番外編

2018年6月26日 (火曜日)

598【番外編】決勝トーナメント進出条件

2018/6/26

昨日の朝は、その前夜の夜更かしにも関わらずすっきり起きられた。ロシアW杯で日本がセネガルと引き分け、グループHの首位をキープしたのだ。みなさんも、月曜の朝は機嫌よく出勤されたのではないだろうか。

 

さて、メディアでは、次のポーランド戦に勝つか引き分けで決勝トーナメント進出が決まると報じられているが、実は、ケース分けだけで考えると、日本がグループ・リーグで敗退するのは簡単ではない。即ち、決勝トーナメントへ行けないケースは限られている。

 

というのは、日本がポーランドに負けた場合でも、かなりのケースで2位になれるからだ。セネガルとコロンビアの勝った方がグループH首位となり、日本が2位となるケースが意外と多い。現時点で日本がグループHの首位であることは間違いなく有利なのだ。

 

しかし、ケースごとのこの単純な考察には盲点がある。日本がポーランドに負けると、セネガルとコロンビアは引き分けでこの両者が決勝トーナメントへいける*1。日本は敗退する。最初から90分間引き分け狙いの試合をすることはないだろうが、疲れの溜まる試合後半に同点だった場合に日本が負けていると、この両者が引き分けで満足してしまうかもしれない。

 

だから、日本はポーランドに負けられない。選手たちは既にこんなに頑張ってきたが、まだ苦しい戦いは続く。これには是非応援が必要だ。日本ーポーランド戦、セネガルーコロンビア戦は28日 23:00(日本時間)から同時キックオフとなる。29日の朝は、また、寝不足でもすっきりした気分で起きられることを期待したい。

 

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*1 日本がポーランドに負けた場合の、日本の決勝トーナメント進出条件を考えてみよう。

 

・セネガルが勝てば日本の敗退はない。

コロンビアの勝ち点が日本を下回るから、日本の決勝トーナメント進出が決まる。(日本が負けても、ポーランドが日本を上回ることはない。)

 

・コロンビアが勝つケースでは得失点差・総得点・フェアプレーポイント次第となる。

コロンビアの決勝トーナメント進出が決まるが、日本とセネガルは条件次第。日本とセネガルは、現在、得失点差・総得点でも並んでいる。したがって3試合目で、日本がセネガル以上に大敗しなければ日本が決勝トーナメント進出。

3試合を終えて得失点差でも並んだ時は総得点、総得点も同じ時はフェアプレーポイント(=レッドカードやイエローカードの数。現時点で日本がイエローカード2枚分優っている)で決まる。

 

・セネガルとコロンビアが引き分けるケースは日本は敗退。

日本がポーランドに負けるケースでは、勝ち点でセネガルに上回られ、コロンビアに並ばれる。得失点差では、ポーランドに大勝したコロンビアに敵わないので、日本が敗退する。

 

 

 

2018年6月 6日 (水曜日)

597【番外編】今そこにある危機

2018/6/6 欄外の*2に追記した。

2018/6/6

今回のタイトルは1994年のハリソン・フォード主演の映画だ。親友一家を麻薬組織に虐殺された米国の大統領が怒りに任せて大統領補佐官に違法な対応を“示唆”する。大統領補佐官はそれを“忖度”し、麻薬組織のあるコロンビアで違法な軍事活動を行うようCIA高官に指示する。ハリソン・フォードはCIAの一介の情報分析官に過ぎなかったが、上司が癌治療で入院するとその代行となってホワイトハウス勤務となり、この違法な軍事活動に巻き込まれていく。(もちろん、ハリソン・フォードはこの違法活動と闘っていく。)

 

「今そこにある危機」の原題は「CLEAR AND PRESENT DANGER」だから、直訳すれば「明白に存在する危機」ということになる。あるブログによれば*1 元々法律用語で『混雑した劇場内で虚偽に「火事だ!」と叫ぶ場合など、その結果明らかに急迫した害悪の危険が予測される場合には言論は合法的に規制される』という部分の「明らかに急迫した危機」の部分が「CLEAR AND PRESENT DANGER」だという。

 

即ち、“言論の自由”という民主主義の根本を支える大原則であっても制限される例外的な場合がある。それが「CLEAR AND PRESENT DANGER」な時だ。何やら、IFRS概念フレームワークの「(状況によっては)IFRSを逸脱せよ」という規定を連想させるが、この映画のタイトルは「違法行為が正当化されうる例外的な状況、危機」を意味していると思われる。

 

この映画では様々な登場人物にとっての「CLEAR AND PRESENT DANGER」な状況が出てくる。

 

まず、大統領。親友一家の虐殺事件といういわば私憤、私ごとを「CLEAR AND PRESENT DANGER」だとした。次に、大統領補佐官は、大統領の暗黙の指示を拒否することで怒りが自分に向けられることを「CLEAR AND PRESENT DANGER」と感じたらしく、忖度する道を選ぶ。CIA高官は大統領補佐官の命令を違法と指摘するが、結局、大統領補佐官に大統領の命令書を偽造させ保身した上で、命令を受け入れる。このCIA高官にとっては、「違法なことができない無能な意気地なし」と上司から思われることが、「CLEAR AND PRESENT DANGER」なことだったらしい。

 

主人公のハリソン・フォードも例外ではない。やはり「CLEAR AND PRESENT DANGER」な場面に出くわす。部下に上記CIA高官のパソコンをハッキングさせ、違法活動の記録を違法に閲覧する。まあ、これは米国映画によくある、正義のためにはちょっとしたルール違反も許されるという典型シーンだ。従って、ハリソン・フォードには一片の躊躇もない。

 

 

ここまで読んだみなさんは「今回は映画評論か?」と思われたかもしれない。もちろん違う。気づいた方もいらっしゃると思うが、違法な軍事活動を“公文書改竄・廃棄”、“国会虚偽答弁”、“入退室記録廃棄”、さらには“財務大臣辞任拒否”などに置き換えれば、モリカケ問題だ。さらに、近畿財務局にはハリソン・フォード的な職員もいたらしいから、ますます似ている*2

 

さて、みなさんは誰が一番罪深いと思うだろうか。大統領か、大統領補佐官か、CIA高官か。もしかしたら、ハリソン・フォードという意見もあるかもしれないが、何れにしても「CLEAR AND PRESENT DANGER」の意味をよく考える必要があると思う。法律やルールは万能ではないから、「CLEAR AND PRESENT DANGER」的な判断の余地を残すことは良いと思う。しかし、濫用にならないよう権力者には厳しい自制が求められる。

 

とはいえ、自制に頼るのは心許ないので国会のチェックが必要となるが、国会が不効率で機能不全を起こしている。何か仕組みの改善が必要だと思う。文部省の時も、今回の財務省のケースも、廃棄指示に従わず文書が残っていた。ただ、それが怪文書と呼ばれるような出方をしたり、検察からのリークといった形でしか表面化しない。その生かし方が今ひとつな気がする。ハリソン・フォード的な官僚が生きやすくなるような国会(特に野党)の仕組み、国会と官僚の関係がヒントになりそうな気がするが、いかがだろうか*3

 

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*1上級英語への道」というtempus fugit さんのブログ。参考にさせてもらったのは以下の記事。

