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2015年9月 6日 (日曜日)

507【投資】今週の日経平均、リーマン・ショック以来の下げ幅

2015/9/6

なんて楽観的なんだ! 先週(5048/31)、「今週も、先週の後半ほどの勢いはないものの、日本株は上昇する可能性があると僕は妄想している。」と書いたが、結果はタイトルの通り、週間の下げ幅はリーマン・ショック以来、7年ぶりの大きさとなった*1

 

大はずれで恥ずかしいことこの上ないうえに、含み損もハンパない。ただ、自己ワーストではない(自慢ではないが、もっと悪い時もあった)。さて、僕は何か大きな間違いを犯している。それは何か? 今回は、大反省大会だっ!

 

 リスク・オフの程度

 

何が間違ったか。一番大きいのはこれだ。こんなに世界の投資家が悲観的になってるとは。

 

そもそも、中国経済が減速していたのはみんな分かっていたことだが、その意識が足りなかった。だから、僕は、意識をちょっと調整すれば済む、即ち、ちょっとびっくりすれば収まると思っていた。

 

しかし、今回は、みんな相当びっくりしたようだ。こうなると、弱気はどこまでも行き過ぎてしまう。弱気の高速道路に乗ってしまったか。乗ってしまうとインターチェンジまで降りられない。そして、降りるべきインターチェンジも通り越してしまう。しかも、通り過ぎることが新たな弱気の種となり、弱気が自己増殖してしまう。インターチェンジがあっても気がつかないほどに。

 

要するに、みんな、精神状態が異常なのだ。(と、自分の間違いを棚に上げて、他人のせいする。)

 

どこかでインターチェンジに気がついてもらわなければいけないが、なにがそのきっかけになるだろうか。

 

 米国投資家の利上げ恐怖症

 

並のリスク・オフであれば、アジアやヨーロッパで躓いても、米国の投資家の踏ん張りが態勢立直しのきっかけになることが多い。しかし、今の米国投資家は、FRBの利上げを恐れて、それができない。米国の投資家にとって、利上げがこれほど恐ろしい存在であるとは思わなかった。

 

確かに、20135月のバーナンキ・ショック、20141月(FRBテーパリング開始)、10月(テーパリング終了)の比較的大きな調整局面は、すべて量的金融緩和拡大ペースの縮小や利上げがらみだった*2。現在は、9月に利上げが決定されるかどうかが焦点となっている。まさに、米国投資家がナーバスで視野が狭くなっている時期だったのだ。ちょうど、弱気の高速道路で、ビクビク運転していたのだ。そこに中国ショックが起こった。僕は、その場合の不安の増幅効果を、もっと警戒すべきだった。

 

過去の状況では、この利上げ恐怖症は、実際に利上げが始まるまで収まらなかったそうだ。

 

 すべて悪い方へ解釈する

 

中国の株式市場や経済指標は信用できない(=経済実態を表さない)。中国ショックでみんな意識したはずだ。それでも、世界の株式市場等は、上海の株価変動や中国のPMI*3などの経済指標に激しく反応する。特に、悪い指標に対する感応度が高くなっている。

 

4日に米国の雇用統計が公表された。米FRB9月の利上げ判断に大きな影響を与えるとして注目を集めていたが、結果は、非農業部門就業者数の増加が市場予想217千人より相当低い173千人に留まった*4。通常時なら、利上げが遠のいたと株式投資家に好感される可能性もあったと思うが、逆に、DOW30種平均は272ドルも下落した。また一つ、インターチェンジを通過した。

 

なかなか、みんな弱気の高速道路を降りる気分になりそうもないが、いつかは降りる時が来る。そうしないと、かえってコストがかさむ。要するに、株価の下落が実体経済を蝕む本当の悪循環が始まってしまう。その前に降りなければ。米国も中国も、今ならまだ、消費は悪くないのだから(欧州も)。

 

今は、それが次の決算発表シーズン前であることを祈ろう。そのうち、黒田バズーカーが炸裂することを願おう。できれば、次の四半期決算日となる今月末は、1ドル125円で迎えたい。

 

ということで、反省して相場から縮小・撤退するのではなく、神頼み、願掛けして踏ん張ることにした。反省足りないだろうか?

 

 

🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 日経平均、週間で1344円下落 リーマン・ショック以来約7年ぶりの下げ幅 日経電子版 9/4 有料記事

 

*2 テーパリングとは、FRBが金融緩和のために行っていた米国債等資産買入額を、徐々に減らす措置のこと。金融引締めではなく、金融緩和の拡大スピードを緩めるイメージになる。テーパリングが終了すると、金融緩和の拡大も終了する。その後、金利が引上げられると金融引締めへ転じることになる。

 

20135月に当時のFRB議長バーナンキ氏が議会証言でテーパリング開始をほのめかしたところ、株式市場等が大幅に下落し、日本ではバーナンキ・ショックと呼ばれる調整局面を迎えた。その後、201312月のFOMCでテーパリング開始を決定し翌年1月からスタート、201410月に終了した。20141月はアルゼンチンをきっかけとする新興国不安で株価が下落したが、背景にはテーパリング開始への不安感があったとされる。201410月は、テーパリングが終了(=量的緩和拡大が終了)したことで、「次は利上げ」「利上げはいつか」が意識され、株価が一時下落したとされている。

 

*3 PMIは、Purchasing Managers Index の略で、日本語では購買担当者指数。50であれば業況は変わらず、50未満ならば悪化、50より大きければ改善していると判断する。

 

購買担当者は先行きの見通しを持って発注するので、その業況判断をアンケート調査し指数化することで、リアルタイムな業況判断が得られると考えられている。

 

中国では、民間と政府による2つのPMIが公表されている。民間によるものの方が低い。その理由は、民間のPMIは、中小企業からの回答が多く、政府の方は国営企業を中心に大企業の回答が多いからとされている(国営企業の方が常に業況が良いと考えられている)。直近ではそれが両方悪かった。

 

*4 毎月第一金曜日に公表される。このほか、同時に公表される主な統計指標は以下のとおり(以下は、9/4 WSJREUTERSから)。

 

失業率     5.1%(先月の5.3%から低下。市場予想は5.2%だった)

平均時給上昇率 2.2%(前年同月比上昇。市場予想より上ぶれ)

労働参加率   62.6%(3カ月連続。1997年以来の低水準)

U6失業率   10.3%(前月は10.4%。フルタイム雇用を希望しながらやむなくパートタイム職に就いている人を失業者にカウントした失業率。REUTERSの記事では不完全雇用率と記されている)

 

これを受けて、10年もの米国債の市場金利は、一旦上昇したものの、結局、終値は先週末や前日より下落した。

 

なお、8月の非農業部門就業者数の統計には特殊な癖がある(夏季休暇などが、影響しているらしい)。その癖とは、9月の第一金曜日に公表される速報値が異常に低く、のちに大幅に上方修正されることだ。過去4年間の8月の平均(速報値)は、たった102人増でしかないが、その後の見直しで平均9万人増加するという【コラム】金曜日の米雇用統計を信用するな-ギルバートBloomberg 9/4) これを考慮すると、今回の173千人は、非常に好調な数字といえる。ムードの良い時なら、米国金利上昇、ドル高円安、日本株上昇の可能性も考えられるが、全くそうなっていない。外国為替相場も円高で終えてしまった。

 

 

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