(Z01)東京電力の決算

2014/05/07

東日本大震災と福島第一原発の事故が発生した後のこと、4月ごろだったと思いますが、まだ監査法人に在籍していた僕は喫煙所で同僚と「損害賠償や原発廃止費用の合理的な引当、見積りは難しいだろうな。東電に監査意見付けられるかな。」などと、雑談したことがありました。僕の「監査意見は出せないのではないか」という意見に対し、その同僚は「それでも出せるんじゃないか」と言ってました。煙草を吸う間の短い話なので深い話はしてませんが、僕の意見は監査や会計の世界に留まっていたのに対し、同僚の意見はもっと大きな監査の社会的な役割、東電の情報開示責任をサポートすることに視点を置いていたような気がします。

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結果は、監査人が適正意見(継続企業の追記情報付)を表明し、同僚の推察の通りになりました。2011/3期、東電は、完全でなくてもできる限りの情報開示を行い、監査人も匙を投げずに責任を全うしました。僕も退職後に2011/3期有価証券報告書を見て、個別に問題があったとしても、全体として適切な対応がとられたのだなあと思いました。

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しかし、外から見て欠陥の分かる状態で財務情報が開示されているので、その後、時と共にどのように修正されていくのかは非常に興味をそそられました。2011/3期は、震災と原発事故の大混乱の中の限られた時間での財務情報の作成ということで許されても、その後は財務情報の精度を上げていく必要があると思ったからです。仮に、引当計上する見積もり数字の精度を上げられなくても、説明(注記)をより丁寧に行うことで、財務諸表の読者により実態に近いイメージを提供できます。そういう改善がどのように行われているか、関心を持ったのです。そこでその様子をフォローしてみることにしました。

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2011/3期決算)

004 2011/06/30 最後の監査報告書~後発事象について東京電力でケーススタディー

005 2011/07/01 原発事故に関する修正後発事象~東電と監査人の判断

010 2011/07/08 最後の送別会~継続企業の前提

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2012/3期の四半期報告書)

097 2012/03/12 東京電力への政府出資と財務情報

098 2012/03/13 原子力事故に関係する重要な決算項目

099 2012/03/15 国による財政的な支援の内容

100 2012/03/17 災害特別損失の見積り

101 2012/03/22 原発事故に関する注記事項

102 2012/03/22 東電の財政状態とリスクについての一つの見方(まとめ)

103 2012/03/24 結局、東電は債務超過か?

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2012/3期決算)

126 2012/06/13 【東電2012/3決算短信】の気になるところ

127 2012/06/15 【東電2012/3決算短信】料金値上げと原発稼働率

128 2012/06/19 【東電2012/3決算短信】継続企業の前提に関する注記の趣旨

129 2012/06/21 【東電2012/3決算短信】継続企業の前提に関する開示制度(監査上の判断と開示)

130 2012/06/23 【東電2012/3決算短信】GCの注記内容

132 2012/06/29 【東電2012/3有報】GCの注記

133 2012/07/03 【東電2012/3有報】監査報告書の強調事項~見積もりの限界

134 2012/07/05 【東電2012/3有報】災害特別損失①~3千億円は前期の修正!? まさかねぇ~

135 2012/07/07 【東電2012/3有報】災害特別損失②~見積もりの変更?~

 

291.【東電決算】海江田経産相(当時)の責任  2013/9/21

 

 

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