519.【CF4−01】概念フレームワーク公開草案(2015/05公表)のシリーズをスタート
2015/10/13
最近、良いニュースが続いている。ノーベル賞は、生理学・医学賞の大村智氏に続き、梶田隆章氏の物理学賞の受賞が公表された。サッカー日本代表はシリア戦に勝利し、W杯二次予選E組首位となった。ラグビーW杯は、決勝リーグ進出は叶わなかったが、南アフリカに勝利するという大金星・快挙は素晴らしかったし、サモアやアメリカにも勝って3勝を上げた。
逆に怖い。何か悪いことが隠れてるんじゃないか? それも最悪な奴が。
そういえば、清水エスパルスは次節にもJ2陥落が決まる可能性がある。確かに僕にとっては目眩のするような想像を絶する悪いことだ。しかし、最悪、J2でもエスパルスはエスパルスで、チームがなくなるわけじゃない。それに、僕にとっては最悪でも、多くの方にはあまり関係ない。
株価は、中国ショックで7月から低迷している。先月もブレイブ・ブロッサムズ(=ラグビー日本代表)がスコットランドに負けた翌週、ど〜んと下げて一時17,000円を割った。これも最悪だ。しかし、サモア戦への期待が膨らむとともに底堅く推移し、サモア戦に勝利し、アメリカ戦の直前までに9%も上昇した。このところ、株価はブレイブ・ブロッサムズとの連動を強めているようだ。2019年は日本でW杯が開催され、ブレイブ・ブロッサムズのW杯出場は確定している。すると、株価も2019年まで上がり基調かもしれない。
となると、隠れてる最悪なこととはなにか? もしかしたら、これかもしれない。
このブログは、また、概念フレームワークのシリーズを始める。
概念フレームワークは、日本の企業会計原則の一般原則を難解にしたようなもので、抽象的・純理論的な話になりがちだ。多くの方には退屈に思えるかもしれない。また、過去のこのシリーズは、1回目(主に、財務情報の質的特徴 。2011/11/1〜)は比較的好評だったようだが、2回目(2013ディスカッション・ペーパー。2013/10/7〜)、3回目(企業会計原則の一般原則と無理やり比較。2014/9/25〜)は不評だったようだ*1。特に、2回目をご記憶のみなさんのなかには「もう、怪談の季節は終わったのに、ゾッとする」と、首をすくめている方もいらっしゃると思う。
しかし、IFRSを、単なる“技術”ではなく“道として極める”ためには、概念フレームワークを避けて通れない。道として極めてこそ、役に立つ。むしろ、細かい技術は“記憶力お化け”か“物知り博士”に任せておけば良い。僕としては、幹をしっかり作りたいのだ。
今回検討の対象にするのは、5月に公表された公開草案*2。内容を逐一読むのは確定版になってからにして、今回は、質問事項からいくつか大切そうなものを選んで掘り下げたい。(一応、ディスカッション・ペーパーを全部読もうとして失敗した2回目の反省を踏まえているつもり。)
さて、本当に“最悪”といえば、やはり、テロ集団とそれが引起こす難民問題だと思う。定番の欧米とロシアの対立が問題を複雑にしているが、仮に、この両者が協力できたとしても、解決は簡単ではない。
第一、テロ集団はパソコンのウィルスのように神出鬼没だし、感染すると除去が難しい。ハード・ディスクを初期化して、すべてのソフトを再インストールするような簡単な再起動の方法はない。
ノーベル平和賞が、「チュニジアン・ナショナル・ダイアログ・カルテット」に贈られた*3のは、チュニジアがこのような事態に陥るのを防いだためと言われている。非常に価値ある相応しい受賞だと思う。ただ、若者数千人がISへ参加していて出身国別で最大の勢力になっているとか、観光地でのテロで外国人が多数死傷したなど、同国の状況も、決して、安泰ではない*4。今年も、ノーベル平和賞は、過去の業績や貢献に対するものというより、将来に対する“励ましや応援”の賞になっている。
第二に、テロ集団とそれが引起こす難民問題は、単に欧米流の民主主義が試されているというだけでなく、気候変動が人類に影響を及ぼした結果でもある*5。実は、地球という巨大な相手が隠れた主役だ。
なんども書かせてもらって恐縮だが、難しい問題はより高い視点を持ち、より根本的な目的・目標へ目を向け共有することで解決可能だ。この最悪の問題も同じだと思う。果たして国際社会はそこへ到達できるだろうか。
ちなみに概念フレームワークは、会計にとって、その高い視点や根本的な目的・目標を提示するものだ。難しい問題に直面すればするほど、その理解が重要となる。やはり、避けては通れない。
🍁ー・ー🍁ー・ー
*1 概念フレームワークや、個別基準をまたがるようなIFRSの基礎概念に関しては、次のページで関連する記事のタイトルを一覧できる。
(A01)概念フレームワーク(資産、持分、有用な財務情報の質的特性など)
ちなみに、概念フレームワークの1回目、2回目、3回目のシリーズの開始記事は、次のタイトルもの。
053 2011/11/01 IFRSの資産~会計上の「資産」とは
296.【CF DP'13】「概念フレームワークのディスカッション・ペーパー」シリーズ開始2013/10/7
400.【QC02-01】有用な財務情報の質的特性を企業会計原則の一般原則と比べてみたら?2014/9/25
*2 次のIASBのホーム・ページで日本語版も公開されている(下の方)。
Conceptual Framework Exposure Draft and Comment letters
日本語版は、以下のとおり。
公開草案: 財務報告に関する概念フレームワーク (Japanese) [PDF]
公開草案: 財務報告に関する概念フレームワーク (Basis for Conclusions) (Japanese) [PDF]
*3 ノーベル平和賞にチュニジア民主化貢献団体 NHK NEWSweb 10/9
*4 キャッチ!インサイト 「チュニジア テロの脅威、国づくりの課題」 NHK 解説委員室 5/14
*5 これについては、509-9/11の記事にも書いたが、シリアの内戦の直前に史上最悪の干ばつがあったという。
シリア内戦の原因は気候変動? 最新の研究結果 THE HUFFINGTON POST 3/4
« 518【税効果17】まとめ〜日本基準のゆくえ | トップページ | 520.【CF4−02】気になる背景 »
「IFRS全般(適正開示の枠組み、フレームワーク・・・)」カテゴリの記事
- 576【投資の減損 03】持分法〜ドラマの共有(2016.08.16)
- 573【CF4-29】債務超過の優良企業〜ソフトバンクのARM社買収で考える(2016.07.21)
- 572【CF4-28】(ちょっと横道)ヘリコプター・マネー(2016.07.14)
- 571【CF4-27】“債務超過の優良企業”と概念フレームワーク(2016.07.12)
- 570【CF4-26】債務超過の優良企業(2016.07.08)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント