんてことは、たいして難しいことではないはずだからだ。素人目には、街中に設置されている監視カメラの映像をサーバーへ送るのと変わらないように思う。パソコンのウェブ・カメラだってそうだ。それを東芝ができないはずはない。

 

しかし、結果において明らかなのは、東芝が「やります、やります」と言って受注した契約、約束を果たせなかったことだ。社内評価にばかり目が向い、顧客である東電に大きな迷惑をかけた。東芝の問題は、財務面、原価管理面に留まらず、顧客に向き合う姿勢にまで及んでいるように思われる。これが、粉飾の一面だ。

 

2015年6月 3日 (水曜日)

474.【番外編】小笠原沖地震と富士山噴火(6/4追記)

 

2015/6/4 赤字部分を追加した。やはり富士山は・・・

 

2015/6/3

みなさんも、土曜(5/30)の夜の小笠原沖地震には驚かれたと思う。揺れたからではない(僕は揺れを感じなかった)。突然テレビ中継(NHK)が中断されたうえに、口永良部島の火山噴火や箱根の大涌谷の水蒸気噴出との関連が頭をよぎったからだ。もっとハッキリ書けば、富士山の噴火が頭に浮かんだ。

 

僕は、そのとき、FC東京と柏レイソルのテレビ中継を見ていたが、武藤嘉紀選手がペナルティ・エリアで倒され、さあ、PKを蹴ろうとしたその時に、画面が地震特番へ切り替わってしまった。小笠原でM8.5の(巨大)地震が発生し関東が揺れたことは、その前に流れたテロップで知っていたが、まさか、このタイミングで画面が切り替わるとは。武藤選手のPKが成功したかどうかを知りたかったのであと10秒見続けたかったが、まあ、事がことだけにやむを得ない。(なお、M8.5は、その後M8.1へ訂正された。*1

 

その後、サッカーの裏番組『超絶 凄ワザ「ねじVSろう接 後編」』の録画を見たが、こちらも、途中で地震特番へ切り替わっており、肝心の対決結果が切れていた。改めての放送は6/13(土)らしい*2。おかげで2週間もの間、お預けを食うことになった。この地震、相当意地が悪い。

 

今回の地震に対するこの印象の悪さが、逆に興味をそそった。なぜ、こんな深い震度で地震が起こったのか。そして、どうして関東地方は神奈川県と埼玉県で揺れが大きかったのだろうか。それをネットで調べたが、小難しい(ので下の欄外へ記載した)。そこで、僕は、簡単に満員電車に置き換えて考えることにした。ただ、これは非常にくだらない内容なので、多くの方は、この記事を読まない方が良いかもしれない(大変申し訳ない)。

 

満員電車で、「おい、寄りかかるなよ」と、言いたくなることがある。しかし、隣のその人は、またその隣の人に寄りかかられて圧力を受けている。・・・どうやら、日本列島は、4つのプレート(太平洋・北米・フィリピン海・ユーラシア)がそんな関係で、押し合いへし合いをしているらしい。

 

太平洋プレートは、電車のドアから中の人々(北米・フィリピン海・ユーラシア)へ向けて強いプレッシャーをかけている。太平洋プレートの先端にいる人は、中の人に迷惑を掛けまいと、懸命に堪えて頑張るが、電車がガタンと揺れると思わず床へ倒れこんでしまう。

 

これが今回の小笠原の地震の仕組みではないだろうか。きっと、この人は体格の良い男性だったのだろう(マグニチュードが大きい)。

 

中の人々はびっくりするが、特にスカートを履いた女性は、倒れた人に下から覗かれるのを心配して「キャー」と声を上げて、激しく体を動かす。一方、手摺やつり革につかまっている男性は、いなしたり避けたりするので少しは動くが、見上げられても困らないのでそれほどには動かない。プレートにはこのような性質の違う地盤が混ざっており、それが震度の違いになって現れる。今回震度の大きかった神奈川県の二宮や埼玉県の鴻巣や春日部は、そういう敏感な地盤の連なりの上にあるのだろう。

 

さて、重要なのはここからだ。倒れ込んだ人が、再び立ち上がろうと足元でもがきだすと大変なことになる。なんせ、身体の大きな人だから、足元でゴソゴソ動かれたら、スカートを履いてない人でも気持ち悪い。場合によっては喧嘩(=富士山の噴火や他の大地震)が始まるかもしれない。

 

ネットでは、過去の災害や地層調査の記録から、このような深いところで発生した地震と大地震や噴火との関連を示唆する記事もあった。しかし、満員電車では、周りの人に迷惑をかけまいと頑張ったが力尽きて倒れてしまった正義感あふれるこの人が、周りの迷惑を顧みずに立ち上がろうとするだろうか。僕には考えられない。

 

この正義感あふれる人には申し訳ないが、倒れてもらったおかげでスペースに余裕ができ、プレッシャーが軽減される。周りの人々は、とりあえず、ほっと一息ついて心の中で感謝しているのだ。きっとこの人もそれに気がついているに違いない。周りの人が「大丈夫ですか。立てますか?」と声をかけるまでは、恥ずかしさを堪えて、そのまま動かずにいてくれるだろう。そんなふうなら、喧嘩は起こらない。