 

clear and present danger 「今そこにある危機」と集団的自衛権の容認  2014/7/2

 

*2 ちなみに、違法な軍事活動を“危険タックル”に置き換えれば、日大アメフト部の問題にも似ている。大統領は監督、大統領補佐官はコーチ陣、CIA高官はタックルをした選手に該当する。(ただ、この選手は途中からハリソン・フォードへ転じた。) ということは、日大アメフト部と安倍政権には共通の構造があるのかもしれない。

  さらに、米国には1986年に発覚したレーガン政権の“イラン・コントラ事件”がある。この映画に比べて遥かに複雑な事案で、よりまともな「CLEAR AND PRESENT DANGER」な状況からスタートしたものの、この映画のCIA高官に当たる位置付けのノース中佐らが暴走し、より深刻な問題となった。詳細はWikiをご覧いただきたい。

  加えて、米国にはグアンタナモ収容所の拷問事件がある。最近、この拷問の責任者がCIA長官に任命されることで、また脚光を浴びている。これについては、当事者の生々しいインタビュー記事がある。

 

「拷問したのか?」と元CIA工作員の本誌コラムニストに聞いた Newsweek日本語版 6/5

 

  「CLEAR AND PRESENT DANGER」への対処は、“違法行為を正当化する”非常に重い判断を伴うので、判断する人は大きなリスクを負うことになる。それゆえ隠蔽され、暴走しやすい。隠蔽が許されない状況下でのみ認められるのではないかと思う。少なくとも事後的に世間を納得させる内容でなければならない。そう考えると、極めて限定的な場合にのみ容認される判断といえると思う。

 

*3 ちなみに、この映画でハリソン・フォードは上院の委員会で証言する道(=内部告発者になる道)を選択した。恐らく、その後弾劾手続に入るのだろう。米国には弾劾手続があるが日本にはない。ただ、米国の弾劾手続は罷免はできるが刑罰を科すことはできないらしい。日本は国会議員(首相は国会議員)に対する弾劾手続はないが、出席議員の2/3以上の賛成で除名することができる(Wikipedia)。しかし、1/2で内閣不信任決議や問責決議ができるので、その方が早い。

 

 

 

2018年4月16日 (月曜日)

596【番外編】重要なのは政権交代?

2018/4/16

先日、映画「リング」を見た。昔大流行りしたが、僕は今回初めて見た。松嶋菜々子さんは可愛いし、真田広之さんもカッコいい。この二人が貞子の呪いを解こうと奮闘するが、最後にその甲斐なく振り出しに戻される大ドンデン返し。面白かったが怖かった。タイトルの「リング」は、最初は呪いの始まりに電話が鳴る「リング」だと思ったが、最後には一周回って振り出しに戻されるという意味の「リング」に思えた。

 

さて、こんな怖い話は作り話の世界ばかりと思っていたが、最近、こんな記事を読んだ。

 

不祥事続発なのに…安倍内閣「支持率3割維持」の不可思議 日刊ゲンダイDegital 4/12

 

内容はみなさんもタイトルからご想像の通り、成仏できずに再燃したモリカケ関連の不祥事を並べて、それでも残存している安倍内閣支持層について専門家の分析・インタビューを載せ、最後に「安倍支持の“岩盤”3割が目を覚ませば、安倍政権なんてイチコロなのだが。」と結んでいる。要するに、安倍氏の支持層に「あなた方は遅れてますよ、間違ってますよ。早く気づいてください。そうしないと呪いが解けませんよ、繰り返しますよ」と言いたいのだろう。

 

すべてのメディアの記事を読んでいるわけではないが、これほどはっきり書かないまでも、似たような筋の記事は多いのではないだろうか。

 

しかし、僕が思うに、本当に重要なのは安倍政権支持・不支持ではないのではないか? それより、もっと良くなる代替案があるかどうかではないだろうか。自民党内に、或いは、野党にその準備ができているかどうかだ。3割の支持層は、それが見えないから安倍支持を続けているのではないか。だとすれば、3割の支持層は「遅れている、間違っている」のではなく、もっと先を見ている進んだ人たちかもしれない。

 

安倍政権打倒を願うメディアはそこを突いて欲しい。問題の改善策へ議論を進め、それに安倍政権がついてこれないのであれば、自然と岩盤は削られていくと思うのだ。

 

例えば、「内閣人事局が行政(官僚の行動・精神状態)を歪めている」のであれば、どうしたらそれを改善できるのか議論を深めて欲しい*1。通常は問題が発生すれば、原因を究明し、それから対応策を立案し実行するのだが、誰が何を言ったとか、誰と誰があったとか、具体的な原因追求にあまりに時間がかかる場合は違うアプローチがあっても良い。それはそれでじっくりやる一方、具体的な対策立案へ話を進めないと、いつの間にかうやむやに終わってしまう。

 

今回の場合であれば、国会が成果の乏しい証人喚問実現に時間を割いているうちに、貿易摩擦や朝鮮半島問題などへメディアや世間の関心が移り、なんの改善もなされないまま政権支持率が回復していくなどということになりかねない。

 

成果の乏しい証人喚問ではメディアや世間の関心を釘付け・維持はできないと思うのだ。それより、行きすぎた忖度が行われないような仕組みを議論して盛り上げて欲しい。それに公文書・行政文書の改竄・隠蔽・廃棄が刑事罰になるわかりやすい罰則を法制化して欲しい。

 

もし、メディアがこれらの議論を先導できるのであれば面白い。ある程度世間にあるべき姿を見せられたら、あとは政治がそれに乗れるかどうかだ。乗れない政権は倒れ、乗れる新しい指導者のうち、その他の問題の対処にも優れた方針を明らかにした人が後を引き継ぐようになるのではないだろうか。

 

完全な仕組みはないと思うが、一つ一つ改善を積み上げて欲しいと思う。時間ばかりかけて結局何もできないのは避けて欲しい。国会運営は効率を上げ、結果を出して欲しい。そうしないと、官僚の呪いに、また、振り出しに戻されてしまう。ね、怖い話でしょ。

 

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*1 内閣人事局を廃止する?

どの番組か覚えていないが、官僚が省益ばかり見て日本のために仕事をしていないと批判を受けて、ようやく誕生した内閣人事局を廃止すべきという意見を主張する“識者”がテレビに何度か出ていた。僕はニュース番組を主にBSジャパンで見ているので、恐らく、そのどれかの番組だと思う。

 

この議論は、一見、僕が上述した「どうしたら改善できるのかの議論」であるように見えるが、あまりに浅すぎる。というのは、キャスターに「以前問題ありとされた状態に戻ってもいいんですか」と質問され、「それでいいんです。日本はそれでうまくいくんです。」などと答えていた。あまりにひどい回答だった。キャスターはそれを否定して議論を回していったが、こんな人が“識者”とされているから不思議だ。

 

官僚は、かつて、多額の税金を無駄を無駄使いした。みなさんもご記憶されていると思うが、年金福祉事業団のグリーンピアは莫大な資金を投入して建設されたものの事業化に失敗し、二束三文で売却した。年金福祉事業団のような外郭団体は無数にあり、役人の天下り先としてその豊かな老後生活のために活用された。このような省益のために政策が歪められ、国民が損害を被った。

 

