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2016年6月28日 (火曜日)

568【番外編】英国EU離脱とアベノミクス第4の矢

 

2016/6/28

実は、このブログも今週で6年目に突入した。その記念すべき最初の記事にふさわしくないのだが、今回は、全くのおふざけ記事になる。申し訳ない。

 

というのは、みなさんが、もう耳にタコができて、飽き飽きしている思われているであろう“英国のEU離脱問題”について書きたいのだ。おふざけでなければ、読んでもらえないだろう。僕の推理は、「これはアベノミクスならぬ、EUノミクスの隠された矢、“危機を煽って通貨安を誘導”する情報戦略の矢、情報操作の一環ではないか」というものだ。

 

世界中の権威あるニュース・メディアが悲観論を拡散しているが、ん〜、そんなに大変なことだろうか? これが、僕の率直な印象だ。英国の首相が辞任を表明し、EU主要国の指導者が失望感をあらわにするという凝った演出で、こんな小事を大事のごとく嘆き悲しむ結果、通貨ユーロとポンドは安値に沈み、そのうちに、英国とEU(特にドイツ)は輸出が増加し、経常黒字がチャリンチャリンと溜まっていく。

 

一方、円は“安全資産”などと言われて急騰し、日本株は下落し、アベノミクスが崩壊する。だが、日本もこれを参考に、金融政策、財政政策、構造改革の3本の矢に加え、情報戦略を第4の矢に加えたらどうだろう?

 

 

みなさんは「これが小事か?」と疑問を持たれると思う。なんせ、英国にとっては、第2次世界大戦後で最も大きな決断の一つなのだから。しかし、もし、英国と欧州の指導者が裏で結託していたらどうだろう。例えば、「英国はEUの単一市場からは離脱するが、安保・政治的な立場は従来通りEUと協調する」みたいな暗黙の了解があればどうか。

 

実際、安全保障は北大西洋条約機構(=NATO)による同盟関係が維持される。ロシア対応で協調できれば、英国と欧州は親しい友人のままでいられるのではないか。今後、英国は米国との結びつきを強め、対ロシアでは、より強硬な立場を強めるという見方をする専門家もいる。EUにとっては、内部に強硬派の大国を抱えるよりも、強硬な英米との間を取り持つような形でロシアと接する方が、心地良いだろう。

 

一方、単一市場から離脱した際に問題になるのが、関税や国際取引に係る規制や手続だ。英国とEUの間でFTAなどの貿易に関する取決めが(離脱通告から2年以内に)まとまらない場合、関税および貿易に関する一般協定(=GATT)のルールが適用されるらしい。

 

GATTのウルグアイ・ラウンドの合意に基づいて設立された世界貿易機関(=WTO)のアゼベド事務局長は追加負担が巨額になると警告した*1が、仮に全ての輸出に10%の関税がかかったとしても、為替レートが10%安くなれば相殺できる。上述の大芝居のおかげで、問題は軽くなるのでは? 日本と異なり、英国は通貨安が輸出増に直結する普通の経済構造がある*2ので、景気浮揚効果も大きい。(但し、輸入物価が上昇するので、消費者には、それに見合う所得増や政策経費が必要になるかもしれない。日本はアベノミクスで80円から125円の約5割の通貨安を経験したが、経常黒字が増えたのは原油などエネルギーの輸入価格の低下によるもので、景気は十分良くならなかった。)

 

国際取引に係る規制や手続、そしてサービス取引については、両者の意見が相違する分野となろう。しかし、英国の主要な不満の一つは、EU規制の細かさにあったわけで、EUと取引を継続するなら妥協が必要だし、むしろ、EU以外とは自由にやれると喜ぶことだろう。とはいえ、この分野の交渉は難しいし長引くに違いない。だが、これぐらいは仕方ないだろう。

 

このように考えてみると、ポンドが急落し、ユーロが連れ安するこの離脱問題は、英国やEUにとってそれほど悪いイベントではない。いやいや、もっと複雑な問題があると思うが、ロシアが重しになって、「なんとかの終わりの始まり」みたいな大袈裟なものにはならないかもしれない。なったとしても、たっぷり時間があるので、状況の進展に応じて対応を考えればよいのではないか。

 

 

しかし、そう悠長なことを言ってられない人々もいらっしゃるだろう。株や為替の取引をやっている方は(僕もそう)、思わず天を仰いだら日光で目眩しにあって、足元がふらついたような状況かもしれない*3

 

でも大丈夫。おそらく近日中に財務省のHPに、日本政府の貸借対照表が公表される。それを見ると国債が300兆も減っている。同時に、日銀が「300兆円の国債券を紛失し、同額の損失が発生しました」と臨時報告書を公表する。そう、ヘリコプター・マネーだ。日銀は大幅な債務超過に陥るから、きっと、円は大暴落するだろう。アベノミクスの第4の矢、情報戦略の矢だ。

 

海外の格付け会社が日本国債を格下げするが、損をするのは為替差損を被る海外の投資家だけ。そしてその後は、円が“安全資産”などと言われることは2度となくなるに違いない。(あくまで冗談。)

 

 

🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 英国、EU離脱なら巨額の関税負担の可能性=WTO事務局長 REUTERS 5/25

 

*2 アベノミクスでは、円安が輸出を数量ベースで増加させなかった。そのため、円安の景気浮揚効果は限定的で、トリクル・ダウンが起こらなかった。しかし、英国経済は事情が異なるようだ。次のような報道がある。

 

英国EU離脱問題、期待できる好影響とは WSJ 2/23(多分、有料記事)

 

2008年の金融危機のポンド下落と翌年の輸出の増加、1992年の欧州為替相場メカニズム(ERM)脱退後のポンド急落とその後5年間の輸出の増加を例に挙げている。

 

4月の英貿易赤字は予想下回る120億ポンド、モノの輸出が大幅増 REUTERS 6/9

 

この記事にはないが、4月の対ドル平均レートは近年で最も安い(1.4310ドル/ポンド)。

 

 

*3 こんな報道もある。

 

円急騰で自殺者続出か 英EU離脱でFX投資家“数千万円損”も 日刊ゲンダイ 6/27

 

ちょっと大げさなタイトルになっているが、もし、本当にこのような個人投資家がいれば、ご愁傷様としか言いようがない。

 

 

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