(A10)日本のIFRS導入議論(企業会計審議会等)
2015/5/6
2011年6月の企業会計審議会、その直前の自見金融担当大臣の記者会見によって、日本へIFRSを導入するスケジュールは白紙に戻して議論されることになりました。僕はそれに触発されて「変わる会計、変わる日本経済」(石川純治著)などを読みながら、IFRSについて考えました。
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003 2011/06/28 ちょっとその前にジミー(金融庁)の言い分
011 2011/07/09 ジミー(金融庁)の言い分と会計学者の意見
012 2011/07/10 日本の課題、IFRSの課題(石川教授)
013 2011/07/11 監査人の経験から会計問題を考える~1/2
014 2011/07/12 監査人の経験から会計問題を考える~2/2
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ニュースや金融庁のホームページに掲載されている資料を見る限り、企業会計審議会での議論は、会計の基本であるその目的があまり意識されず、日本経済や個別企業(特にメーカー)に対するIFRSの影響が、情緒的に語られているように感じました。そこで、そもそもの基本に戻ろうと思って書いたのが、以下のシリーズです。
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018 2011/07/31 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の1)
019 2011/08/01 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の2)
020 2011/08/04 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の3)
021 2011/08/05 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の4)
022 2011/08/08 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の5)
023 2011/08/09 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(1.会計の目的 の6)
024 2011/08/11 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(2.アドプション の1)
025 2011/08/12 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(2.アドプション の2)
026 2011/08/13 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(2.アドプション の3)
027 2011/08/14 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(2.アドプション の4)
028 2011/08/16 IFRS財団評議会の戦略レビューの報告について(まとめ)
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2011/8/25の企業会計審議会にはかなり危機感を覚えました。徹底的に議論するのは良いですが、それにしてもスケジュールもなく先が見えないのは不安です。そもそも、早急すぎる導入スケジュールを、震災の影響もあるので、もっとゆっくりしたスケジュールで、単体開示の省略など企業の負担が軽減される開示制度を明示し、かつ、もっと教育を先行して進めるというのが落としどころかと思っていたのですが・・・。ということで、僕としてはかなり危機意識を募らせて書いています。
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029 2011/08/29 8月25日の企業会計審議会の議論の行方
030 2011/08/31 IFRS開発に日本は参加するのか、しないのか(1)~人の性
031 2011/09/01 IFRS開発に日本は参加するのか、しないのか(2)~見積もりは化粧
032 2011/09/02 IFRS開発に日本は参加するのか、しないのか(3の1)~経営上の判断と会計基準
033 2011/09/05 IFRS開発に日本は参加するのか、しないのか(3の2)~経営上のリスク認識
034 2011/09/06 IFRS開発に日本は参加するのか、しないのか(3の3)~純利益、包括利益
047 2011/10/20 10月17日の企業会計審議会~議論の進め方
048 2011/10/21 10月17日の企業会計審議会~日本の戦略的視点
049 2011/10/22 10月17日の企業会計審議会~日本の戦略に影響を与えるもの
050 2011/10/26 10月17日の企業会計審議会~日本の戦略
052 2011/10/28 10月17日の企業会計審議会~連結と単体
056 2011/11/09 TPPとIFRS
125 2012/06/12 サッカーW杯最終予選とIFRS導入
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暫くIFRS導入論議から離れていましたが、2011/2/29の企業会計審議会は、僕の大好きな原則主義がテーマになっていて興味深かったので取上げました。No.109と122の間が飛んでいるのは、原則主義の具体的な適用を、収益認識の2011年公開草案について、ソフトウェアの受託開発事業にどう適用するか(特に進行基準に焦点を当てて)を例に記述しいたためで、興味のある方は(A02)原則主義や(C04)収益認識をどうぞ。
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104 2012/03/26 IFRS導入論議のおさらい
106 2012/04/04 原則主義のエッセンス(企会審2/29の議事録等から)
107 2012/04/09 原則主義と、企業と監査人の責任(企会審2/29の議事録等から)
108 2012/04/11 原則主義と、企業と監査人の意識のバージョンアップ(企会審2/29の議事録等から)
109 2012/04/18 原則主義と企業の手間(企会審2/29の議事録等から)
122 2012/05/31 【2011進行基準】原則主義の観点から
123 2012/06/05 原則主義と粉飾決算(企会審2/29の議事録等から)
124 2012/06/08 原則主義と比較可能性(企会審2/29の議事録等から)
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2012/07/02に企業会計審議会から中間的論点整理が公表されました。これの概要についてお知らせするとともに、勝手な感想を記載しています。また、中間的論点整理の中で触れられていた「アジェンダ協議2011」についても記載しました。
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136 2012/07/08 企業会計審議会の中間的論点整理(7/2付)の概括的整理
137 2012/07/10 【中間的論点整理】自見氏の問題提起を振返る
138 2012/07/12 【中間的論点整理】1~3の要約と日本の意見発信の後押し
139 2012/07/13 【中間的論点整理】4~6の要約…国内制度の方向性
141 2012/07/17 【中間的論点整理】7.原則主義への対応等
142 2012/07/24 アジェンダ協議2011の概要
143 2012/07/27 アジェンダ協議2011~(ASBJ)今後3年間は維持管理を
144 2012/08/01 アジェンダ協議2011~ASBJの個別項目のコメント
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金融庁は、Oxford大学のUnias Projectのチームに、IFRSが日本の経済社会に与える影響を幅広く指摘してもらうためにレポートを依頼し、2012/3に受け取っていたようで、それが金融庁のHPに掲載されていました。それを読んで内容を報告し、僕の感想を書いています。要約を読めばIFRSに批判的なレポートであることは分かりましたが、批判の根拠にも関心があったので読んでみることにしました。ちょっと残念な結果でしたが(8/28の記事)。
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このシリーズは9/6に中止としましたが、コメントを頂いているので再開するかもしれません。
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145 2012/08/03 【Oxford Report】この「序」の意味するところは?