内閣人事局を廃止すれば、まさに、貞子の呪い「リング」である。

 

 

 

2018年3月16日 (金曜日)

595【番外編】財務省の粉飾〜公文書改竄、事実隠蔽・捏造国会答弁

2018/3/16

財務省というのは本当に悪い役所だ。このブログでは、今まで消費税に関して、実体経済の動きを無視した数字合わせに終始する理不尽な増税派主張を批判してきた。なるほど、その増税派元締めの財務省は、自らの主張のためには公文書を改竄し、事実隠蔽・捏造の国会答弁さえ厭わない、スーパー粉飾企業だったわけだ。増税議論でも資料の捏造があったかもしれない。恐ろしい。

 

粉飾が暴露されたことは良いことだ。あとは第三者機関による徹底的な原因究明と再発防止策の策定、責任者の処分を粛々と進めて欲しい。粉飾企業と同じだ。当然、政治家の責任も問われるべきだ。日本にも、トランプ氏のロシア疑惑を調査する米国の特別検察官のような制度があれば良いのだけれど(今回、東京地検特捜部は動かない?)、国会は空転するばかりでは能がない、何か工夫をして欲しい。

 

さて、スーパー粉飾企業は財務省だけだろうか。或いは、別の案件でも財務省の疑わしい情報提供はないだろうか。先月は厚生省の働き方改革関連法案の資料にも異常が見つかった。監査人であればこれを粉飾の兆候と見なし、当然、監査計画を変更し、試査の範囲を拡大するだろう。取締役も内部統制を維持・運用するために同様の判断を行う。当たり前のことだ。僕であれば、増税のおかしな議論も粉飾の兆候として扱いたいところだ。

 

この取締役や監査人の役目をするのは政治家だろう。政治家はそれを認識・自覚しているだろうか。取締役や監査人は粉飾を見逃せば、社会的糾弾を受けるだけでなく、公認会計士監査審査会・日本公認会計士協会から処分され業務停止や罰金処分を受け(会計士の場合)、さらに裁判による損害賠償請求と続く。政治家は? 任務懈怠の責任を追求できるのは選挙だけなのか。粉飾が株式会社制度の根本を揺るがすように、財務省・官僚組織は民主主義の根幹を腐らせている。民主主義を守るために、その監督責任者である政治家をどうすれば良いのか。

 

この責任追求のためには、監査に監査基準があるように、官僚組織のガバナンスを改善する、政治家が従うべきガイダンスやルールが必要ではないか。いや、コーポレート・ガバナンス・コードの方が適切な例かもしれない(もっとしっかり法的責任と関連づけて欲しいが*1)。

 

安倍晋三氏は、首相として外交・経済政策に大きな成果を残している。しかし残念だが、その地位は今や安泰ではないと言われ始めた。確かにそれだけの重大事だと思う。追加調査や責任追及は第三者へ任せて、今やるべきことは「政治家による官僚組織ガバナンス方法の改善」への道筋をつけることだと僕は思う。国会もその焦点を外さないで欲しい。

 

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*1 コーポレート・ガバナンス・コードは、「遵守せよ、さもなくば説明せよ」だが、「遵守せよ、さもなくば法的責任を問われよ」ぐらいの厳しさがあった方が良いと思う。

 

なお、今回の記事を書くにあたって、次の2つの記事がとても参考になった。みなさんにも紹介したい。

 

田原総一朗氏 日経ビジネス 3/15

マスコミが安倍政権への忖度を続ける不思議

 

橋下徹氏  PRESIDENT Online 3/14

橋下徹"これが財務省書き換え問題の真相"

 

2018年2月22日 (木曜日)

594【投資】東京株式市場と春節休暇

2018/2/22

米国の株式市場(ダウ30種平均)は2/8(木)を底に6連騰、16日(金)には下落幅をほぼ半分回復した。一方、東京市場(日経平均)は前場(午前)に上昇しても、後場(午後)急落するパターンで下げ続け、アジアの春節休暇直前の14日(水)にようやく底を迎えた。

 

時差のため、外国人投資家は日本の午後に活発に取引するらしいが、春節休暇入りした15日(木)以降、後場急落パターンは見られなくなり、相場も反転上昇を始めた。また、東証一部の売買代金も、同日以降5千億円〜1兆円も減少し2兆円台に下がっている。

 

要するに東京市場は今回の下落局面で、外国人に翻弄されていたようだ。春節休暇最終日の昨日は、早めに仕事に戻った投資家がいたのか、午前上昇午後急落パターンが復活し、取引高も若干膨らんだ。しかし、下落には至らず、一昨日の終値より若干の上昇で取引を終了した。

 

こんな東京市場を見てみなさんはどう感じられるだろうか。「外国人に牛耳られて情けない。だから、株式投資はやりたくない」と思われる方も多いかもしれない。

 

 

前々回(592 財政再建と株式投資)記載した通り、株式市場は国家財政にとっても個人の資産形成にとっても極めて重要だ。株式相場は長期的に見れば右肩上がりなのだから、その株式市場を使って、政府が年金資産を上手に運用して国民の年金保険負担を減らしたり、日銀が将来のヘリコプター・マネーの財源を作って増税なしの財政再建を目指しても良いわけだし、個人の我々が資産形成に利用することになんの問題もない。

 

むしろ、利用できるのにしないとすれば、「なぜ?」ということにならないか?

 

僕が思うに、株式市場は資本主義経済の果実であり、この果実を食べないなら資本主義国に生きる意味はない。資本主義経済で生活しているのだから、政府も個人もその果実を最大限享受しない手はない。

 

ただ、そのためには冒頭に記載したような東京株式市場の現状を良い方向へ向けていく努力が望まれる。すなわち、もっと美味しい果実が実るよう土台となる樹木の育成・健康管理を図る必要があるように思う。

 

それが企業開示制度や会計制度、監査制度などだが、それだけではない。プロ・サッカーチームができても、それを関心を持って支える一般のサポーターがいなければ意味がないのと同じように、株式市場も参加者(=サポーター)が増えなければ育たないし健康でいられない。日本では株式投資を身近な生活手段と考える人の割合が低いが、終身雇用・年功序列型賃金体系が流行らない昨今、老後資金を確保する最も身近な手段は株式投資だと思う。しかし、現状では意外に果実を腐らせている可能性がある。

 

冒頭に記載したように、通りがかりの人が果実を盗んでいっても、みんなが関心を持たないと事件にもならない。株式市場はみんなの共有財産だから、みんなで見守る必要があると思う。そうすれば、通りがかりの人も勝手な振る舞いはできなくなるだろう。

 

日本は資本取引が自由化されている国だから、外国人投資家が東京市場で株式取引することは事件でもなんでもない。ただ、日本人の投資家が存在感を高め相場形成を主導しないと、冒頭のように売り崩されて、せっかく実った果実を腐らせてしまう。そこで、東京市場で日本の投資家の売買高がもっと増えれば、外国人投資家が相場に影響を与えるのが難しくなり、それでも無茶する人には相応の報いが与えられるようになるのではないかと思う。即ち、無茶な取引に対する報酬が下がり、コストが上昇するので、今より大きなリスクを負うようになる。

 

 

それでは、そうなるまで株式投資はやらないでおくか。いや、現状でも悪くない、十分美味しい実がなる市場になっている。僕の経験を紹介しよう。

 