 

太平洋プレートの沈み込みの先端で壊れた地盤にしても、あとはマントルに溶かされるだけで、もう一度地表に出ようともがくことはないだろう。そして、先端が壊れてくれたおかげで、プレッシャーの減少は起こっているに違いない。すると、周囲の地盤はしばらくの間、安定するのではないか。即ち、富士山の噴火は当分ないのではないだろうか。これが、今回の僕の結論だ。

 

6/4追記)

この僕の結論は間違っているようだ。下記の記事によれば、火山は反って不安定になるという。

 

火山活動、今が本来の姿 噴火予知連・藤井会長(真相深層) 」日経電子版 6/4有料記事

 

噴火は地下のマグマ(溶けた岩石)が噴き出す現象だが、マグマだまりの圧力が下がると溶けたガスが発泡し、噴火しやすくなる。ビールやコーラが噴き出すのに似た現象だ。

 

僕は、非常に楽観的なところに落ち着いた。これは、恐らく、先週土曜日の清水エスパルスの快勝と、活発な火山活動や地震にも関わらず月曜まで12連騰した日経平均株価のおかげだろう。僕は、少々、浮かれているかもしれない。

 

しかし、ちょっと冷静になってみれば、エスパルスはまだ17位のままだし、株価もこんなに上昇しているのは日本だけだ。ギリシャのデフォルトや、中国経済の急減速が騒がれるなかで、ちょっと変だ。イエレンFRB議長の年内利上げ警告で米国の国債も株も買えず、さらには原油投機もできなくてダブついた短期資金が、ギリシャが不安なヨーロッパを避けて、日本株にちょっと寄り道しているだけかもしれない。

 

ということで(まるで説得力はないが)、みなさんも富士山噴火の危険性について、現実のものとして考えてみてはいかがだろうか。地球温暖化も、最近の異常気象のおかげで、かなり、現実のものとして考えられている。富士山噴火も、いろいろ兆候らしきものがあるので、それと同程度にはありえるかもしれない。浮かれた僕も、一応、水の備蓄ぐらいは行っている。

 

 

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先週土曜日(5/30)の小笠原沖地震で僕が感じた疑問は、次のようなものだった。

 

なぜ、こんなに深い深度で起こったのか。

 

当初、590kmと報道されたが、後に682kmへ訂正された*1。通常“地殻(プレート)”は精々数十kmの厚みしかない。したがって、プレートの境界で地震が起こるとすれば、数十kmか、精々100kmぐらいまでではないか。680kmの深さは、もうマントルのなかだ。マントルは対流するぐらいだから、地殻(プレート)より柔らかいのではないか。なぜ、そんなところで地震が起こったのか。

 

どうして関東地方があんなに揺れ方だったのか。

 

関東平野は、固い地盤の上に柔らかい堆積物が堆積した地下構造になっていて、これが長周期の揺れを増幅させる*3、というのは東日本大震災の時にも経験した。しかし、今回は、震源地に近い母島の震度5強はやむを得ないとして、神奈川県の二宮町(神奈川県の相模湾沿岸)でも同じく震度5強、そこから震度3や4の東京を飛び越えて埼玉県鴻巣市や春日部市(埼玉県の中ほど)などで震度5弱となった。こんな震度の分布はおかしくないか。

 

そこで、Wikipediaで調べてみると、次のようなことらしい。

 

・深さについて《Wikipedia (深発地震)

 

震源の小笠原付近で地殻(太平洋プレート)がマントルへ沈み込んでいる。しかし、地下670kmぐらいでマントルの密度が急激に高まるため下へ進めなくなり、今度はマントル内で水平へ曲げられる。曲げられた部分が地殻が沈み込む圧力に耐えられなくなると、壊れて地震になる。

 

・関東地方の揺れ方について《Wikipedia(異常震域)

 

深発地震の場合は、揺れがマントルを通るか、地殻(プレート)内部を通るかなどで、その伝わり方が変わるらしい。例えば、マントルを経由する場合は、マントルが柔らかいので揺れが伝わりにくい(今回のケースで言えば、伊豆半島以西が該当すると思われる。でも、それなら震度5強の母島もマントル経由では?)。今回は、太平洋プレートで起こった地震なので、太平洋プレート内では揺れが強く伝わる。関東は(北米プレートだと思うが)、どうも、太平洋プレートの揺れが伝わりやすいらしい。そのほか、マグマ溜まり(火山の地下)を経由するか否かや、もっと細かくは、地盤の硬軟でも変わる。

 

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まあ、正直言って、よく分からない。それで、本文のような満員電車の例えで考えてみることにした。

 

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・

 

*1 30日夜の震度5強の地震 M8.1に修正NHK 5/31

 

*2 NHK ONLINE の該当ページには、次のように記載されている。

 

5月30日放送「ねじVSろう接 後編」は、地震関連のニュースのため一時中断いたしました。

あらためての放送は下記の日時になります。

6月13日(土)午後8時15分~

 

番組内容に興味を持たれた方は、こちらをご覧になると良いと思う。

 

 

*3 日本地震学会広報誌「なゐふる」 2007/3 P2 「長周期地震動の発生条件とメカニズム」

 

 

 

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