146 2012/08/08 【OxRep】要約 とExecutive Summary
147 2012/08/09 【OxRep】UNIAS手法への期待
148 2012/08/11 【OxRep】第1節:背景~戦後の日本の会計制度(トライアングル体制)構築からこのUNIASプロジェクト依頼までの経緯
149 2012/08/15 【OxRep】第二節: 目的・方法・構成~UNIASプロジェクトのセールストーク?
150 2012/08/20 【OxRep】第三節: 「投資家のための財務報告」の歴史、論理、影響~なるほど!でも・・・
151 2012/08/23 【OxRep】第四節(1/2): 投資家以外のステークホールダーへの影響~これは面白い!
152 2012/08/28 【OxRep】第四節(2/3): オックスフォード・レポートの価値や如何に!?
157 2012/09/06 【OxRep】やはり中止します。~トモ・スズキ氏?
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「IFRSは日本の製造業に合わない」という主張がありますが、どうも良く分かりませんでした。ところが、Oxford Reportにその一端が紹介されていたので、それを手掛かりに検討しようというのがこのシリーズの趣旨です。
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160 2012/09/14 【製造業】「ものづくりとIFRS」のシリーズ予告
161 2012/09/18 【製造業】マーフィーの法則と保守主義
162 2012/09/20 【製造業】ゴーイング・コンサーン経営って?
163 2012/09/22 【製造業】日本的経営の特徴
164 2012/09/25 【製造業】トライアングル体制のころの取得原価主義
165 2012/09/28 【製造業】放置志向でない取得原価主義
166 2012/10/01 【製造業】減損会計への批判と投資回収計画
167 2012/10/04 【製造業】成功するまで止めない人材育成
168 2012/10/15 【製造業】加工貿易と円高
169 2012/10/18 【製造業】(まとめ1)IFRSは長期志向
171 2012/10/23 【製造業】個別科目の問題の概観
172 2012/10/26 【製造業】原価計算~嗚呼、勘違い
173 2012/10/30 【製造業】開発費~辻褄が合わない!
174 2012/11/02 【製造業】退職給付~不思議な誤解
175 2012/11/05 【製造業】人の評価の資産計上
176 2012/11/06 【製造業】引当するなら有給休暇を買取って!
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「のれん」は、特に製造業特有の問題ではありません。僕が思うに、のれんは会計の中でとてもユニークな存在で、“会計上の資産”を考えるうえでの基準になります。しかし、日本では持分プーリング法(人格合一説)的な会計処理が主流だったので、特に実務では注目されることが少なかったと思います。それが企業結合会計基準の導入とIFRSへのコンバージェンスをきっかけに、脚光を浴びています。それは何と言っても償却か非償却かの問題です。この「のれん」シリーズでは、その資産性と償却・非償却の問題を扱っています。しかし、僕の意識としては、企業会計の根幹に関わる非常な重要な問題が隠れていると思います。
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177 2012/11/12 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(1)問題提起
178 2012/11/14 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(2)のれんの本質
179 2012/11/17 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(3)のれんの構成要素
180 2012/11/21 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(4)資産性のポイント
181 2012/11/23 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(5)IFRSの考え方
182 2012/11/27 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(6)日本の考え方
183 2012/11/29 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(7)不純物
185 2012/12/04 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(8)自己創設のれん:着眼点
186 2012/12/06 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(9)自己創設のれんの裏口入学
188 2012/12/11 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(10)資産と費用の境界
189 2012/12/13 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(11)資産と費用の境界~FA費用
191 2012/12/18 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(12)ここまでのまとめと、いよいよ償却問題
192 2012/12/20 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(13)償却と減損
194 2012/12/23 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(14)非償却派の意見
195 2012/12/25 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(15)償却派の意見
196 2012/12/27 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(16)“再”のれんの本質
199 2013/01/07 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(17)統合報告書の内容要素
200 2013/01/08 統合報告のインパクト~将来情報と実績情報
201 2013/01/10 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(18)ついに「のれん=人の評価」!