ところで、誤解しないでいただきたいことがある。僕は投資指南をする気は全くない。というか、したくてもできない。僕自身、「買えば下がるし、売れば上がる」苦杯を舐め続けている投資不適合者だからだ。唯一言えるのは「短期売買には暇と特別な才能が必要だが、長期投資には人生経験・社会経験があれば良い」ということぐらい。

 

言い換えると、短期売買ができる人はサッカーのスター・プレイヤーのようなもので、特別な努力と才能が要求されるが、一般市民の我々はそのプレーを見物して楽しんでいれば良い(ときには贔屓チームの成績不振に苦しむこともあるが、笑顔を絶やさず耐えることだ)。そうしていると、(株式市場は基本的・長期的に右肩上がりなので)自然に懐が温まっているというわけだ。

 

楽しむためには、どんなプレーが良いプレーで、何が反則かぐらいは知っておく必要がある。プレイブックを読む必要はないが、ゲーム観戦ぐらいはした方が良い。そのためのお勧めは、個別銘柄ではなく、インデックス・ファンド等*1 の購入。これで株式市場と喜怒哀楽を共にできる。自然と投資に関心が向くようになるだろう。関心が向けば知識も深まる。

 

あまり多額の資金を振り向けることはお勧めしないが、いまのように相場が下落したときにヒヤヒヤするぐらいの金額ではあってほしい。その方が刺激があって学びも大きいからだ。

 

もし、自分の冷静さに自信がある方は多めの投資額でも良いが、日経平均が1000円下がったら我慢できずに売ってしまいそうな人は、少なめにした方が良い。冷静な人は長期投資ができ報われる人だが、我慢できない人は何度も痛い目にあって勉強代を払うことになる人なので、学び終わるまで投資額は少なめに抑えておいた方が良い。ちなみに僕は後者のタイプだ。ただ、今回の下落局面では売る衝動を抑えることに成功している。今のところだが。

 

投資を面白いと感じた方は個別銘柄の購入へ進んでも良いが、別に進まなくても良い。個別銘柄へ進む前に、業種別や地域別、或いは、人工知能関連やロボット関連といったテーマごとのファンドへ進むのも良い。というのは、個別銘柄は選定が難しいし値動きが激しくて売り時が難しい。ハードルが高いと思うからだ。

 

ちなみに僕は個別銘柄を持っているが、その運用成績が日経平均を上回った年は僅かだ。分析すると、下落時にビビって売却額を膨らませたときが悪い。例えば、2016年は最悪だった。年初にChinaショック、6月にBrexitショック、11月にTrumpショックと3回も急落局面があり、そのうち2回で対応に失敗し散々だった。もし、インデックス・ファンドを購入し持ち続けられていたら、全然成績が良かったのだ。要するに、メンタルが強ければインデックス・ファンドでも十分な成果が残せたはずだ。メンタルは、おそらく人生経験や社会経験で磨かれる。僕は? (TT)

 

そんな僕でも、2016年を除いた各年の運用成績は定期預金より断然良い。まあ、2012年や2013年はアベノミクスで株価が高騰したラッキーな期間なので、その2年間を除いて悪夢のような2016年を含めても、やはり、限りなく利息ゼロの定期預金より遥かに良い。(日経平均は2013年末の16,291円から6千円近く上昇しているので当然のことだ。)

 

さて、ここで改めて考えてみたい。人生経験や社会経験とはなんだろうか? 僕は、苦しみを楽しみに変える能力ではないかと思う。

 

みなさんも投資を始めると多くの方は、買うと下落し、売るとそのあと値上がりする、即ち、含み損を抱えたり機会損失を被る経験をすると思う。そんな時にめげない力こそが重要なのだ。「上手いことやってやろう」などと思わない方が良い。

 

何か特殊な知識や能力があればそれに越したことはないのだろうが、少なくとも僕にはそれがなかった。会計士・監査人として身につけたものが役立った記憶はない。むしろ、それらは根拠のない自信となって損失に消えていった気がする。

 

要するに、インデックス・ファンドを購入してそれを持ち続ける、相場が大きく下落したときは売るのではなく買い増す(投資予算を一度に使い切らないこと)といった単純な戦略の方が、上手いことになるのだ。苦しいときに諦めずもう一踏ん張りすると良い結果につながる。それを信じられれば苦しみも楽しみになる。まさに人生だ。

 

もちろん、朝鮮半島で戦争が始まるとか、大陸ですごいことがありそうだ、といったときは売った方が良いだろうが、リーマン・ショックのときでさえ米国の株式市場は1〜2年で回復した。日本市場だって当時の最悪期の3倍近くに上昇している。人生のように長い期間を想定すれば、株式投資は単純で優しいものに思えてくる。(それでも修行の足りない僕は、相場が下落すると不安に駆られるが。)

 

 

さて、今日はいよいよ春節休暇が終わり、外国人投資家が戻ってくる。この間、日経平均は800円ほど上昇したので、空売りを仕掛けていた外国人投資家は含み損を抱えているだろう。慌てて買いに走るか、或いは、もう一度売りで仕掛けてくるか。相場が荒れるかもしれない。結構ドキドキする。しかし、悪いことではない。こうして生まれる日々の感情や苦楽は、長い目で見れば僕の人生の資産の蓄積として積み上がっていくのだから。

 

付け足し

もちろん、信用取引には手を出していない。

 

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*1 インデックス・ファンド等

日経平均やトピックスなどに連動する投資信託や、日経平均やトピックスに連動するETFをイメージしている。

投資信託は各取引日ごとの評価額である基準価格でしか取引できないので、1日1回の取引となる。一方、ETFとは上場投資信託のことで、株と同じように市場が開いている時間ならいつでも売買できるファンドのこと。

 

2018年2月 7日 (水曜日)

593【投資】ちょっと寄り道〜イエレン・ロス

2018/2/7

FRB(米国の中央銀行)議長のジャネット・イエレン氏が先週末(2/2、1月最終週)をもって退任した。新しい議長はジェローム・パウエル氏だ。そのタイミングで米国株式市場は大きく動揺した。良好な経済状態と経済見通しの中で驚きの株価下落だ。

 

僕は、これをイエレン・ロスだと思っている。世界の投資家は、世話好きでちょっとおしゃべりの近所のおばさんのように優しく親しみやすいイエレン氏をとても好きなのだと思う。そのイエレン氏が退任するので、投資家は寂しくて仕方がないのだ。この相場は経済理論が役立たないので多くの専門家が頭を抱えているが、僕はそういう“感情”が相場を動かしていると思う。経済法則や理論ではなく“感情”で整理すると、次のようになる。

 

状況1)先月からドル安(&円高)が際立っている。謎のドル安だ。

昨年夏前から欧州経済好転の見通しからユーロが対ドルも含めて上昇していたが、ドルと円の関係では大きな変動がなかった。しかし、年明けぐらいから金利・経済指標からは想定されない、円を含む多くの通貨に対してドル安が進んだ。

 

(僕の説)

恐らく、昨年12月にイエレン氏が任期最後となる利上げをみんなの期待通りに行った時、投資家は「イエレンおばさんは最後まで優しかったな」とほっこりした気持ちになったと思う。そして、その後に到来した寒波とともにジワジワと寂しさが込み上げてきたのだろう。年が明けると投資家たちは、イエレンおばさんにさよならするように、こっそりドルを手放し始めた。

