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2015年12月28日 (月曜日)

538【番外編】来年への期待〜移民戦略

2015/12/28

今年もテレビや新聞などの各メディアで10大ニュースといった特集が組まれる季節になった。それらを見ると、やはり、日本人も犠牲になったISなどのテロ組織の影響が大きい。パリのような具体的なテロ事件のほか、派生するテロ行為、それらによって内向きになる各国の世論や政治勢力、欧州の難民問題など。ウクライナ問題やギリシャ危機でさえ、すっかり影が薄くなっている。

 

アジアや日本に関することでは、中国のジャイアン化から、南シナ海の緊張や日本安保法制、さらに中国人の爆買いを含め、中国経済の行方に関心が強いようだ。一方、意外に、TPPや今年もジワリと残高が増えた国債など公的債務削減への関心は薄いように思える。さらに(日本の)移民政策に至っては、全く眼中になさそうだ。

 

僕も、移民政策について定見があるわけではない。しかし、移民なしでやっていけるか、移民なしの将来はどうなるのか、どうもイメージが湧かず、不安だけがある。

 

高齢化・人口減という低経済成長率をもたらす要因は今後さらに強まっていき、いずれマイナス成長が常態化するかもしれない。すると、多額の公的債務を減らすことはできなくなってしまう。これを回避するには、女性活躍社会とか、人工知能・ロボット、IoT活用による生産性の向上などと言われ、移民政策の議論は優先順位が低い。

 

しかし、来年は議論だけでも、盛上がらないだろうか? 実際にやるかどうかは別にして。

 

このように思うのは、実は、女性活躍社会を実現するための議論で、男性の働き方に焦点がしばしば当たるからだ。僕も、仕事・労働に対する固定観念がかなり壊されて、この議論に(全てではないが)心地よい気がしている。

 

同じように、もし、移民政策の議論が始まるともっと他の分野に焦点が当たり、日本の社会的な固定観念に変化を与えるきっかけになるのではないか。それを期待したいのだ。

 

ちょっと楽観的過ぎるかもしれないが、例えば…

 

介護サービスは、きっと、“老い”に対する様々な分野からの理解が進むことでより正しいアプローチが開発され、さらに、人工知能やロボットの実用化が進むことで、大きく生産性を上げてくれるだろう。他の産業でも同様に省力化が図られることを期待したい。

 

ただ、そのためには、そのようなイノベーションを生み出すアイディア・資金力・実行力を持った人々が必要になる。日本は素晴らしい研究があってもビジネスで成功させることが苦手な面がある。このままでそこが足りるだろうか。移民で補わなくて良いか?

 

みたいな議論になると面白い。なぜなら、そういう人々を世界から惹きつけるために、日本がどうあるべきかという議論につながるからだ。きっと、語学教育を始め、社会に良い変化をもたらしてくれそうな気がする。

 

これは、世界中で競争になる。どこの国もみんな望んでいるだろう。それがまた良い。具体的な競争を想定できた方が、議論が空理空論に走らず、身のある展開が望める。

 

 

というわけで、今回は、来年への期待を書いてみた。これで今年の締めくくりにしたいと思うが、気が向けば、もう1つぐらい書くかもしれない。とりあえず、みなさん、良いお年を。今年もありがとうございました。

 

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