546【番外編】財政再建は、消費税より政治献金
2016/1/29
昨日、甘利明経済財政・再生相が、不正な金銭授受を認めて辞任した。甘利氏といえば、TPP交渉でも活躍が伝えられていただけに残念だ。ところが、Wikipedia の甘利氏の記載を見ると、すでに金銭に絡むいくつもの問題を起こしていたようだ。要するに、今回が“うっかりの初犯”ではない。全く残念だが、これが普通の政治家の感覚・姿勢なのだろうか。だとすれば日本の政治も腐敗している。
そういう目で、日経電子版の下記の記事を読むと「なるほど、甘い」と思えてくる。
甘利氏、現金授受認める 「きちんと処理 秘書に指示」 日経電子版 1/28無料記事
この記事に次のような記載がある。
2013年11月に大臣室で建設会社の社長らから菓子折りの入った紙袋をもらったことを認めた上で「秘書からのし袋が入っていたとの報告を受けた。政治資金としてきちんと処理するように指示した」と述べた。
菓子折りの入った紙袋に“のし袋”が入ってるって、怪しい。これが政治家の世界では普通なのだろうか。一般人なら、即座に違法性を疑うとか、違法でないとしても倫理的に問題がないか確認するのではないか。しかも、これが翌年にも繰り返されている。別の記事*1によれば、甘利氏は「自分自身なんら恥じることはしていなくても」と述べているが、その感覚・認知力を恥じてほしい。
そういえば、“世界腐敗度ランキング”なるものが27日に公表された*2。日本は168カ国中18位だそうだが、こういう金銭感覚の人が政権中枢に入ってる状況はどうなのだろう。入閣するにあたって身辺調査をするというが、甘利氏は上述のWikipediaにさえ、社会保険料の未納とか、複数のお金の問題を繰り返していることが書かれている。
日本は、官僚が“省益”に腐敗している。その“省益”は、最終的には自らの退職後の天下りにつながっているのだから、完全なる腐敗だ。このことは、もう、何十年も言われ続けている。それによる国民の損害・不効率は、国の借金という形で積み上げられ、もしかしたら数百兆にも及んでいるかもしれない。しかし、政治家がこのような感覚では、官僚の腐敗を止められない。
みなさん、政治家を監視しよう。いや、応援しよう。4年に1度の選挙だけでなく、普段から政治献金をして政治家に有権者の意思を伝えよう。そして、政治家がお金の問題を起こしたり、官僚に甘い判断をしたら、その政治献金を止めて別の政治家へ振替えよう。選挙区に関係なく政治家に意思を伝えられる。
この方が、消費税を払うより、よっぽど国の財政再建に役立つ。それに安い。政治家が厳しく自己を律することで政治資金が集まると分かれば、官僚の監督にも力が入るし、特定の利益団体への口利きもやめるのではないか。そうすれば、税金がもっと有効活用され、財政再建も進むのではないだろうか。
それにしても、甘利さん、期待していただけに残念だ。
🍁ー・ー🍁ー・ー
*1 秘書が300万円を私的に消費 甘利氏が説明 日経電子版 1/28 無料記事
*2 世界腐敗度ランキング、ブラジルが大幅悪化 最悪は北朝鮮 REUTERS 1/27
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