 

(一般の説)

米国金利が上昇し、日米実質金利差が開くのにドル安が進むという従来の法則と正反対の状況を、ちゃんと説明している人はいただろうか。寡聞のせいもあって、“一般的には”と表現できるような多数説、まとまりある説明はなかったように感じている。そうしたなか、僕が比較的多く接したのは、トランプ大減税が国債増発に起因する悪いインフレと金利上昇、経済減速を招くとの懸念を呼び、それがドル安を引き起こしているとする説だ。(米国経済見通しが明るい中でのこの説明なので、僕にはいまいちしっくりこなかった。)

 

状況2)そして、いよいよ先月最終週に米国株式市場が揺れ始める。想定外の暴落だ。

 

(僕の説)

その週は、トランプ大統領がダボス会議(1/26)や一般教書演説(1/31)で、米国経済や株価の好調を自分の手柄と宣伝するなか訪れた。本当の功労者でトランプ氏の虚栄心のためだけに交代させられた感のあるイエレン氏の、議長任期最後の週だった。そしてその正に最終日 2/2(金)、株価の大崩れが始まった。その一週間前(1/26)には史上最高値を更新していたのだから、投資家は最後の一週間にトランプ氏の演説を聞きながら、寂さを一気に募らせたのだろう。そして、ついにちょっと口うるさいけど優しいイエレンおばさんへの懐かしさに泣き崩れ、(ドルだけでなく)株の投げ売りを始めた。

 

(一般的な説)

最近の米国経済指標(の強さ)がインフレ期待の高まりや新体制FRBの早過ぎる利上げペースアップを連想させ米国金利急騰を招き、それが株の暴落を誘ったと考えられているようだ。直接の引き金は、2/2 に公表された雇用統計の賃金上昇率とされている。賃金上昇率は将来のインフレを占うものとして長い間上昇を期待され注目されてきた。しかし、年率2%前半程度の平凡な上昇が続いていた。それが2.9%へ急上昇したのだ。これを受けて2/2は金利も輪をかけて急騰した。

 

それぞれ、どちらが真実に近いかは、みなさんの判断に委ねる。(まあ、明らかだが…)

 

僕はめげずに我が道を行く。

投資家がイエレンおばさんを恋しがっているとすれば、この相場を建て直すのは、新議長のパウエル氏など今後FRBを司る最高幹部しかない。特にパウエル氏がイエレン氏に負けない手腕の持ち主であることを、自ら証明して不安を払拭して欲しいと期待が膨らむ。

 

パウエル氏は就任初日(2/5(月))朝から議長就任宣誓を行い、同時にビデオメッセージを公開した*1。しかし、2/5の相場は、上述の通り2/2以上に暴落した。下落率はありふれているが、下落幅としては1千ドルを超え、過去最大だそうだ。恐らくそのビデオメッセージに、イエレン・ロスを癒すような優しい響き、或いは、イエレン・ロスを吹き飛ばすような力強さに欠けていたのだろう。

 

今週後半には、何人かFRB幹部の講演が予定されているようだが、この下落を止められるだろうか。FRB議長にできなかったことが、他の幹部にできるだろうか。誰かイエレン・ロスを止められる人はいるだろうか。こう考えると、不安は収まらない。

 

 

しかし、ロスは突然終わる。

 

人間、泣き続けることには限界があるし、下を向き続けてもいられない。涙は枯れるし、首や肩も疲れて凝ってくれば、まっすぐ前を向かざるえなくなる。毎日日が昇るし、相場も立つ。企業業績は良いし経済は好調なのだから、どうして下げ続けられよう。

 

経済法則も理論も関係ない。元々は感情に端を発した下落なのだから、突然、それを忘れたかのように前向きになることもある。その後は、時々ロスを思い出して相場が揺れることもあるだろうが、一旦立ち直れば前より強くなるに違いない。(ただ問題は、その立ち直りがいつのことか、分からない。)

 

相場のことなので不確実性がつきまとうが、いずれまた株価が史上最高値を更新するようになるのは、想像できる。そして、米国株が立ち直れば日本株も立ち直る。

 

僕は、まだ株式投資を始めてない方々に投資を薦めたくてこれを書いた。果たしてこんなものが、そのきっかけの足しになるのか、我ながら極めて疑問だ。しかし、これが僕の率直な意見だ。即ち、今回の相場の崩れは、一次的な感傷によるものと思う。だから崩れは回復するに違いない。

 

そもそも、「市場価格は客観的だ」と主張して公正価値評価を多用するIFRSのブログに、こんな相場観を書いてよいものかと思う。「市場価格は感傷で決まるのか」とお叱りを受けそうだ。それでも僕は、イエレン議長の交代が3月末でなかったことに感謝せずにいられない。

 

 

追記

どうやら、上がり始めたようですね。

 

🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 次の記事による。

パウエル氏、FRB議長に宣誓就任-意思疎通の改善に努力と表明 Bloomberg 2/6 無料

米FRB議長にパウエル氏就任 利上げペースに注目集まる NHK NEWS WEB 2/6 無料

 

 

2018年2月 6日 (火曜日)

592【投資】財政再建と株式投資

 

2018/2/6

今年はまた消費増税が議論される。すでにタバコ税や有価証券譲渡税を増税する話題も出ている。だが、安倍首相は消費税に関して「増税するか否か」ではなく、どう増税するか(=どのように経済環境を整えるか)を議論するつもりのようだ*1

 

さて、財政再建のために増税は不可避と言われることが多いが、本当にそうだろうか。僕はテレビなどでしたり顔で解説する“専門家”にちょっと疑念を抱いている。以前から同じようなことを書いているが、今回は株式投資と絡めて、改めて書かせてもらいたい。

 

山はバリ島や草津白根山で噴火し、月は不気味にスーパー(でかい)・ブルー(2回/月)・ブラッド(月蝕)の3拍子が揃い、株はリーマンショック以来の下げ幅(米DJI)を記録する騒ぎとなっている。2018年は小室哲哉氏が引退したり、仮想通貨が盗まれたりするだけではない、騒がしい年になりそうだ。でもそんな時に投資のチャンスはやってくる。

 

投資開始のチャンスとは次の2条件、即ち、これ以上下がらず、この先上昇を見込めるという条件を満たした時だ。これ以上下がらないかどうかは僕にはよく分からない。もっと下がるかもしれない。でも、この先上昇することは見込める。

 

というか、もしこの先、株が上昇しないようであれば、僕もみなさんも、そして世界中の多くの人々が、この先まともに生活できないことになる。それこそ想像できない。いや、核戦争にでもなればそういうことになるが、みんなでそうならないよう頑張って、それでもそうなってしまったら、もうしょうがない。もう、投資どころの話ではない。それにそうなれば、国債保有者や債権者が誰かもわからなくなっているに違いないし、政府の財政などどうでも良い話になっているだろう。要するに、株価が継続的に上昇しないケースとは、それほど極論であり、それを想像してもしょうがないのだ。(その時はみんなでどうしたら自給自足できるか相談しましょう。)

 

