601【投資】ハロウィン、悪魔祓いなるか!?
2018/10/28
みなさんもご存知の通り、今月に入って主要市場の株式相場は急落し、下げ止まらない。株式関係者は適正範囲の調整という人が多いが、政治・経済アナリストには景気後退の始まりと主張する人も増えてきた。さて、どちらだろうか。
結論からいうと、どちらでも良い。仮に景気後退だとしても、明けない夜がないのと同じで、後退し続ける景気はない。数年のうちに回復してくれれば良いのだ。以前記載したように、日経平均などのインデックス連動型投資信託などを中心に投資していれば、それほど深刻になる必要はない。
・・・などというのは、若者が好きな女性の前で張る見栄のようなもので、本心ではない。すでに磯野波平さんの年齢を超えた僕には、そんな見栄を張る元気もない。ただ、開き直る図太さはだけは多少出てきたようだ。だから、中間選挙明けの米国相場の反転に期待して、ハロウィンの悪魔祓いの効能に賭けることにした。要するに、祈るのだ。
細かくいうと、米国景気の見通しは良好だ。トランプ氏はFRBの利上げを攻撃しているが、FRBは景気が良いから過熱しないよう利上げしている。最も経済情報が集まっているFRBの判断を、いずれ市場が評価する時が来ると思う。住宅市場の減速や債務(特に学生ローンや国債)の増大が危惧されているが、FRBも承知していることだ。FRBが承知していないのは、トランプ氏の予測不能な意思決定で、これは妙なことにならないよう祈るしかない。
中国経済は成長が減速しているが、特色ある社会主義市場経済はまだコントロール可能と思う。僕と同年輩のみなさんは、日本のバブル経済が失速した頃のことを思い出されるかもしれないが、当時の大蔵省の場当たり的な資金総量規制などに比べれば、今の中国の方がよっぽど大胆かつ繊細な、そして戦略的な政策運営をしているように思われる。いずれは90年代の日本のように、閉塞感が社会に広がってくると思う。そうなると経済の落ち込みも厳しくなるが、まだ海外旅行も盛んだし中国の国民はまだ自信を失っていないようなので大丈夫そうだ。ただ、明確な根拠はなく僕の勘に過ぎないので、当たってることを祈るしかない。
EUはお家芸のまとまりのなさが投資家の不安を誘っているが、ECBは域内経済の先行きに自信を持っている。Brexit交渉の行方やイタリア予算に関するEU・伊政府対立への不安は確かにある。ポーランドやハンガリーの反EU的な政治思想やドイツのメルケル政権の揺らぎも心配だ。ただ、ユーロ危機・ギリシャ危機の頃の緊迫感ほどではない。ギリシャ危機当時、ECB総裁のドラギ氏は「ユーロを救うためならなんでもする」と言ったが、25日のECB理事会では、年内の資産買入終了及び来年夏まで金利維持という従来の方針を踏襲した。落ち着いたものだ。EUは危機感を盛上げてユーロ安を誘うが、やり過ぎて本当の危機にならないよう祈りたい。
新興国は一時期の不安を脱しつつある。危機が囁かれたのはトルコとアルゼンチンだが、トルコリラやブラジルレアルといった新興国通貨は急速に相場を回復しつつある。トルコは利上げもしたし、サウジによる記者殺害事件では正義の味方的な立ち位置を確保するしたたかさを見せた。
日本の株式市場は外部環境次第だ。日本人がもっと投資しして、相場動向を支配できるようになれば違うと思うが、現状では外部頼みだ。すなわち、日本人には祈ることしかできない。幸いにも為替相場が安定しているので、悪魔(=売って儲ける短期筋)祓いができれば、なんとかなるのではないだろうか。ハロウィンは、タイミングよく10/31に訪れる。日本のイベントであろうとなかろうと、楽しんで気分を変えたいものだ。
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