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2018年4月

2018年4月16日 (月曜日)

596【番外編】重要なのは政権交代?

2018/4/16

先日、映画「リング」を見た。昔大流行りしたが、僕は今回初めて見た。松嶋菜々子さんは可愛いし、真田広之さんもカッコいい。この二人が貞子の呪いを解こうと奮闘するが、最後にその甲斐なく振り出しに戻される大ドンデン返し。面白かったが怖かった。タイトルの「リング」は、最初は呪いの始まりに電話が鳴る「リング」だと思ったが、最後には一周回って振り出しに戻されるという意味の「リング」に思えた。

 

さて、こんな怖い話は作り話の世界ばかりと思っていたが、最近、こんな記事を読んだ。

 

不祥事続発なのに…安倍内閣「支持率3割維持」の不可思議 日刊ゲンダイDegital 4/12

 

内容はみなさんもタイトルからご想像の通り、成仏できずに再燃したモリカケ関連の不祥事を並べて、それでも残存している安倍内閣支持層について専門家の分析・インタビューを載せ、最後に「安倍支持の“岩盤”3割が目を覚ませば、安倍政権なんてイチコロなのだが。」と結んでいる。要するに、安倍氏の支持層に「あなた方は遅れてますよ、間違ってますよ。早く気づいてください。そうしないと呪いが解けませんよ、繰り返しますよ」と言いたいのだろう。

 

すべてのメディアの記事を読んでいるわけではないが、これほどはっきり書かないまでも、似たような筋の記事は多いのではないだろうか。

 

しかし、僕が思うに、本当に重要なのは安倍政権支持・不支持ではないのではないか? それより、もっと良くなる代替案があるかどうかではないだろうか。自民党内に、或いは、野党にその準備ができているかどうかだ。3割の支持層は、それが見えないから安倍支持を続けているのではないか。だとすれば、3割の支持層は「遅れている、間違っている」のではなく、もっと先を見ている進んだ人たちかもしれない。

 

安倍政権打倒を願うメディアはそこを突いて欲しい。問題の改善策へ議論を進め、それに安倍政権がついてこれないのであれば、自然と岩盤は削られていくと思うのだ。

 

例えば、「内閣人事局が行政(官僚の行動・精神状態)を歪めている」のであれば、どうしたらそれを改善できるのか議論を深めて欲しい*1。通常は問題が発生すれば、原因を究明し、それから対応策を立案し実行するのだが、誰が何を言ったとか、誰と誰があったとか、具体的な原因追求にあまりに時間がかかる場合は違うアプローチがあっても良い。それはそれでじっくりやる一方、具体的な対策立案へ話を進めないと、いつの間にかうやむやに終わってしまう。

 

今回の場合であれば、国会が成果の乏しい証人喚問実現に時間を割いているうちに、貿易摩擦や朝鮮半島問題などへメディアや世間の関心が移り、なんの改善もなされないまま政権支持率が回復していくなどということになりかねない。

 

成果の乏しい証人喚問ではメディアや世間の関心を釘付け・維持はできないと思うのだ。それより、行きすぎた忖度が行われないような仕組みを議論して盛り上げて欲しい。それに公文書・行政文書の改竄・隠蔽・廃棄が刑事罰になるわかりやすい罰則を法制化して欲しい。

 

もし、メディアがこれらの議論を先導できるのであれば面白い。ある程度世間にあるべき姿を見せられたら、あとは政治がそれに乗れるかどうかだ。乗れない政権は倒れ、乗れる新しい指導者のうち、その他の問題の対処にも優れた方針を明らかにした人が後を引き継ぐようになるのではないだろうか。

 

完全な仕組みはないと思うが、一つ一つ改善を積み上げて欲しいと思う。時間ばかりかけて結局何もできないのは避けて欲しい。国会運営は効率を上げ、結果を出して欲しい。そうしないと、官僚の呪いに、また、振り出しに戻されてしまう。ね、怖い話でしょ。

 

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*1 内閣人事局を廃止する?

どの番組か覚えていないが、官僚が省益ばかり見て日本のために仕事をしていないと批判を受けて、ようやく誕生した内閣人事局を廃止すべきという意見を主張する“識者”がテレビに何度か出ていた。僕はニュース番組を主にBSジャパンで見ているので、恐らく、そのどれかの番組だと思う。

 

この議論は、一見、僕が上述した「どうしたら改善できるのかの議論」であるように見えるが、あまりに浅すぎる。というのは、キャスターに「以前問題ありとされた状態に戻ってもいいんですか」と質問され、「それでいいんです。日本はそれでうまくいくんです。」などと答えていた。あまりにひどい回答だった。キャスターはそれを否定して議論を回していったが、こんな人が“識者”とされているから不思議だ。

 

官僚は、かつて、多額の税金を無駄を無駄使いした。みなさんもご記憶されていると思うが、年金福祉事業団のグリーンピアは莫大な資金を投入して建設されたものの事業化に失敗し、二束三文で売却した。年金福祉事業団のような外郭団体は無数にあり、役人の天下り先としてその豊かな老後生活のために活用された。このような省益のために政策が歪められ、国民が損害を被った。

 

内閣人事局を廃止すれば、まさに、貞子の呪い「リング」である。

 

 

 

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