実は、我々が思う以上に株価は底堅い。下がってもいつかは上がる。基本的に右肩上がりなのだ*2。そして重要なのは次の2点だ。

 

  1. 株が上がると国の財政にとても良い影響がある。増税よりはるかに。

 

  1. 株価上昇には我々一人ひとりが関われる。我々は無力ではない。

 

まず、Aから。

 

みなさんの中には、株は民間経済のものであり、国の財政には関係ないと思われる方もいらっしゃるかもしれない。しかし、少なくとも国民年金は一部株式運用されているし、日銀は金融緩和策の一環として上場投資信託(=ETF)を買い続けている。両者を合わせると(日本株だけで)数十兆。国民年金の運用資産が増加すると、現役世代・将来世代の国民年金保険料負担が楽になるし、日銀の運用資産が増加すると後で述べる国債棒引き、いわゆるヘリコプター・マネーの財源になりえる。

 

ということは、株価が上昇すると国民の年金負担や国の借金返済が楽になる。それに株価が上がるということは、企業業績が好調で経済活動が活発ということだから、法人税も所得税も、有価証券譲渡益課税額やその他様々な税収が増える。

 

ところが、増税すると、例えば消費税が3%上がると数年から20年ぐらい経済が拡大しないとか、デフレになるなどの副作用で、結局、税収が減少することが起こりえる。実際に消費税を5%にあげた後の副作用は、そのタイミングの悪さもあってきつかった。いわゆる“失われた20年”となった。

 

一部の経済学者は、日本国債を返済不要で無利子の永久債に転換するよう提言している(=ヘリコプター・マネー)。一部のといっても極右・極左のような人々ではなく、英国や米国の金融行政や中央銀行の最高幹部といった大物たちだ*3

 

ただ、無利子の永久債へ転換すると、保有している日銀のB/Sの資産に多額の損失が発生する。約400兆円もだ。

 

一方、同じ永久債でも有利子だと金利負担はあるが、その代わり時価評価することで多額の損失を回避することができる。ただ、金利負担は永遠になくならない。例えば、1千兆円の借金の利払いは金利1%ごとに10兆円だから、いずれ市場金利が上昇すると国の一般会計は毎年大変な負担を強いられることになる。少しでも元本が少ない方が良い。

 

そこで日銀保有株の時価評価益を利用するのだ。株価が上がれば上がるほど、たくさん元本を減らすことができる。まあ、数十兆の株の評価益では、1千兆円の借金のほんの一部しか消せないが…。

 

とはいえ、(増税なしの)株価上昇だけで、年金や国債負担の軽減、税収増加が実現できれば、どれほど社会が明るくなるだろう。きっと素晴らしいに違いない。いや、実は大したことないかもしれない。というのは過去5年ほどを振り返ってみれば良い。この間、株価は約2倍に値上がりしたが、“実感なき景気拡大”と言われてきた。(但し、この間に消費税2%増税や社会保険料負担の増加があって、我々の幸福感を引き下げた。これらがなければもっと幸せを感じられたかもしれない。)

 

 

“継続は力なり”という。僕は会計における「継続性の原則」への盲信には懐疑的だが、株価上昇基調の継続は、確かに大きな力になると思う。“大きな力”とは我々が景気拡大を実感することだ。もっと長期間株価の上昇が続けば、続けさせることができれば、いずれは我々の生活感を大きく変えられると思う。もちろん、良い方向へ。

 

そこに上記のBの話がつながる。株価の上昇は、我々の手の届かないところで勝手に行われている話ではなく、我々は微力ながら、そこに関われる可能性がある。1つは企業業績向上へ関わる形で、もう一つは株式取引に参加し資産として株を保有するという形で。

 

ということで、ここから後半戦が始まるのだが、久しぶりに書いているせいかどうもペースが上がらない。今回の株価下落をチャンスにして株式投資による資産運用を多くのみなさんに薦めたいのだが、そこまで至ることができなかった。(ということで、これには続編がある。だが、まだ投資を始めてない方は今こそ真面目に考えた方が良いと思う。)

 

でもみなさん、僕は給料と年金だけで100歳まで経済的に不自由なく生活できる人は幸運な人だと思う。“幸運な人”とは普通の人ではない人のことだから、もしみなさんが、「自分は普通」と思うなら、給料と年金以外の糧が必要ではないだろうか。僕はそう思って投資を始めた。

 

別に普通であることを卑下することはない。普通の人とは、自力で自分の人生を全うする誇り高い人のことだ(自分で言うのも恥ずかしいが)。ただ、我々日本人は、特にバブル崩壊を知る世代は、株式投資に悪いイメージを持ち過ぎている。今、それを乗り越える必要があると思う。それがのちの世代のためになるし、何より、自分の人生を誇り高く生きることにつながるように思う。

 

ちなみに、証券口座を開くには恐らく数日かかると思う。今回の下落はそんなに簡単に反転しそうにない。現在株を持っている方々には悪いニュースだが、十分間に合いそうだ。(T T)

 

🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 次の記事による。

 

首相「消費増税への状況つくる」 衆院予算委 日経電子版 2/5 無料

 

*2 確かに、日本の1990年前後のいわゆるバブル時代の株価は異常に高かった。それが頭にあるので、つい株価の基調が右肩上がりであることを疑ってしまう。しかし、世界の株式市場はつい最近までほとんど史上最高値を更新しているので、右肩上がりになっている。日本のあの時代は極めて例外的であったと考えるべきだと思う。

 

*3 具体的に無利子の永久債への転換を主張しているのはアデア・ターナー英金融サービス機構(FSA)元長官。ベン・バーナンキ元米FRB議長もヘリマネを主張。

 

特集:ヘリコプターマネーの正体 2016年8月2日号
週間エコノミスト
2016/8/2 無料

 

ちなみにアデア・ターナー氏は、日銀の現在の国債購入は、すでに実質的な無利子・永久債への転換だと指摘し、それを国民にはっきり明示するよう提案している。国民は、政府が国債発行で財政支出を増やしてもいずれ増税で吸い上げられると予測し、消費などの経済活動を高めない状況に陥っている。そこから脱するには、(一部の)国債の返済が不要であることをはっきり知らせることが重要と指摘している。この主張は2018年の現在も変わっていない。

 

視点:マネタリーファイナンスはなぜ日本に必要か=アデア・ターナー氏
REUTERS
2018/1/10 無料

 

もちろん、ヘリマネには副作用があると批判されている。財政規律が緩んでいずれ財政破綻に至るとされている。このため、国債全額を棒引きするようなヘリマネ政策を実行すれば日本政府の信用、即ち、円の価値が暴落する可能性が考えられる。したがって、上述したように日銀の資産の範囲でやるのが現実的ではないかと僕は思っている。素人の意見だが。

 

 

2017年12月 8日 (金曜日)

591【番外編】行政文書管理制度への意見

2017/12/8

先週のことだが、浦和レッドダイヤモンズは、アジア・チャンピオンズリーグを制する偉業を成し遂げた。Jリーグには川崎フロンターレというニュー・チャンピョンが誕生した。我が清水エスパルスはJ1残留を果たした。エスパルスはいわゆるオリジナル10だが、まだリーグ優勝経験がない。フロンターレに先を越されたのは悲しいが、フロンターレの素晴らしい攻撃力を賞賛したい。