202 2013/01/12 IASBフーガーホースト議長の語る「五つの誤解」
203 2013/01/16 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(19)企業は生き物
204 2013/01/17 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(20)集合的な人的資源
205 2013/01/21 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(21)IASBの誤解
206 2013/01/24 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(22)のれんの減価・減損の意味
208 2013/01/29 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(23)アップルの株価
209 2013/01/31 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(24)本質に合った減価償却、減損の方法
211 2013/02/05 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(25)「のれんの減損」の概要
212 2013/02/11 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(26)使用価値の精神
213 2013/02/13 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(27)改善策は使用価値の対象?(“過去”の範囲)
214 2013/02/15 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(28)長期志向の使用価値
216 2013/02/19 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(29)直感的な割引率
217 2013/02/21 のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(30)投資者の要求する割引率
219.のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(31)客観的に検証できる割引率
220.のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(32)資産売却額の見積り
(2013/03)
222.のれん ー 毎期規則的に減損するのはどう?(33)結論。悪あがき、負け惜しみ。
のれんシリーズがようやく終了し、論点が移ります。その整理をしているのが225の記事で、未検討となっている項目を順次取上げていきます。
226.【製造業】再評価モデルの存在意義~社会背景と会計処理
ここから、減損戻入シリーズです。減損戻入シリーズがまた長くなっていますが、やはり減損会計は経営に関連が深いなあ、と思います。経営に関連が深いということは、もちろん、投資家・株主の関心も高いということです。重要ですね。
238.【製造業】減価償却単位を決める重要性(ゴールラインをえぐるドリブル)
245.【製造業】減損戻入~固定資産台帳の修正を最小に!(ラスト・パス)
247.【製造業】「減損はビジネス評価」と問題点の B、D、E
248.【製造業】減損損失累計額を動かさないことで生じるマイナスの減価償却費
252.【製造業】減損後の減価償却方法~IASB公開草案「減価償却及び償却の許容される方法の明確化」の観点から
256.【製造業】減損戻入シリーズのFinal Answer 2013/6/15
昨年(2012年)9月から始まった製造業シリーズの総まとめです。
257.【製造業】まとめ2(3/12の記事)の更新 2013/6/18
258.【製造業】最後のテーマの前に・・・会計のメンタル 2013/6/20
260.【製造業】最後のテーマ;投資家のためじゃない会計 2013/6/25
261.【製造業】最後に驚愕!~3年目に突入 2013/6/27
(IFRS財団の組織等)
(218) TPP、自民党、そして会計基準諮問フォーラム(Accounting Standards Advisory Forum:ASAF)
(IFRSの導入方法)
2014年1月に、アベノミクスの成長戦略の一環として日本の会計規準の変更(のれんの非償却化)が検討されると報道されました。それ以降のASBJ(企業会計基準委員会)の議論を拾っています。
329.《号外》政府がのれん不償却をASBJへ要請!? 2014/1/27
330.《号外の続報》のれんに頼れないアベノミクス 2014/1/28
343.企業会計基準委員会(1/27、2/7)、クリミア半島(余談) 2014/3/3
365.米国のIFRS停滞に変化の兆し? ~SEC 委員長ホワイト氏のスピーチ 2013/5/27
377.【第三の矢】ASBJ が日本版 IFRS の公開草案公表へ 2014/7/22
379.IFRSへ のれん償却再導入? ~ASBJらが意見書公表 2014/7/28
381.修正国際基準(JMIS)の公開草案~概要 2014/8/1
382.修正国際基準(JMIS)の公開草案~のれんの償却 2014/8/4
383.修正国際基準(JMIS)の公開草案~OCIリサイクリング 2014/8/6
393. JMISに対するIASBの反応と日経のスクープ 2014/9/7
444. ASBJら、のれんの償却再導入に関するフィードバック・ステートメントを公表 2015/2/24
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