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2015年11月 3日 (火曜日)

526【番外編】文化とのれん

2015/11/3

今日は“文化の日”。Hatena Keyword の一部を引用すると次のようなものだそうだ。

 

「自由と平和を愛し、文化をすすめる日」として定められた。

 

なんか違和感。(-; ) 借り物だな、これ。と思ったら、続いて次のように記載されている。

 

1946年11月3日に平和と文化を尊重する「日本国憲法」が公布されたことに由来する。

 

なるほど、憲法に関連してるのか。前文や第9条、国民の権利及び義務を記した第3章などの、日本国憲法の特徴をシンボリックに表したのが「自由、平和、文化」ということか。だが、自由や平和については感覚的に意味を理解できるものの、“文化”って捉えどころがない。“文化”って、なに?

 

ちょっと使用例を挙げてみよう。

 

安土桃山“文化”、マスメディアに登場する“文化”人、高校のクラブ活動では運動部に対して“文化”部、さらには“文化”包丁に“文化”鍋。オタク“文化”というのもある。

 

ますます、捉えどころがない。

 

そこでネット辞書(コトバンク)で意味を調べてみると、次のようにある。

 

人間の知的洗練や精神的進歩とその成果,特に芸術や文学の産物を意味する場合もあるが,今日ではより広く,ある社会の成員が共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式をさすことが多い。(ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

 

安土桃山文化は、安土桃山時代の(知的に洗練された人々の)生活様式。マスメディアに登場する文化人は知的に洗練された人や精神的に進歩した人。高校時代のクラブ活動は芸術や文学などのクラブ。包丁や鍋は、ありきたりのものではない革新的な製品なのだろう(特に発売当時は)。

 

ここまで考えて、ふっと思った。そう、これは無形資産のことだ。例の、実態が分からず金額評価や耐用年数の決定が困難な“のれん”だ。そういえば、企業“文化”などという言い方もある。“(企業)ブランド”と言っても良いだろう。

 

企業評価をするにあたって、最も重要な部分。しかし、最も難しい部分。経営者が最も注意を注いで大事に育てなければいけないものだが、不要不急のものなので簡単に無視したり粗末に扱えるものでもある。企業の最も核心的で革新的な部分だが、センスのない人には無駄に見える。

 

そう考えると、今日はとても大切な日だ。日本の最も核心的で革新的な部分とはなんだろう。

 

僕は以前、のれんシリーズで「のれん=人の評価」と書いた*1。やはり、日本にとって最も核心的で革新的なのは、日本に住む人々だろう。我々が(部分的であっても)共有している行動様式や物質的側面を含めた生活様式、知的洗練や精神的進歩とその成果が重要だ。そういったものは、オタク文化のように世界から共感を得、経済的な価値さえ生まれる。

 

ここまで書いて頭に浮かぶのは、522ー10/23 の記事に記載した“大学文系不要論”だ。実用から程遠いところ、常識の及ばないところに革新性は隠れている。文化と文系には何か面白い関係があるかもしれない。522ー10/23 の記事では、あまり突っ込まずにお茶を濁したが、いずれしっかり考えてみたい。

 

ちなみに、“文系”を“ぶんかけい”とも呼ぶが、それは“文化系”ではなく“文科系”で、漢字が違う。文化と文系は多少共通点があっても別物だ。したがって、「文化が重要なら文系も重要」みたいな安易な結論にはならないと思う。

 

🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 もう、古い記事だが、以下のところなどに記載した(いずれも2013/1の記事)。

 

のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(18)ついに「のれん=人の評価」!

のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(19)企業は生き物

 

 

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