 

今年も色々なことに決着がつく季節となった。師走だ。行政文書管理ガイドラインの改正も、(民主主義の根幹を支えるというその役割の重要さの割に)ひっそりとパブリックコメントの募集が行われ、早々と締め切られようとている(10日の日曜まで)。安倍政権は今年中に改正を済ませるつもりらしい。

 

僕は別にアンチ安倍ではない。むしろ、投資家としては株高にお礼を言いたいぐらいだ。しかし、他に政権の選択肢がない中で、悪いことは改めてもらわなければ困る。行政文書の保管・管理がずさんなままでは、ゴール・キーパー不在のサッカーチームのようなもので、勝利を重ねて優勝を狙えるチームにはなれないと思う。

 

 

というわけで、早速、概要・新旧対照表・現行ガイドラインを眺めてみよう。細かい点はさておき、気になったのは以下の点だ。

 

                       
 

 
 

行政文書を不当に廃棄したり、またはそれを命令・指示・示唆することを禁止する規定がないようだ。(森友問題の見積書、内閣府の入退室記録)*1

 
 

 

 
 

存在する行政文書を不存在として扱うことを禁止する規定がない。またはそれを命令・指示・示唆することを禁止する規定がないようだ。(内閣府の入退室記録、PKO部隊日報)*1

 
 

 
 

行政文書とそれ以外(私的文書)の区別は、行政文書を広く、私的文書を狭く解釈すべき旨の新たな規定がないようだ。(文科省の文書ファイル、内閣府の入退室記録、PKO部隊日報では現行規定*2のもとで混乱が生じた。)

 
 

 
 

保存期間(別表1)は、電子データ時代に合わせた全面見直しを行うべき。同時に行政文書の電子化を進めるべき。例えば、法令の制定に関するものは30年とされているが、その法令が存続する限り保存しないと、将来改廃を検討する時に困るのではないか。電子化して保存すれば保存スペースの問題は起こらない。

 
 

 
 

業務上使用するメール・アドレスで発信・受信したメールは行政文書とし、それ以外の私用メール・アドレスと使用方法・使用機会を混同してはならないとする旨の規定ないようだ。(ヒラリー・クリントン氏の私用メール問題からの教訓)

 
 

 
 

罰則がない。法改正が必要であれば行うべき。

 

 

要するに“モリカケ問題”等で露呈した不正な行政文書の扱いが、改正ガイドラインでどのように改善されるのかを具体的に知りたい。そうでないと、国会を空転させ、貴重な時間を浪費させ、日本の民主主義に多大な損害を与えた行政文書のずさんな管理が、今後繰り返されることはないとの確証が得られない。

 

また、行政文書の不正な取扱いを命令・指示・示唆した者(政治家も含む)が存在した疑念が晴れないので、それらに対する責任も明確に記して欲しい。これがひどく腹立たしいのだ。そのような者は本当にいなかったのかもしれないが、そうだとしても、今後も現れないことの確率を高めて欲しい。

 

 

エスパルスは来季、監督を変える。誰がやってくれるか僕は知らないが、選手の個性が際立つような戦い方を指導してくれるよう願っている。単にルールを決めてそれを守らせるだけでなく、個々の選手が他の選手と連動しながらも個性を発揮できるようなルールが必要だ。ルールは守ることが目的ではなく、個々の選手の力を単純合算以上に発揮させ、試合に勝利するためにある。

 

公文書管理も同様だ。民主主義の根幹を支えるはずの行政文書が原因で国会が空転するような姿を、今後一切見たくない。それは国民の損失以外の何物でもない。公文書は過去の歴史・経験を生かせるよう研究・分析・検証に使用され、社会変化に柔軟に対応できるタイミングのよい意思決定に貢献して欲しい。そのためのガイドラインになって欲しい。

 

🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 “不当に廃棄する”とか、“存在するものを不存在として扱う”などありえない、だからガイドラインに記載する必要がない、などと考えてはいけないと思う。実際にそれが疑われて国会が空転したのだから、万全の防止策を図るべきだ。

 

*2 「行政文書の範囲を広く、私的文書を狭く」という趣旨の現行規定は、(僕が気がついた範囲では)次のように記載されている(「第3作成」の「留意事項」の「文書主義の原則」の7つ目の)。

 

「処理に係る事案が軽微なものである場合」は、法第1条の目的を踏まえ、厳格かつ限定的に解される必要がある。すなわち、事後に確認が必要とされるものではなく、文書を作成しなくとも職務上支障が生じず、かつ当該事案が歴史的価値を有さないような場合であり、例えば、所掌事務に関する単なる照会・問い合わせに対する応答、行政機関内部における日常的業務の連絡・打合せなどが考えられる。当該事案が政策判断や国民の権利義務に影響を及ぼすような場合は含まれない。

 

一見、適切な表現になっていると思う。しかし、これでも森友問題の見積書は廃棄されたし、内閣府の入館記録も見つからなかった。また、PKOの日報についても、テレビ番組の識者は「行政文書として扱わなければ良い」などとコメントしていた。要するにこれでは不十分なのだ。

2017年11月23日 (木曜日)

590【番外編】行政文書管理制度への意見〜寒い!

 

2017/11/23

最近急に寒さが厳しくなってきたが、みなさんのところも同じだろうか。ただ、寒く感じるのは気温のせいばかりではない。今、僕は行政管理制度ガイドラインの改正について、首筋にひんやりしたものを感じている。さて、みなさんはどう思われるだろう。

 

 

まだ内容は読んでいない。ニュースでは何週間も前から改正案が公表されたが如く報道されているが、実際には漸く22日に「行政文書の管理に関するガイドライン」の一部改正案についての意見の募集について(内閣府ホームページ)が公表され、パブリックコメントが募集された。

 

募集期間は12/10までだ。あまり時間はない(会計基準なら数カ月募集する)。公表された資料は募集要項や概要、新旧対照表、現行のガイドラインのみで、改正案はない。改正案は自分で想像しろ、ということらしい。このパブリックコメントは、公文書管理委員会という会議体で話し合われてきたことだが、8月以降開催された直近3回分の議事録は公表されていない*1。改正の趣旨や背景にある議論に興味を持っても知ることができない。

 

なるほど、このガイドラインの改正は内閣府大臣官房公文書管理課にとって、あまり重要性な話ではないのだな。同じく22日に募集された「豆腐の規格基準」とか「愛玩動物飼料安全性」などはもっとパブリックコメントの募集期間が長いのだが*2、それより軽いテーマなわけだ。

 

ふ〜む、「公文書等の管理に関する法律」の第1条に記載されている“民主主義の根幹を支える公文書管理”(前回11/12の記事を参照)とは、その程度のものなのか。この状況はそう思わずにいられないが、これが官僚のセンスなのだろうか、それとも安倍政権の姿勢か、う〜みゅ。“謙虚に丁寧に”はどこへ行った?

 

 

寒い。とっても寒い。寒さに対抗するには熱が必要だ。

 

というわけで、このテーマ、いつもより情熱を持って進めていきたいと思う。いや、いつも情熱を持ってやっているつもりだが、さらに温度を上げていこう。

 

 

🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー

*1 下のページは公文書管理委員会の開催状況のページだが、現時点(11/23)で8/30開催の第56回以降、議事録が掲示されていない。

 

2017年度 委員会開催状況

 

*2 下のページが政府のパブリックコメント募集のページ。

 

パブリックコメント:意見募集中案件一覧

 

ここを見ると、22日には11件募集案件が新たに掲載されたが、そのうち9件は、このガイドラインの改正案より意見募集期間が長い。

 

 

 

2017年11月12日 (日曜日)

589【番外編】行政文書管理制度への意見〜罰則を設けよ!

2017/11/12

2ヶ月程前に急に涼しくなったが、それからは季節が足踏みしており、過ごしやすく心地よい日々が続いている。みなさんのところはいかがだろうか。

 

この間、総選挙やトランプ氏のアジア歴訪、そして日本シリーズなどに世間の関心、というかマスコミの関心が向いていた。僕の関心は「行政文書の管理に関するガイドラインの一部改正案」に向いている例の“モリカケ”や南スーダン派遣部隊の日報で注目を浴びた官僚の文書管理の杜撰さをなんとかしようという問題だ。マスコミでは11/8に報じられた*1が、それによれば、この改正案について一般への意見募集が行われるという。

 

まだ意見募集は行われていないらしい。内閣府のホームページを探しても、意見募集の対象となるその案すら見当たらない。

 

というわけで、僕なりに現在の行政文書管理制度を検討してみようと思う。現在の行政文書管理制度については、内閣府のホームページの「行政文書の管理」に記載されている内容を対象としたい。

 

 

予め申し上げておくと、僕は(恐らく、みなさんと同様に)、この行政文書管理制度には非常に悪いイメージを持っている。政治家や官僚がこの制度を悪用したと感じているからだ。

 

本来保管が必要な見積もり資料や入退館記録を廃棄し、核心をつく会議メモを行政文書ではないと否定し、現政権と自分自身にのびる追及の手から逃れようとした。自衛隊の日報に至っては、現場情報としての重要性を無視して、「行政文書から外してしまえ」などという極端な意見を識者が堂々とテレビで述べている。

 

言ってみれば、会計基準を歪めて粉飾決算を行なったのに、その会社が罰せられることなく上場し続けているようなもので、その会計基準の見直しには心血をそそぐ必要があると思うのだ。

 

おっと、そういえば、東芝は粉飾決算のあとも上場を維持している。オリンパスも然り。ん〜、現実には「粉飾=上場廃止」ではない。しかし、少なくとも経営陣は一掃されるし、リストラされるし、株は売られるし社会的非難も浴びている。したがって、総選挙で自民党が大勝利したから、問題官僚が出世・栄転したことが正当化されるとか、問題閣僚が再選されたからその傷が消えるなどいう政治の世界ほど簡単なことではない。政治や官僚の世界もこんな簡単なことにならないようにする必要があるように思う。

 

 

ということで、まず、この制度の目的を押さえておこう。そもそもこの制度は何を目指しているのか。それによって我々の不満や不安をカバーしうるものか、それとも別の制度が必要なのかが分かる。公文書等の管理に関する法律(平成21年7月1日法律66号)」第1条には次のように記載されている。

 

この法律は、国及び独立行政法人等の諸活動や歴史的事実の記録である公文書等が、健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源として、主権者である国民が主体的に利用し得るものであることにかんがみ、国民主権の理念にのっとり、公文書等の管理に関する基本的事項を定めること等により、行政文書等の適正な管理、歴史公文書等の適切な保存及び利用等を図り、もって行政が適正かつ効率的に運営されるようにするとともに、国及び独立行政法人等の有するその諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務が全うされるようにすることを目的とする。*2

 

うん、難しい。誤解を恐れず平易・簡潔に表現すると次のようになるだろうか。

 

行政文書は民主主義の根幹を支えるものの1つである。適切な管理(行政の効率性を含む)は、国などの諸活動を現在及び将来の国民に説明する責務を果たすために必要なものである。

 

議会が決めた法律(政策)を行政が執行するが、それを気に入らなければ次の選挙で議会の顔ぶれを国民が変更する。アベノミクスやインド太平洋戦略といった大きなテーマについては、のちの世代の国民が成功・不成功を評価して次の戦略策定と執行に生かしていく。

 

このような民主主義の仕組みと合わせて考えると、なるほど、行政文書の管理・情報開示は民主主義の根幹をなす重要な制度だ。これら情報の記録・保管が適切に行われず、嘘があったり重要なことが不明瞭であったりすれば、国が進路を誤ったり政権選択という国民の権利が侵害され恐ろしいことになる。

 

これは、当初の想定より重要性が高いテーマのようだ。影響が極めて大きい。何しろ国の根幹に直接関わる問題だ。しかし、構図としては監査調書の保管と似ていそうな感じがして取組み易い気もする。

 

 

ちょっと進路変更をしたい。上には「内閣府のホームページの「行政文書の管理」に記載されている内容を対象」と書いたが、事柄の重要性に鑑み、“案”が開示されるのを待って、ちゃんと検討したい。

 

とりあえず現在気が付いたことを書いておきたい。

 

それは「罰則がない」だ。上記の「目的」の引用元である「公文書等の管理に関する法律」にもなさそうだし、内閣府のホームページにも記載がない。ということは、“公文書偽造”などの一般的な刑法が適用されるのだと思うが、事の重要性や“モリカケ”に見受けられる構図を考えると、行政文書管理専用の罰則が必要だ。

 

刑法の規定は、偽造の対象が証明書などの特定のものに限定されていて、ここで言う行政文書の大半が抜け落ちてそうだ。また、“偽造”が対象であり、廃棄・紛失・隠蔽といった行為及びそれを指図した者に対する罰則がないようなのだ。音声・動画などの電子ファイルの扱いについても、同様の心配がある。

 

企業が嘘の開示をすればそれ用の罰則がある。監査人が監査調書を適切に作成・保管しなければ監査人としての資格を失う。これらは刑法の一般規定ではなく、金融商品取引法や公認会計士法といったそれ専用の法律に基づくものだ。

 

そういうことであれば、政治家や官僚が行政文書を不適切に扱った場合は、当然にそれ専用の罰則規定が必要と思う。政治家や官僚に、国の根幹・民主主義を支えている自負があるなら、自ら進んで重い責任を負ってもらいたい。

 

 

実は、もう一つ、僕が関心を持っているものがある。11/10にフランスで行われたサッカー日本代表のブラジル戦だ。結果は1-3で敗れたが、3失点した前半の出来が、どうも納得できない。日本代表はもっとやれたはずだ。

 

説明責任はハリルホジッチ監督にあるのだろうが、言葉でなくても良い。次の11/15のベルギー戦で前半から素晴らしい戦いを見せてくれれば満足するだろう。安倍政権にも同様の期待を持っている。

 

 

🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー🍁ー・ー

 

*1 NHKは次のように報じている。

 

行政文書取り扱い 政府が新たなガイドライン案 11/8 NHK NEWS WEB

 

*2 行政文書管理制度の目的について

この記事の対象としている“行政文書”を含む公文書管理制度の目的は、本文に記載した内閣府のページには書いてない。上記の法律第1条の記載は、次のリンク先の文書から転記した。

 

公文書等の管理に関する法律 - 内閣府

 

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